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奉仕転生〜死んでも奉仕する〜  作者: 白アンド
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手にあるものか、離れたものか

俺も寝ることになった。


いつものように一つのベッドに三人で横になる。


「シャルも頑固よね」

「ね」

「エミリーには負けるよ」


今日も美少女に囲まれて寝る。

腕に襲われる心配がなければ、かなりの快眠になっただろう。


「シャル…えっちは?」

「しない」

「やっぱり頑固じゃない」


えっちはしょうがない。

俺の息子は制御できないが、気持ちならできる。

彼女たちがどんな誘惑をしてこようと、俺には通じないということだ。


「シャル……ちょっと聞いていい?」

「んー?」


フィルが俺の右腕に抱きつきながら問いかける。


「いつ……マオのとこ行くの…?」


マオにいつ会いにいくか…


本当は今すぐ会いたい。

きっと、顔を合わせた瞬間にえっちすることになるだろう。

だが、それは彼女がまだ俺のことを好きだったらの話だ。


エミリーとフィルに会うのですら、俺は躊躇った。

あの時は右腕を失っていたし、心も落ち込んでいた。

今はどちらも大丈夫だが、マオに顔を合わせるのが怖くなっている。


それに、まだ二人と再開して三日も経っていない。

なら…


「マオはもう少し先でいいよ」

「え………いいの……?」

「今は二人の方が大切だからね」

「ん…」

「ふぅん…」


二人とも照れてくれている。


実際、俺は怖がっているのか、本当に二人を優先したいのか分からない。

怖いから適当に理由をつけているだけかもしれない。


「意外ね…シャルは直ぐにマオのとこ行くと思ってたわ」

「そうかな?」

「どうせ一日中えっちするもの」


いやいや、流石にそんなわけ。

最初はエミリーかフィルにするつもりだ。

散々我慢させられたのに後回しってのはどうかと思う。

そのくらいは俺だって我慢できる。


「俺は二人と最初にしたいよ」

「ふんっ」

「ふっ…」


だが、いつかはマオに会う時が来るだろう。

その時、彼女が俺をどう思っていてもいいように準備しておくべきか。


「シャルはさ…私たちと会う時、どんな感じだった?」


フィルたちと会う時か…

今でも鮮明に覚えている。


「凄い怖かった」

「シャルでも怖いことあるんだね」

「好きな人には絶対嫌われたくないからね」

「……へへ」


なんだよ、可愛いな。


フィルの腹を撫でる。


「きっとマオも、シャルのこと好きだよ」

「そうかな…」

「そうだよ。だってルーシャさんを一人で倒したんだよ?」


どうだろうな。

今となってはあいつが本気で戦っていたかは怪しい。

それに、俺の勝因は不意打ちだ。

胸を張って言えるものじゃない。


「じゃあ、シャルに英雄の称号渡さなきゃね」


あいつを倒して得る称号か…

一応、腕は協定を結んでいる国のお偉いさんなんだけどな。


「張り切って忠誠の誓いしなきゃだ」

「……そうね…」


エミリーの手を握る。


「もう寝ましょ…」

「あ、エミリー照れた?」

「うっさいわね…」


可愛ええ。


「おやすみ、二人とも」

「おやすみ、シャル」




「シャル…起きてる?」

「起きてるよ」


フィルに返事をする。


また誘惑をされるのだろうか。


「マオのこと………なるべく早く行ってあげてね…」


意外だ。

フィルは誰よりも寂しがり屋だから、こういうことは言わないと思っていた。


「マオもきっと…シャルに会いたがってるから…」

「ん…分かった」


マオは今頃、なにしてるんだろうな。

訓練?

それとも、男漁りか?


この世の誰よりも性欲の高いマオのことだ。

子供とかも大勢いるかもしれない。


何せ、四年だ…

四年もあれば性格だって変わるし、好きな男のタイプだって変わる。


会っていない時間が長すぎた。

マオがどうなっているのかも予想できない。


心配だ。

早く確かめたい。


たとえ、俺のことが嫌いになっていても。


「じゃあ、明日にしよっかな」

「えっ」


ちょっと気が変わった。

マオの様子を見に行きたくなっちゃったのだ。


「…………」

「どうしたんだ? フィル」

「……明後日にして」

「分かった」


フィルらしいな。



今日は久しぶりに眠りについた。



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