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辺境の地に追放された元隠キャ〜ハズレスキル【眼福】で覚醒したら精霊にも吸血鬼にも魔王にも狙われたけど美少女戦士たちとSSSSSSSSランクの幸福を極めました!!!!〜  作者: 夢間欧
第20章 SSSSSSSSSSSSSSSSSSSS〜ついに魔王と対決!そして明らかになる【眼福】の秘密!それではみなさんさようなら!!!!〜
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第274話 重大発表

 僕の思いついた「いいこと」。それは、


「陛下、ぜひ影武者になって下さい!」


 ということだ。


「なんで?」


 グリアム王はポカンとした。


「余は本物だぞ。本物が、どうやって影武者になるの?」


「ですから、前に影武者と間違われたときのように、普通にしていて下さい。なんなら、地下壕にでもこもっていて下されば」


「意味がわからん。それでどうなるのだ?」


「恐れながら申し上げますが、閣下はアホであらせられます」


「それはさっき聞いた」


「戦争をやめるのは、始めることの何十倍も難しいとよく言われます。残念ながら、残念な陛下のオツムでは、国内外に終戦を認めさせるのは無理です」


「わー。ハッキリ言ったなー」


「しかし今は、一刻も早く終戦しなければなりません。我が国は、無条件降伏を求めるポッチャリ宣言を、『シカト』したと思われています。となると、次にシン国がとる行動は、禁断の新型爆弾を使用することです。このとてつもない破壊力を有する爆弾を落とされたら、王宮を含めた首都は焼失、死者はおそらく10万人を超えるでしょう」


「何とかせよ、アリスター」


 グリアム王の額から、汗が流れた。


「お前に任せた。何でもいいから何とかしてくれ!」


「全部任せてくれますね?」


「頼む。余は爆弾が嫌いなのだ」


「わかりました。ではたった今からセイラが、陛下になります」


 セイラが「えっ」と叫んだ。


「こんな重大な局面で私が? 無理無理」


「大丈夫。何をするかは、すべて僕が指示するから」


「……私、何をするの?」


「最高戦争指導会議のメンバーを集めて、ポッチャリ宣言を受諾せよと命令するんだ」


「えー? だけどまだ、シンミラ連合国からの回答待ちでしょ? 陛下を戦犯として処刑しないと約束するかって」


「回答を待っていたら遅い。戦争は今も継続中なんだ。グズグズしていたら新型爆弾を落とされる。陛下が死ぬか死なないか、それがハッキリしていない時点で、『余はどうなっても構わない。世界人類のために戦争を終わらせることを熱望する!!』と、全世界に向けて発信するんだ。残された方法はそれしかない」


「あのー、しもしも、じゃなかった、もしもし?」


 グリアム王が、額の汗を拭って言った。


「戦争が終わったら、余はどうなるの? 死刑?」


「可能性はあります」


 ごまかさずに、僕は答えた。


「これは賭けです。陛下が、ご自分の命はどうでもいいと言えば、シンやミラも『そこまで言うんなら、命まではとらないよ』と、態度を軟化させるかもしれません」


「いや、甘いな。シンはともかく、ミラは血も涙もない国家だぞ」


「でも一か八か賭けてみるしかありません。決断して下さい、陛下!!!」


「……わ、わかった」


 グリアム王は、覚悟を決めたように頷いた。


「首都が燃えてしまったら、どうしようもない。耐えがたいことではあるが、降伏しよう」


「あ、あ、あ」


 僕の胸に、万感の思いが込み上げた。


「あざーす!!!!!!!!!!」


 無私の決断をなされた陛下に、ただただ頭を垂れるばかりだった。


「やはり陛下は、素晴らしいアホです。まさにワンダフルAHO! ベリーベリースチューピッドメーン!!」


「……褒めてる?」


「これが褒めずにいられましょうか! もし利口な王なら、自分が生き残ることを考えるでしょう。しかし陛下はアホ。バカ。マヌケです。だからこそ、愚直で尊い決断ができたのです」


「ま、正直、今でも迷っているが」


「いーんです。アホなんだから、もう考えないで下さい。バカは休んでたほうがマシです。そこに坐って、息だけ吸ったり吐いたりしていて下さい」


「……ヒドくね?」


「どうか気になさらず。陛下は死ぬ覚悟だけしてくれたら結構です。あとは僕らで上手くやりますから」


「任せていいんだな? できれば、余が死ななくてもいいようにしてくれよ」


「大丈夫です。陛下はきっと、死ぬまで生き続けることでしょう。それだけは僕が約束します!!」


「頼んだぞ!!!!」


 僕はホッとした。なぜなら、グリアム王を死ぬまで生き続けさせることは、全然難しくなかったから。


 ということで、


「重大発表がある。王宮にて御前会議を開くので、直ちに最高戦争指導会議のメンバーを招集せよ」


 との詔勅をグリアム王に出させた。


「じゃあ、余と衛兵は地下壕にもぐる。あとはヨロピク」


 そして玉座には、グリアム王に【変容】したセイラがついた。


「私が何を言うかは、全部アリスターが教えてね」


 任せなさい!!!!


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