第77話 ゲーム対決のクライマックス!
「ふりだしに戻ったな。ということは、またスーパーマ◯オをやるのかな?」
振り返ればこの7つの紋章シリーズでは、いろんなゲームをやらされた。
スーパーマ◯オ
ド◯キーコング
ラ◯ーX
テト◯ス
ぷよ◯よ
ハイ◯ーオリンピック
ファミ◯ーテニス
桃◯郎電◯
パッ◯マン
スペース・イン◯ーダー
どれも名作だ。これらについて、転生前のいわゆるチート知識を持っていたおかげで、何とかここまで冒険を続けることができた。
あともう少し。ラストのゲームに勝利して、7つ目の紋章を手に入れれば、僕らのパーティーはこの山を越えて、いよいよ未知なる北の国に入ることになるのだ。
「やあ来たね」
木のうろから、ひょこっと情報屋のドングリおじさんが顔を出した。
「最後のゲームは、僕がボスキャラになる。さあ、僕を倒してみろ!」
自分のことを僕と言ったり、あっしと言ったり、最後までよくわからないキャラだったなー、こいつは。
「情報屋さんと戦うのかー。やっぱレトロゲーム?」
「そうだ。もったいぶらずにズバッと言おう。旗上げゲームだ!」
「旗上げゲーム? そんなのあったっけ?」
「知らないのか。赤上げて、白上げてっていうの」
「はあああ?」
思いっ切り、脱力した。
「最後がそれ? ショボッ!」
「旗上げゲームをバカにするなかれ。意外と盛り上がるのだ、コレが」
「だって、そもそもテレビゲームじゃないじゃん」
「ゲーセンにたまにあるだろ?」
「ああ……キャプ◯ンフラッグね。好きなの?」
「好き好き! さあ、やろう。先に、3回お手つきしたほうが負けだよ」
「赤上げて、のコールは誰がするの?」
「じゃあそこの、ジャックさんに頼もう。鬼さんは、お手つきしたほうの頭をピコピコハンマーで叩く。いいかい?」
「え、罰もあるの?」
「だって、そのほうが盛り上がるじゃん」
「……あのー、いちおうこっちは、パーティー解散を賭けてるんですけど。宴会気分じゃないんで」
「じゃあ僕は、命を賭けるよ。負けたら死ぬ」
「いやいや待って。旗上げゲームで?」
「そうだよ。文句ある?」
「勝っても喜べないよ。本気で死ぬの?」
「死ぬ死ぬ。即死するよ。拳銃を口に突っ込んでね」
「やめてよ! じゃあ僕はやらない」
「やらない? そんなら自動的に、冒険の旅は終わりになりますけど。けど?」
「2回訊くなよ。だから情報屋さんが命じゃなくて、別のものを賭けたらやるよ」
「いや、男が1度言ったからには変えない。あ、男じゃなくてドングリだっけ。テヘッ」
「……そうか、人間じゃないんだね。ならいいか。この勝負受けて立つ!」
「ヨッシャー!! それじゃあジャックさん、お願いしまんにゃわ!」
「よろしくねんねん!」
どうやらジャックにまで、情報屋の悪いノリが伝染してしまったようだわさ(あっ、僕も)。
「それではアリスターさんも情報屋さんもよござんすね。はいっ、赤上げて♪」
赤
( ͡° ͜ʖ ͡°) アリスターでーす
白
赤
|( ̄3 ̄)| 情報屋のドングリでございます
白
「白上げて♪ 赤上げないで、白下げない♪」
白
( ͡° ͜ʖ ͡°) どんどん行こー
赤
白
|( ̄3 ̄)| 楽勝でんな〜
赤
「白上げないで赤上げて♪ ぐるっと回って赤上げない♪」
( ͡° ͜ʖ ͡°)
赤 白
ピコーン☆(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)はい、ダメー
赤 ⬜︎───
|( ̄3 ̄)|
白
|( ̄3 ̄)| 「うわー、やってもうた〜!!!」
( ͡° ͜ʖ ͡°)「マジで? そのレベルで間違っちゃうの?」
|( ̄3 ̄)| 「恥ずかしー、顔熱ー、もー、いきなりぐるって回るとか言うからー」
( ͡° ͜ʖ ͡°)「ていうか、鬼さんの顔何?」
(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)「可愛い?」
(ᵔᴥᵔ)(ラブちゃん)「ギャハハ! 激キモ!」
∧( 'Θ' )∧(ピヨちゃん)「あと、2回、お手つき、ドングリ、死亡!」
|( ̄3 ̄)| 「そうはいくか! リセット位置から、もう一度スタート!」
「では行きまーす。赤下げない♪ 白下げない♪ 白下げないで赤上げない♪」
白
( ͡° ͜ʖ ͡°) あー緊張してきた
赤
白
|( ̄3 ̄)| こえ〜、ミスったかと思った〜
赤
「ぐるっと回って赤下げて♪ 白下げて♪ 赤下げない♪ 白下げない♪ ぐるっと回って白上げない♪」
ピコーン☆(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)何やってんダー
⬜︎───
( ͡° ͜ʖ ͡°)
赤 白
赤
|( ̄3 ̄)| あぶねー、セーフ
白
( ͡° ͜ʖ ͡°)「ああー、しまったああーーーっ!!!」
|( ̄3 ̄)| 「ラッキー♡ これでイーブンだっちゃ!」
( ͡° ͜ʖ ͡°)「あー、頭いてー。鬼さん、強く叩きすぎだぞ」
(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)「甘い! 今度間違えたら金棒でいく」
(ᵔᴥᵔ)「ギャハハ! 死ぬやろ!」
∧( 'Θ' )∧「どっちも、あと、2回、お手つきで、死ぬ」
( ͡° ͜ʖ ͡°)「待てい! 僕は命は賭けてない!」
(ᵔᴥᵔ)「ギャハハ! 賭けてまえ」
٩(๑❛ᴗ❛๑)۶(セイラ)「アリスター、ファイト!」
僕は歯を食いしばって、情報屋を見た。
(旗上げゲームをバカにするなかれ。意外と盛り上がるのだ、コレが)
確かにあいつの言うとおりになってはいる。
でもこの盛り上がりって……
転生前の世界にいた、チャラいユーチュー◯ーのノリとそっくりですから。残念!!




