第229話 寝起きを襲う!!
ここからは、ドッキリ番組のレポート風にいきます!
* * *
おはようございま〜す(声を殺して)
ワタクシは今、マッサーカー将軍の眠っている、ピリピンの司令官室の前にいまーす。
時間は午前4時。夜明け前で寒いです〜。
ゲストには、グリアム王に来てもらっています。
僕:「陛下、絶対に声は出すなよ」
王:「シー、シー」
ちなみに僕とグリアム王は、オーガに闇属性の技【ブラッケンド】をかけてもらったので、黒くなって闇に紛れています。だからここまで、シンの兵に見つからずに接近することかできました。
えー、ピリピンからナン軍は撤退したので、司令官室の部屋に鍵はかかっていない模様です。
僕:「陛下。そーっとドアを開けて」
王:「アイシー、りょーかい」
カチャッ。
僕:「バカ、オメー、何やってんだよ。音立てちゃダメだっての!」
王:「ソーリー、ソーリー」
うん。中からマッサーカーのイビキが聴こえてきます。どうやら起きなかったようです。セーフ。
それでは今から、部屋に侵入してみたいと思います。
おや? リビングに、服が脱ぎ散らかしてありますね。意外とシン軍の最高司令官はだらしないです。あっ、パンツも! ということは、マッサーカーは、スッポンポンで眠ってるんでしょうか? ウッシッシ。
僕:「陛下、あのパンツ、ちょっと取ってきて」
王:「ノン、ノン」
僕:「イヤなの? 仕方ねーなー。じゃあ僕が」
見て下さーい。これがマッサーカー将軍のトランクスで〜す。シミがあったりして。では被ってみましょう。
僕:「うっぷ、うっぷ」
王:「……ダイジョブ?」
いやー。やっぱり外人は刺激が濃厚です。目にきました。
ん? テーブルには飲み残しのワインがありますね。失礼していただきます。うん、旨い!
お? 洗面台には歯ブラシが。ちょっと使ってみます。ウシシシ、ウシシシシシ。
僕:「何だよー、陛下。軽蔑してるの?」
王:「シラ〜」
みなさんは、シラけないで下さいね。あくまで仕事ですから、これは(嘘)!
さて。いよいよ寝室に向かいます。
おっと、ベッドに大柄の男が寝ています。タオルケットにくるまってます。間違いありません。あれがカッコつけマンのマッサーカー将軍です。
マ:「グー、グー」
熟睡です。さぞかし昨日の夜は、ドンチャン騒ぎをしたんでしょーね。なんせ、念願だったピリピン奪回を果たしたんですから。
勝利を確信して、すっかり油断しているのでしょう。しかしあと数分で、僕の背負っている、このバズーカ砲が炸裂します。そしたら心臓が止まるかもしれませんね〜。ケケケ、ザマーミロ。
マ:「誰だ!」
あっ! しまった!!
マ:「鳥か? 飛行機か? いや、ビトちゃんマンだ!」
フー、焦った。マッサーカーの寝言でした。ビトちゃんマンの夢を見てたんですね〜
マ:「グゴー」
すごいイビキです。きっと何をやっても起きませんね。タオルケットをめくってみましょう。
おおー。やっぱりスッポンポンでした。実に堂々としています。陛下、感想は?
王:「スケベ。ヘンタイ」
マ:「ヘクション!」
ヤバ! おおっと、寝返りは打ったけど起きません。ではそろそろいきましょう。バズーカ砲……発射!!
ドゴォォォーーーーン!!!!!!!
マ:「ダアーーーッ!!!!」
マッサーカー将軍、飛び起きました! 目玉が落ちそうなすごい顔です。
ガタン!!!
ベッドから落ちて頭を打ってます! これはシャレになりません。本当に敵が攻めてきたと思ったようです。ま、本当に戦争中ですからね。
マ:「ワ、ワ、ワ」
ワワワ、ワが3つって、石鹸のコマーシャルみたいですね。将軍の動揺が激しいです。全裸で走り回りました。これは恥ずかしい!
僕らのことは、【ブラッケンド】で黒くなっているので見えません。だから敵がまだ隠れてると思ってるのか、キョロキョロと部屋を見回しています。ではちょっと、驚かせてみましょう。
僕:「コラーーーーッ!!!!」
マ:「ヒョエーーーーッ!!!!」
全裸で逃げ出す将軍! 僕らも追います!!
おおっと、将軍はトイレに逃げ込みました。明らかにパニクっています。ドアを閉めました。陛下、蹴破っちゃって下さい!
王:「オリャ! オリャ!」
マ:「オカーチャーン!!」
泣いています! 泣いています! シンの最高司令官が、母親を呼んで泣きじゃくっています!! ああ、なんてみっともない!!
バリッ、バリバリッ!!!
トイレのドアが破れました。突入します! おや? マッサーカー将軍は、トイレのちっちゃな窓から逃げようとしています。
なんということでしょう。
ご覧下さい。上半身は窓の外、下半身はトイレの中。つまりマッサーカーは、窓枠に完全に腰骨が引っかかってしまったのです。
よーく見て下さい。これがマッサーカーのケツです。陛下、ご感想は?
王:「キタナイ。ヘンタイ」
毛むくじゃらの足をバタバタさせて、非常に情けないです。それではこの、汚いケツを引っぱたきます。
パチン!
マ:「イタイ!!」
パチン! パチン!
マ:「イタイ、イタイ!! エーン!!」
どうやら窓の外に、さっきのバズーカの砲声で起こされたシン兵が集まってきたようです。早く俺をトイレから引っ張り出せと命令しています。しかしいくら部下が引っ張っても、将軍は抜けません。オメーは大きなカブか!!
僕:「では陛下。最後に一言」
王:「ドッキリ、大成功!!」
それじゃあ、みなさん、さよーなら〜!!!!




