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辺境の地に追放された元隠キャ〜ハズレスキル【眼福】で覚醒したら精霊にも吸血鬼にも魔王にも狙われたけど美少女戦士たちとSSSSSSSSランクの幸福を極めました!!!!〜  作者: 夢間欧
第13章 SSSSSSSSSSSSS〜異世界恋愛したい!異世界恋愛したい!異世界恋愛したい!だって戦記は柄じゃないからね〜
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第172話 地球のコトこっそり教えます

 僕はまた、地球の戦争のことを思い出していた。


 ニューギニア戦線、と呼ばれる一連の戦闘があった。


 ニッポン軍と、マッカーサー大将の率いる連合国との戦いで、ニッポンが敗北した。


 ちなみにこのニューギニア戦線を、ネットで検索したことがあるが、第2検索ワードは「地獄」だった。


 とにかくこの熱帯の島は、自然環境が過酷なことで知られていて、ニッポン兵の死因の多くは、戦闘よりも感染症や餓死だったらしい。


 中にはワニに食べられたという話もある。


 またニッポン軍の撤退作戦において、4000メートル級の山越えをしているが、食糧も十分になく服はボロボロで、凍死や転落死が続出したという悲惨なエピソードもある。


 あるいは泥の海のような河の中を、不眠不休で何十キロも歩いて渡る途中で、立ったまま死んでいった兵隊たちの話も残っている。


 悲惨、また悲惨だ。


 かつて太平洋戦争のシミュレーションゲームで遊んだとき、逃げるニッポン軍を先回りして、蛙飛び作戦(飛び石作戦とも言う)でマッカーサー将軍がピョンピョン現れるので、むっちゃ憎たらしかった思い出がある。


 まあ、現実の戦争では、連合国も多大な犠牲を強いられたのだから、どっちも悲惨なことに変わりはないけど。


 それはともかく、快進撃を続けてきたニッポン軍が、ミッドウェーの海戦で負け、ガダルカナル島からも撤退して、ニューギニアではいよいよ苦しい戦いに追い込まれていった訳である。


 その中で、ニッポンに垂れ込めた暗雲を象徴するような出来事があった。


 山本五十六連合艦隊司令長官の戦死である。


 山本長官は、飛行機で前線視察に向かう途中で、アメリカ軍の戦闘機に撃ち落とされた。


 墜落したのは、現在のパプアニューギニア領に属する、ブーゲンビル島のジャングルである。


 この山本長官の戦死の事実は、約1か月も、ニッポン国民に知らされなかった。


 山本長官は、国民から厚く信頼され、愛されていた。その死が伝えられると、ショックが大きすぎ、戦意の低下につながると大本営は判断したのだった。


 事実、国民の受けたショックは大きかった。


 山本五十六連合艦隊司令長官は、平民としては初めて国葬にされ、それはラジオで実況中継された。


 そしてここから、ニッポンは坂を転がるように負け続けた。


 真珠湾奇襲攻撃を発案した山本長官は、


「緒戦は勝つ。しかし長引けば負ける。だから勝っているうちに早期の講和を」


 と考えていたようだが、現実はズルズルと長引いて負けてしまった。


 その負けた要因の1つに、ニッポン軍の暗号電が、アメリカ側にすべて解読されていたことが挙げられる。


 山本長官の搭乗機が撃墜されたのも、暗号の解読により、その行動の逐一がアメリカ側に筒抜けになっていたからであった。


 そして山本長官の死がニッポンに与える影響も、アメリカは十分に研究し尽くしていた。


 それに対してニッポンは、暗号が解読されていた事実を、ついに敗戦を迎えるまで知らずに(あるいは認めようとせずに)いた。


 だから圧倒的な物量差だけでなく、情報戦においても、ニッポンはアメリカに大きく遅れをとっていたのだ。


 さて、話を異世界に戻そう。


 場所は「地獄の島」、パッパラーピロピロ島のジャングル。


 僕たちは、ダレノガレノ島から撤退し、この島に「転進」してきた。


 転進、つまりは負けです。


 本格的な反攻作戦に転じたシン軍は、ダレノガレノ島でもパッパラーピロピロ島でも、惜しみなく兵力を投入してきている。


 特に、ピリピン島奪還に燃えるマッサーカー司令長官は、蛙飛び作戦で、このパッパラーピロピロ島にピョーンと跳んできた。


 この戦場を、シン軍はそれほど重要視しているのだ。


 さらに、シンの戦闘機は、ヤマ長官の乗った飛行機をまんまと撃ち落とすことに成功した。


 きっと、ナン軍の無線はすべて傍受され、その暗号はことごとく解読されているのだろう。そうとしか思えなかった。


(いよいよナンは負けるな。まあそれは、僕の作戦とも一致するんだけど)


 が、シン軍にとって、1つ大きな誤算があった。


 ヤマ長官は生きているのである。


 搭乗機は墜落し、炎上した。


 だから当然、ヤマ長官は死んだと考えているだろう。

 

 ところがミットモネーの作戦のとき、ヤマ長官に【ゾンビーズ】をかけてゾンビにしてあったので、飛行機が爆発炎上したくらいでは死なないのである。


 不死者ゾンビが死ぬのは、聖属性の技か、回復系の技をかけられたときだけだからだ。


 そのヤマ長官の姿をジャングルで見たとき、


(どうしてこんなところに海軍大将が?)


 と驚いたが、地球の戦争のことを思い出し、きっとあの山本五十六司令長官と同じように、前線の視察に向かうところだったのだろうと納得した。


 そして僕は、大きな迷いに直面した。


 その迷いを、ヤマ長官に伝え、どう考えるか意見を聞きたかった。


 がーー


「お尻を掻いてるトコ見て!!」


「ピロピロピロピロピロピロ、ブーッ!! ブーッ!! ブーッ!! ブーッ!! ブーッ!!」


 戦場でグリアム王と会った驚きに、我を忘れるほど感激したヤマ長官は、いつまでもピロピロ笛を吹いて何度も何度も屁をするのだった。


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