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辺境の地に追放された元隠キャ〜ハズレスキル【眼福】で覚醒したら精霊にも吸血鬼にも魔王にも狙われたけど美少女戦士たちとSSSSSSSSランクの幸福を極めました!!!!〜  作者: 夢間欧
第10章 SSSSSSSSSS〜ここからは第3部っていうか吸血鬼の次はそりゃ魔王だよねーっていうか何故か逆シリアスに【極振り】しました〜
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第136話 冒険者の性(セイじゃなくてサガと読んで)!!!!

 宿屋で僕はセイラと寝た。


 ちょっと! ちょっと! ちょっと!


 変な想像してません??


 言っても僕ら、17歳と15歳ですからね。一線は超えてませんよ!!!


 熊に【変容】してもらって、それに抱かれて寝ただけです。スヤスヤとね。


 何もしないで、ただお互いの体温を感じるってのがいーんですわ。わかるかな〜♡


 そんでもって、ジャックはオーガと、ルイベはオークと寝た。


 え? 彼らは何かしただろうって?


 してません! だって、みんな同じ部屋で寝たんですから!!


 まあね、たまにチュッ!て音くらいは聴こえましたよ。誰が誰のどこにチューしたのかは知りませんけどー。


 さて。


 次の日もその次の日も、僕らは街で遊んだ。


 問題:そしたらどうなったでしょうか?


 正解:飽きた!!


 そーなんです。遊ぶのは愉しいけど、何だか退屈しちゃいました。


 だって、僕たち冒険者だから!!!


 どーしてもスリルを求めますよ。やっぱり。


「そろそろ僕、〈イーゾ〉に行こうと思うんだけど」


「イーゾ? ああ。アリスターが追放された辺境の地のことか」


 最初ジャックは乗り気じゃなかった。だけど妻のオーガが、


「面白そうね。グリアム王が、独立国家にしてもいいって言ったでしょ? ということは、好きなふうに国づくりしていいのよね?」


 と言ったので、ムードが変わった。


「てことは、アリスターが王様で、私が王女様? へー、私クイーンかあ」


 セイラがうっとりとした目をすれば、


「法律も自分たちでつくれるんだな。だったらオイラ、盗みは犯罪じゃない国にするぜ!」


 得意のコマンドが【盗む】のオークが、嬉しそうに飛び跳ねた。


 と、ここで冷静なルイベが、


「イーゾって、本当に何にもないところよ。国づくりの前に、原野を切り拓いて田んぼや畑をつくらなくちゃ。でないとそもそも人が住めないし」


「誰も住んでないの?」


「原住民はいるようだけど、よく知らない。情報がないのよ」


「ふーん。仲良くできるといいな」


「できるさ。首狩り族とかでなきゃね」


「いや、首狩り族とだって、共存しないと。俺たちは侵略者じゃないんだから」


 などと勝手なことをワイワイしゃべっているうちに、未知なる大地へ向かう気分が高まっていった。


「みんなが良ければ今日にも出発しようと思うんだけど、その前に王城に行きたい。この国で吸血鬼を倒したんだから、報奨金はちゃんといただかないと」


「そうだな。モンスターのウルフェン改とか、魔物のサキュバスたちも退治したんだからな」


 そこで王城へ行って用件を伝えると、グリアム王のほうでもちょうど用があるとのことだった。


「何スか、用って?」


 王の間で玉座についているグリアム王を見上げて言うと、居並ぶ衛兵たちがいっせいに槍を向けた。


「無礼者! 不敬罪で死刑にするぞ!!」


「何スか、不経済って?」


「不経済とは、無駄が多くて金を……って違ーう! 不敬罪、陛下に不敬を働いたってことだ!!」


「父兄って?」


「父兄とは、父と兄と書いて保護者の意味だけど、最近じゃ女性差別としてその言い方は……違ーう!! 不敬ってのは、陛下に対してものすごーく失礼だってことだ!」


「失礼なだけで死刑? うわぁ、ひっでえ法律。え、こちらの陛下サンが決めたの?」


「そうだ!」


「アンビリーバブル。それホントっスか、陛下?」


 するとグリアム王は、むっつりと首を振った。


「いや、余は知らん」


「そ、そ、そんなー陛下ー!!」


 衛兵は槍を振り回してジタバタした。


「どー考えてもこれは死刑っしょ! アホだなー。そんなことだから、東にも西にも南にもバカにされんですよ。みんな陰で、陛下のこと何て呼んでるか知ってます? バカの王様、キングオブバカですよ!!」


「あいつを火あぶりにしろ!!!」


 その衛兵は、他の衛兵に両脇を抱えられて王の間から消えた。


「じゃあ改めて、用って何スか?」


「うむ。まずそっちの用を先に済まそう。吸血鬼の件だろ?」


「はい。あとモンスターと魔物駆除も」


「フムフム、ご苦労であった。余は苦しゅうない」


「……金は?」


「苦しゅうない、苦しゅうない。金ない」


「は? 今なんか、どさくさに紛れなかった?」


「いやいや、今のは王様ジョーク。金はあるけど、吸血鬼はちょっと高くて……」


「まけてもいいっスよ。ただ、破壊した宿屋の修理費を払わないといけないんで」


「プロレスでもしたの?」


「まー、そんなとこですね。女と小鬼のイデオロギー闘争の結果で」


「じゃあ宿屋の修理費の10倍払おう。それでいい?」


「陛下に頼まれちゃ仕方ないなー。それでいいっス」


「サンキュ。あ、ところで弟のグレアムから手紙が来たぞ。吸血鬼を倒したのを知ったみたいで、パーティーに戻ってこいだって」


「それだったら、返信は一言。『今さら遅い!』ですよ」


「だよねー。余からもそう言っとくわ。ぜひきみたちには、我が国にいてもらいたいもの」


「どーも。でもそろそろ、辺境の地に行きます。そこを独立国家にするんで」


 そう言うと、グリアム王がぐっと身を乗り出した。


「あの、それ、ちょっと待ってくれる?」


「え、何で?」


「実は……」


 グリアム王はもじもじとしていたが、あっさりと怖ろしいセリフを口にした。


「そろそろ戦争するんで、協力してほしいの♡」


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