表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奉仕転生〜死んでも奉仕する〜  作者: 白アンド
128/150

最前線の示す先


「シャル、勝てると思うか?」


最前線までの道中、マオが弱気の問いをかける。


言っていることは弱気だが、その声音には自信が篭っている。

俺もその声を聞くと、やる気が出てくる。


「勝てるよ、俺もマオもいるしな」

「そうだな」


俺が微笑んで答えると、マオも微笑み返す。


「それにしてもマオ、かなり強くなったね」


マオが金竜を倒した時のことを話す。


あの時のマオは格好良かった。

そもそも、四年前も彼女は相当(そうとう)強かったはずだが。


「そうか?」

「うん、俺が見てない間、努力したんだね」

「ふっ、まあな」


心地よい雰囲気で道を歩く。


好きな人と話すのはやはり楽しい。


「そういえばマオ、金竜の肉って食べれるのかな?」

「…? 硬いとは思うが食べられると思うぞ? なぜだ?」


俺の酔狂(すいきょう)な質問にマオが疑問を抱く。


俺もいくら敵が憎い相手だからって、食らってやり返そうとは思わない。

だが、食べなければならない理由がある。


「前、飛竜(ひりゅう)食べれなかったからな」

「あれか」


そう、あれだ。

四年前、俺はマオに約束した。

飛竜の肉をたくさん食べさせると。


あの時は既に処分されていて食べさせられなかったが、今回はこれでもかと言うほど余っている。


「帰ったら食べような」

「ん」

「む、マオか」


すぐ近くにマオの名を呼ぶ男が一人。


もうウォルテカ(マオの父親)のいる所まで着いたらしい。

となると、ここが最前線か。


「ウォル、手を貸しに来た」

「うむ、ちょうど欲しかったところだ」


流れるように会話が行われる。


「状況はどうだ?」

「悪くはないが良くもない。親玉が来ればこの拮抗(きっこう)は崩れるだろうな」


改めて聞くと、肩を落としたくなる話だな。

生まれて間もない子供相手に拮抗状態。

それでも、未だ親玉はピンピンしている。


「安心しろ、こちらにはシャルがいる」

「…?」


マオからの信用が凄いな。

悪い気はしないが、荷が重い。


ウォルテカが微妙な顔をしているのが気になる。


「……まあジェフとロウネの息子だ、期待はしている。

だが┈┈┈┈┈┈」


ウォルテカは俺を真っ直ぐ見つめ、今までなかった真剣な顔をする。


「┈┈┈┈┈┈親玉は我らが片付ける」


ふむ。

これも獣族の誇りというものなのだろうか。


「はい、なら僕は援護に徹するとします」

「うむ、そうしてくれ」


ウォルテカの言を了承し、マオの方を見る。


「…?」


うん。

彼女も特に思うところは無いようだ。

可愛い。


「では()こう」

「ああ」

「はい」



こうして、俺たちは最前線に赴いた。

金竜を倒す為に。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ