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辺境の地に追放された元隠キャ〜ハズレスキル【眼福】で覚醒したら精霊にも吸血鬼にも魔王にも狙われたけど美少女戦士たちとSSSSSSSSランクの幸福を極めました!!!!〜  作者: 夢間欧
第12章 SSSSSSSSSSSS〜美少女兵士がタッグを組んでキューティーペアの大冒険よって言ってるけどスペースオペラじゃないですよ〜
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第154話 シムラ中将、後ろ!!

 キューティーペア大活躍!


 捕虜たちは口笛andスキップで捕虜収容所へ!!


「さて。ピリピンは攻略した。またまた死傷者ゼロだ。戦争でこれは世界記録じゃない?」


 僕がちょっぴり自慢して言うと、


「浮かれてる場合か!」


 とホンマカイナ中将に怒鳴られた。


「ピリピン攻略は、石油確保の最低条件だ。ここまで勝つことは軍では織り込み済みだったのだ!」


 よく言うよー。ついさっきまで、ウェーンって泣いてたくせに。


「じゃあ僕らはどうしましょう。石油確保を手伝いますか?」


「当たり前だ! 今すぐジャバ島へ飛べ!!」


 人使い荒っ! 


 ムカついた僕は、中将が後ろを向いた隙にケツを蹴り上げた。


「あっ! 何をする。軍法会議にかけるぞ!」


「クソッタレってんだ! アホが偉そうに威張ってんじゃねーよ、バーカ!!」


 僕は生まれて初めて権威に盾突くと、セイラが喚んでくれたガルーダにひょいと飛び乗った。


「軍人なんて、平和になったら要らなくなるぞ。今のうちに何の商売をするか考えときな!」


 グングン小さくなる眼下のピリピン島に向かって、捨てゼリフを残した。


「珍しいね、アリスターが汚い言葉を使うなんて」


 キューティーペアのセイラが、僕の顔を覗き込んで言った。


「戦争のせいだよ。早く平和になってほしい」


「そうね。みんなもそう願ってる」


「あーあ。みんなにもスキル【眼福】があればなあ。そうしたら、あんなに緑豊かな島を、コンクリートの要塞になんか絶対しないのに」


「そうね」


「この世界にはいいものが溢れてる。それを毀すだけでも戦争は悪だ。ましてや違う人種の人を殺そうとするなんてさ。ナン人もシン人も、いいところばっかりじゃないか」


「そうね」


「僕が死んだらみんな仲良くしてくれるんなら、喜んで死んでやるけど」


「僕が死んだら?」


 セイラが眉をひそめた。


「どうしてそういう発想になるの? 意味わかんない」


「別に、意味はないけど」


「死にたくなった? 戦争が嫌で」


「違うよ。ただ何となく言っただけ」


「じゃあ2度と言わないで」


 セイラが怒って顔を背けた。


(変なこと言っちゃったな)


 僕は反省した。


(だけど、最終的に僕が眼福マスターになるには、みんなのために命を捨てる必要がどうしてもある気がする。よくわからないけど、世界を【幸福】にするには、そのくらいしないと釣り合わない気がするんだよなー)


 まあ、これ以上考えてもしょうがない。アホは何も考えないのがいちばん!


 と、前方に、ナンの荒鷲飛行隊が見えた。


「あ、さっそくジャバ島上陸作戦が始まったな。よし、掩護するか。ガルム!!」


 喚んでしばらくしてから、召喚獣ガルムは大海を犬掻きでやってきた。


「わりぃ、わりぃ、犬なのに海に喚んじゃって」


 しかし根が「いいやつ」である冥界の番犬は、敵の船団めがけて波を蹴立てて泳いでいった。


 遠くから見ても、シン海軍の軍艦が慌てだしたのがわかった。


「よしよし。荒鷲飛行隊に一発も撃たずに、大陸の港のほうに戻っていったぞ。そりゃそーだよなー。僕だって、鎖でつながれてない犬が迫ってきたら逃げるもの」


 ガルムの活躍で、無事ナン軍はジャワ島に上陸した!!


「よし、僕らも島に降りてみよう」


 ガルーダでジャバ島に着陸すると、すでに白旗が立っていた。


「シン軍、諦め早っ!」


 でもそれはそうかもしれない。軍艦が尻尾を巻いて逃げ出して、敵の軍が全員無傷で上陸してきたら、抵抗するだけ無駄だと思うだろう。


「し、し、し、白旗ってか、白旗ってか?」


 ナン軍から1人の男が進み出て、えらく大げさに驚いた。


 誰あろう、その人こそ名将との誉れ高い、ジャバ方面軍司令官のシムラ中将だった。


「白旗って白いだねー、白いやーねー」


「……何だ、きみは?」


 と、シン軍から1人の男が前に出て、不審げに訊いた。


 これは敵の司令官、スッテンテン中将であった。


「な、何だチミは、何だチミはってか?」


 と、相手方の無礼に、シムラ中将は極めて当然のリアクションをした。


「怒っちゃやーよ、怒っちゃやーよ!!」


「……怒ってないけど」


 と、敵は敗軍の将のくせに、醜い言い訳をした。


「あんだ、バカヤロー」


 ほら見ろ。怒られた。


「だいじょぶだぁ〜」


 が、優しいシムラ中将は、すぐにフォローする。


「スッテンテン閣下」


 僕は敵の司令官に言ってやった。


「こんなことを言ったら悪いですけど、シムラ中将に勝てる人はいません。もう格が違います。謝って下さい」


「え……謝るの?」


「当たり前でしょう。降伏するんでしょ? それともシムラ中将とやります? 勝負にならないと思いますけど」


 スッテンテン中将は、シムラ中将を見た。


「だっふんだ! アイーン! だから変なおじさん」


「ごめんなさい!!!」


 何かを感じとったのか、スッテンテン中将は即座に地べたに土下座をした。


 やっぱり……


 シムラ中将の偉大さは、人種も国境も超えた!!!!

 

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