高揚の準備
あっという間に夜になった。
時間が経つのは早いものだ。
今までずっと彼女たちとキスをしてきた。
凄く気持ちいいし、凄く嬉しい。
だが、やはり股間が寂しい。
「っ……二人とも…のど渇かない?」
俺の上に被さったエミリーが口を開く。
真っ直ぐ見つめられながら話されると、凄くドキドキする。
今すぐえっちしたくなるが、我慢だ。
「乾いたね」
「ん…作るわね…」
俺に乗ったままアヒル座りをし、グラスを作るエミリー。
この体勢、えっちの時を思い出すな…
ベッドに寝転がった時から、俺の息子は常に興奮している。
今か今かと自分の役目を果たそうと熱を帯びている。
だが、やはり我慢だ…
正直、かなり辛い。
美少女二人にキスをされながら、ベッドにいながら、体を重ねながらの状況。
…………はぁ。
「ありがとう」
壁にもたれて座ったフィルが水を受け取る。
そして、エミリーが俺の分も作ってくれる。
「ありがとう、エミリー」
「ん…」
エミリーが腰を浮かせ、俺も壁にもたれかかり、水を飲もうと…
「シャル…」
それをエミリーに止められた。
「なんですか?」
「………」
俺の首に腕を回し、体をくっつけてくる。
キスしそうなほど近い。
柔らかそうな唇が目に入る。
さっきまでしていたのに、もうしたくなっている。
やはり、彼女は最高に綺麗だ。
「シャル……水を…飲ませてほしいわ…」
あらぁ…
「…………」
エミリーの後頭部に手を置き、口を押しつける。
彼女の手が俺の胸に置かれ、俺も興奮しているのが伝わってしまっているだろう。
それでもエミリーが水を飲んでいるのが伝わると、俺も口を離すことは出来ない。
そういえば、マオにも口移しであげたことがあったな。
マオ…
「っ……潤いましたか…?」
「……まだ…」
もう一度する。
「シャル…」
と、横からフィルの声が聞こえた。
「……フィルもしたいですか?」
「うん…」
「ならしましょうか」
「うん…」
フィルが膝立ちで俺の方に体を向ける。
そして、水を注がれた。
「………」
これ、注がれる方もえっちだな。
フィルは俺の頬に両手を添え、上から下へと水を流している。
唇を食べるように口を動かし、水を飲む度に「ゴキュっ」と喉が鳴る。
好きな人からの賜り。
腰の力が抜けそうだ。
「シャル…」
「フィル…」
至近距離で目が合う。
フィルの荒い息と火照った顔。
やばい…
我慢が…
「…そろそろ寝ましょ」
エミリーが助け舟を出してしてくれる。
これ以上続いていたら、我慢できなかったかもしれない。
エミリーに助けられたな。
寝るには少し早いが、どっちでも変わらないだろう。
俺は寝る気なんてないのだから。
せっかく四年ぶりに会ったのだ。
寝るのは勿体ないし、興奮で寝れるはずもない。
一人で済ませたあと、少しだけイタズラをしなければ。
三人で静かに横になる。
「おやすみ、シャル」
「おやすみなさい。フィル、エミリー」
こうして、二人が眠りにつくのを待った。




