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辺境の地に追放された元隠キャ〜ハズレスキル【眼福】で覚醒したら精霊にも吸血鬼にも魔王にも狙われたけど美少女戦士たちとSSSSSSSSランクの幸福を極めました!!!!〜  作者: 夢間欧
第6章 SSSSSS〜僕もジャックも青鬼も社長になって総資産額数百億を目指すけどセイラ姫はポテチに目覚めてコーラのお代わりをねだるんだよな〜
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第76話 最後の時の門

 ウイン。


 と操縦席の後ろの自動ドアが開いて、セイラ姫とドングリおじさんが入ってきた。


「助けてくれてありがとう、アリスター!」


「無事で良かった。侵略者たちに、何かされなかった?」


「何かって?」


「なんか、嫌なこととか」


「別に……あんまり知能はない感じだったよ。カニみたいに横にしか歩かなかったし」


「ところでその帽子は何?」


 セイラ姫は、被っていた帽子を脱いだ。


「侵略者の1人がくれたの。我々ハ宇宙人ダ。コレ、アゲルって」


 手にとってみた。イン◯ーダーのロゴマークが目立ちすぎ、被るのには勇気が要る代物だった。


「セイラが要らなければ、このロゴマークを切りたいんだけど」


「どうして?」


「たぶん、6つ目の紋章だから」


 ということで、ロゴマークを切って服のお腹につけてみると、金色にまばゆく光った。


「やっぱり。さあ、いよいよ紋章はあと1つだ!」


「見事な名◯屋撃ちでしたねー。惚れ惚れしました」


 と、情報屋のボッタクリ妖精が、見え透いたお世辞を言った。


「今度お売りする情報が最後でゲスね。あっしは寂しゅうござんすよ」


「いや、あんたには何の感傷もないから」


「ヘ、へ、へ。そりゃまたつれないお言葉。キビシーッ!」


「ギャグはいいから、情報を売ってよ」


「最後のレトロゲーム、何でしょうね?」


「情報屋さん、知らないの?」


「逆に、アリスターだったら何がいい?」


「僕だったら……イン◯ーダーより前っていったら、ブロッ◯崩しとかかなあ?」


「アリスター、ブロッ◯崩し知ってるんだ?」


「それくらいはね」


「じゃあさ、ホーム・ポ◯は?」


「ホーム・ポ◯?」


「ファ◯コンより前に出た、家庭用ゲーム機でさ、卓球ゲームができるの」


「あー、知ってる!」


 古い記憶が、にわかに甦った。


「ゲーム画面でやる、エアホッケーみたいなのでしょ? あー、なんか懐かしい。確かにそういうのあったなー」


「アリスター、めちゃテンション上がってんじゃん」


 僕はいささか困惑を覚えた。


「なんだか情報屋さん、ゲームの話になったら、急に馴れ馴れしくなったね」


「あっしがですか?」


 情報屋は、さも意外そうに目を丸くした。


「旦那にはお世話になってますんで、もし失礼があったら申し訳ないでゲス」


「いや、全然いいんだけどね。たぶん僕のほうが年下だから」


「恐縮ゲス」


「じゃあ最後のゲームは、ホームポ◯なの?」


「いやー、わかんないっスねー。ほかにレトロなのってなんだろ?」


「ゲーム◯ォッチは?」


「わー、イイネ〜。マン◯ールとか超やりてー。アリスターは?」


「あのさ」


「何?」


「やっぱり馴れ馴れしいわ。呼び捨てになってるもん」


「……マン◯ール、さん?」


「いや、マン◯ールを呼び捨てにされて、不機嫌になるやついないでしょ。ずっと旦那って呼んでたのに、どうして呼び捨て?」


「旦那さん、でゲスか?」


「あれ? 気づいてない、自分で?」


「すみません。気をつけるでゲス」


「まあいいよ。そっちが年上だし」


「恐縮ゲス」


「情報屋さん、よっぽどレトロゲームが好きなんだね」


「好き好き! アリスターもだろ?」


「ほらあ!!」


 僕はついに大声を出した。


「今のがそう! わかった、呼び捨てにしてたの?」


「どうもツイマチェン」


「ツイマチェンじゃねーわ! わざとだ、絶対。何でわざとそんなことするの?」


「そのー、年上のワタクシが、年下のあなたを呼び捨てにしたことが、非常に無礼だということですか?」


「いや、いいんだよ、それは」


「じゃあアリスターは、何を怒ってんの?」


「そういうふうに、態度をコロコロ変えるとこだよ。普通に考えておかしいでしょ?」


「変えなければいいでゲスか?」


「そう」


「じゃあどっちにします? 旦那さんが選んで下さい」


「じゃあ、旦那で」


「呼び捨ては禁止でゲスか?」


「一応そうしよう」


「心の中じゃ、何でこんなクソガキを旦那って呼ばなくちゃならねーんだ、って思いますけど、それでもいいでゲスか?」


「いい訳ないだろ。びっくりするくらい性格悪いな」


「年下に威張られると、正直キツいス」


「わかったよ。これからは呼び捨てにして、それで統一してくれ。頭がおかしくなりそうだ」


「そうこなくっちゃ。あとレトロゲームっていったら何?」


「うーん、古いゲームセンターにあったやつかなあ。パン◯ングマシーンとか、腕◯撲マシーンとか」


「パン◯ングマシーンって、あれでしょ? 殴るところを、上からギッて引っ張って下ろすの」


「そうそう。レトロなのってそうだよねー」


「よく知ってんなー、オタクは。で、腕◯撲マシーンは、上半身裸の力士が腕を差し出してるやつでしょ?」


「情報屋さんもよく知ってるねー」


「もっとない、レトロ?」


「今思い出したけど、ゲー◯電卓ってなかった?」


「ゲー◯電卓!!」


 情報屋はそう叫ぶと、パッと鼻を押さえた。どうやら興奮しすぎて、鼻血が出たらしい。


「いいとこ突くなー、このオタクキング! デジタルイン◯ーダーとか、ボクシングができたやつだろ、なあ、オタキン?」


「呼び捨ては認めたけど、勝手に仇名をつけることは認めてない!」


「固いことは言いっこなし。まだある、レトロ?」


「もういいよ、懐かしトークは。それより早く時の門をくぐらせてくれ」


「じゃあラストは、ノー情報でいこう。あっしも一緒に行きやすぜ!」


 情報屋はそう言うと、宇宙船の操縦席の床にあいた時の門に飛び込んだ。


「なんかあいつのテンションがよくわからんなー。ま、とにかく僕らも行こう」


 みんな揃って、ラストの7つ目の時の門へ。


 ギュイーン!


 白い光が薄れると、そこは情報屋と初めて会った、うろのある大木が生えた森の中だった。


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