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辺境の地に追放された元隠キャ〜ハズレスキル【眼福】で覚醒したら精霊にも吸血鬼にも魔王にも狙われたけど美少女戦士たちとSSSSSSSSランクの幸福を極めました!!!!〜  作者: 夢間欧
第4章 SSSS〜女1人に男3人のパーティーって転生前の世界で観た猿と豚とカッパの出てくるドラマみたいだけどあれくらい面白い旅がしてみたいですよ〜
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第49話 トロッコ・ステージ!

 呆然とチビ鬼の行方を見送っていた青鬼に、僕は少々とぼけて言った。


「なんと、あの樽が、セイラを宙に飛ばした装置だったらしい。さあ、僕たちも続こう」


「続こうったって」


 珍しく、鬼が弱気な表情を見せた。


「あんな勢いで飛んでったら、死ぬだろ?」


「いや、大丈夫。当たりどころが悪くたって、半サイズに縮むだけだから」


「そうかなあ。俺の脳裏には、自分が砕ける姿しか浮かばないけど」


「じゃあ何か? チビ鬼をほっとくのか?」


「ウォー、目が覚めたあー!!」


 鬼はイッてしまった目つきになった。


「チビを助けずに生きていても意味がない。俺はゆく! さらば、者ども!」


 と、頭から樽に入り、ズガーンと発射された。


「面白そう!」


 好奇心旺盛なチンパンがそれに続いた。その次に、ラブちゃんを抱いたジャック、最後にピヨちゃんを懐に入れた僕。


 ズガーン、ズガーン、ズガーン!!!


 発射されると、見る見る地面が遠くなった。


 気持ちいい。


 空を飛ぶのは最高だった。


「ピヨちゃんは、いつもこういう景色を見ていたんだね」


 空から見降ろすジャングルは、果てしなく広がる豊かな緑だった。


「ピヨちゃん、お腹すいた! 何か食べたい!」


「おお、そうか。待ってろ。セイラを助けたら果物でもやるからな」


 と言ったとたん、空中にバナナが浮いてるのを発見し、右手を伸ばしてキャッチした。


「バナナって、食べる?」


「皮の噛み心地、好き!」


 と、ピヨちゃんが喜んでバナナをついばんでいると、スピードが落ちて、トロッコの中に落下した。


「ゲ! こんな火山に、何でトロッコとレールが? 太古の世界じゃなかったのか?」


 と疑問が溢れ返りそうだったが、そこはそれ、チンパンがキャップとTシャツを着けている時点で、時代設定などはどうでもよくなっていた。


「トロッコ・ステージが始まったあ!」


 ガタガタと揺れながら走り出したトロッコにしがみついた。レールの先を見ると、ジャックと鬼もそれぞれトロッコに乗って疾走していた。


「あっ、レールが切れてる!」


 先頭を行く鬼が、トロッコのレバーを操作し、タイミングよくジャンプした。するとその勢いでチビ鬼が飛び出し、くるくると回転して、宙に浮いた樽に入った。


 ズガーン!


 樽から発射されたチビ鬼は、切れたレールの先に着地した鬼のトロッコに、再び上手に収まった。


「鬼チームもなかなかやるなあ。よーし、僕も!」


 目の前でジャックのトロッコがジャンプするタイミングを見て、僕もクイッとレバーを引いた。


 とーー


 ジャックのトロッコから、チンパンがポーンと飛び出し、僕のトロッコにドサッと落ちてきた。


「危ない!」


 トロッコに重みがかかって、着地がレールのギリギリ端になり、車輪が擦れて火花が散った。


「わー、びっくりした。チンパンくん、気をつけてよ」


「ごめん、ごめん。つい楽しくなって」


 クリクリした愛嬌たっぶりの目で言われると、それ以上怒る気になれなかった。


「さてと、このトロッコステージって、どうなってるのかな?」


 トロッコは、火山のまわりを大きく回りながら下っていた。僕はふと、例の遊園地の、ビッグ◯ンダー・マウンテンを思い出した。


「おや、あれは何だ?」


 正面から、鳥が迫ってきた。それはハゲタカのように見えたが、目がつり上がっていて、ひどく悪そうな顔をしていた。


「きっとモンスターだな。ピコピコ銃で攻撃するか」


 揺れるトロッコの中で銃を構えると、


「警告! 警告!」


 ハゲタカっぽいモンスターが騒いだ。


「この次にレールが切れた先は、上段と下段の2つに分かれてる。生き延びたかったら、上段を選べ!」


 そしてバサバサと飛び去っていった。


「親切な鳥だな。危険を前もって教えてくれた」


 僕はこの情報を、青鬼とジャックにも伝えなければと思った。


「ピヨちゃん、飛んでいって、2人に今のことを伝えてきてくれる?」


「レール、切れたら、上の、段の、レールに、乗れ!」


「上手いぞ! さあ、急げ!」


 オオハシもどきのピヨちゃんが、矢のように鬼のトロッコまで飛んでいき、クチバシをパクパクさせるのが見えた。


 するとまた、矢のように戻ってきて、


「鬼さん、そいつ、正直村の出身か、だって」


「あ、そうか」


 うっかりしていた。あの鳥は、情報屋でも何でもない。僕たちに本当のことを教える義理はなく、むしろ騙して餌食にするほうがありそうだった。


「チンパンくん、さっきの鳥、どこの村の出身か知ってる?」


「知らない。質問しないとわからないよ」


 チンパンが答えたときだった。


 さっきの目つきの悪い鳥が、また正面から飛んできた。


「おや、山をぐるっと1周してきたのかな。おーい、鳥さん、きみは正直村のーー」


 と言いかけて、いやいや、この質問じゃ何もわからないぞと思い直し、


「あの青鬼の色は、青いと思うか?」


 と訊いた。するとそいつは、


「思わないね。それより上の段だぞ、忘れるな」


 と言って飛び去った。


「よし、わかった。あいつは嘘つき村の出身だ。ピヨちゃん、鬼さんとジャックに、下の段のレールに着地するように言うんだ」


 ピヨちゃんが行ったあと、チンパンが少し心配そうに、


「でも、嘘つき村と決まった訳じゃないよ。気まぐれ村の出身かもしれない」


 言われてみればそうだったが、そこまで確かめる時間はもうなかった。


「確率に賭けよう。青鬼を青いと思わないと答えた時点で、正直ではないことが確定したんだ。だったら上の段は捨てたほうがいい」


 そのときピヨちゃんが戻ってきた。


「ありがとう。間に合ったようだね。あっ、あそこでレールが切れてる!」


 僕は鬼のトロッコを注視した。それはジャンプし、下の段のレールに上手に着地……


「ん?」


 僕は啞然とした。


 青鬼の顔は、トロッコを必死に操縦しているせいか、真っ赤に上気していたのだ。


「あいつ全然青くない! ということは……しまったあ!」


 ジャックのトロッコも下の段に着地するのを見て、僕は観念し、仲間を救うために自分も下の段に落下した。


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