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奉仕転生〜死んでも奉仕する〜  作者: 白アンド
100/150

話し合い?

ついに…

ついに彼女たちに会うことが出来た。


凄く嬉しい。

嬉しいのだが…その前に確認しておきたいことがある。

お互いの気持ちの確認だ。


さっきまで抱きしめ合っていたのに、なんでこんなに不安なのか分からない。

言葉として彼女の気持ちが欲しいのだろうか。

俺は女々しいやつだな…


話し合う場所は懐かしの教室。

多くの椅子があるが、なぜか床に座りたかった。


正座で座る。


俺はなるべく彼女たちに近づくように座った。


なるべくのつもりだったが、膝がくっつきそうなくらいまで近づいてしまった。

体が触れてすらいないのに、俺の心臓は既に根を上げている。

こんなに緊張したのは久しぶりだ。


俺は顔を少し俯かせて、せっかくの彼女たちの美顔(びがん)を拝めていない。


「「 あの…(シャル…) 」」


フィルと声が重なる。


「どうぞ…」

「ありがと…」


フィルも顔を俯けているのが分かる。


仕立ての良い服をキュッと握り、彼女も緊張している様子だ。


「……私たちって…その……付き合ってる…のかな?」


聞かれたのは俺も聞こうとしていたこと。


それなりの覚悟をして聞こうとしたことだが、聞かれる側も辛いものがある。

もし、これで…


「僕はまだ…付き合っていたい……です…」


言うのが辛かった。

昔はあんなに好きと言っていたのに、俺も口説きが下手になったな…


「……私は…?」


エミリーが膝に手を置き、体を少し前に傾けて言ってくる。


その顔は芸術品と言っていいほど美しく、ずっと眺めていたくなる。

その少し潤んだ碧眼の瞳で見つめられることが嬉しい。


「もちろん…好き……です…」


エミリーがにじり寄ってくる。


顔は俯かせているが、ドレスの裾をギュッと握る手で何を考えているのか分かる。


俺もエミリーが嫌じゃなくて嬉しい。

これ以上ないほどに。


俺のことを忘れている覚悟もしていた。

俺よりも好きな男が出来ている覚悟も。


だけど、彼女たちは四年間も俺を想ってくれていた。

忘れそうになっていた俺とは違う。


彼女は最高の人だ。


「じゃあ…聞きたいことも沢山あると思うし……いろいろ話そ┈┈┈┈┈┈」


瞬間、エミリーの体がフワッと動いた。


俺の体に彼女の腕が伸び、顔をこちらに寄せてくる。

そして…


「…!」


キスされた。


思いきり体重をかけられ、思いきり抱きしめられる。

俺の唇を食べるように口を動かし、それに合わせて舌も動く。


「んっ……ん…」


気持ちいい…

エミリーに求められるのが嬉しい。


「っ……寂しかった…っ」


エミリーが床に肘をつき、潤んだ目で見つめられる。

彼女の匂いがする。

美しい顔が近い。


「すみません…」


片腕のみでエミリーを抱く。


「辛かった…」

「すみません…」

「ずっと……ずっと好きだった…っ」

「僕もです…エミリー」


胸が温かくなる。


大人になったエミリーの胸。

健康的に鍛えられた体。

きっと、魔王城に行くために彼女も頑張ったのだろう。


それが嬉しい。

何よりも。


「シャル…」


………あ。


「エミリー…フィルが見てます…」

「いや…」


そう言って、より一層の力を込めるエミリー。


俺はどうするべきなのだろう。

四年ぶりに会えた愛しの人。

抱きしめられ、見つめられる。

俺は一体…


「…ほらエミリー、シャルの部屋いくよ」

「…ええ」


…?

なんか、フィルの反応があっさりしてる…

あの寂しがり屋で、何かあると拗ねる女の子だったのに…


見た目が大人になったからか、中身も同じように成長したのか。

少し悲しい…

胸は相変わらずなのに…



俺の部屋に来た。


カーテンは閉められ、昼でも中は暗い。

そこのベッドに三人の男女が寝転がる。


元々大きめのベッドだが、三人だとさすがに狭く感じる。

寝返りがうてなくなった。


だが、不快感は全くない。

俺の心には幸福感が溢れまくっている。


「シャル…」

「…?」

「……今日は寝かさないわ」

「………」



どうやら、厳しい夜になりそうだ…



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