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奉仕転生〜死んでも奉仕する〜  作者: 白アンド
132/150

狩る側、狩られる側

すみません。遅れました。


「っ!」


金竜が一気にこちらに攻めてきた。


一足で離れた俺の方まで辿り着き、空気を貫きながら体を素早く動かす。

それはあまりにも速く、力強い動き。


だが、俺にはゆっくりに見える。


どうやら、それは彼女も同じのようだ。



ッガアン┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈!



マオの一撃が金竜に命中する。


()いだハルバードで斬りつけるのではなく、顔面を思い切り殴った。

殴られた金竜は体勢を崩しながらも、しっかりと二本の足で地面を滑る。


俺は未だ停止しきれていない金竜に右手を向ける。


「囲め」


瞬間、金竜の足元から這うように土が盛り上がる。


直ぐに金竜の姿が見えなくなり、俺は更に魔術を使う。

左手で固定した右手に魔力を込め、放つ。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ボオオオォオオッ!



目が勝手に細まるほどの白い炎柱が金竜に轟く。


金竜を囲っていた壁が赤く、次に白く光り、周りの地面と共に溶けながら(えぐ)れていく。


「…………」


眩しい光も轟音も消え、その残骸が静かに残る。


それを背景に佇む影が一つ。


「『 ………… 』」


地面から上がる煙の中、地面が焼けるような音を立てる中、金竜は俺に向かって駆ける。


その動きはまたも直線的で、軌道は読みやすい。

マオが()かさず俺と金竜の間に立ち、ハルバードを構える。


そして、金竜の頭にピッタリと振り下ろした。


「!」


だが、金竜が流れるような動きでマオの攻撃を避ける。

そして軽く飛び上がり、マオの顔に蹴りを入れた。


「っ…」


マオは間一髪のところで直撃を防いだが、そこの岩へと吹き飛ばされてしまった。


透かさず金竜は俺の方へと体を向ける。


焔の鉄槌(ゼクティウス)


蒼級魔術を行使する。


金竜の頭上に影が出現し、即座に焔の拳が振り下ろされる。


「『 ……… 』」


溶岩のような肌を持つ悪鬼が姿を現す。


金竜の表情は分からないが、全身で耐えている姿に見える。

両腕で悪鬼の拳を抑え、両足で全ての重みを支えている。


隙だらけだ。


手を向ける。


「『っ…』」



ズゴゴオォォォ



すると、金竜が体をずらすことで悪鬼の拳を地面に叩きつける。

そして悪鬼の足を蹴り、巨大な体をいとも簡単に宙に浮かせた。


ダ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ンッ!


金竜は無防備になった悪鬼の横腹を思い切り蹴る。

溶岩のような肌が脆く崩れ、衝撃波のように巻き散る。


赤い巨体が俺の方へと猛スピードで向かってきているのだ。


蒼級召喚獣が思い切り投げられた。


だが、焦りは全く感じない。

対処のしようは幾らでもある。



パァァンッ…



悪鬼を手を向けることで消滅させた。


俺が出した召喚獣だ。

消す時も簡単だ。


だが、金竜の狙いは別にあった。


「!」


金竜が舞い散る粒子を突っ切り、拳を握りしめている。


あっという間に開いていた距離を詰め、その拳を俺に┈┈┈┈



ギャゴオオォオン!



金竜が俺の目の前から居なくなった。


帰ってきたマオがハルバードで金竜の横顔をぶん殴ったのだ。

殴られた金竜は遠くの岩へと吹き飛ばされた。


「治癒は要らん」

「ん」


マオの体を見る。


彼女は少し汚れた程度で、特に傷は無さそうだ。

頑丈だな。


「このまま押し切るぞ、シャル」

「ああ、食料調達だ」

「ご馳走だな」


俺たちにも余裕が出てきた。

簡単な会話を交えながらも、その目は一点を見つめている。


「『 …………… 』」


金竜が(だる)そうに起き上がる。



このままなら、勝てそうだな。



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