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辺境の地に追放された元隠キャ〜ハズレスキル【眼福】で覚醒したら精霊にも吸血鬼にも魔王にも狙われたけど美少女戦士たちとSSSSSSSSランクの幸福を極めました!!!!〜  作者: 夢間欧
第10章 SSSSSSSSSS〜ここからは第3部っていうか吸血鬼の次はそりゃ魔王だよねーっていうか何故か逆シリアスに【極振り】しました〜
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第127話 僕はこういう人間だ!!!!

「おめでとう、美少女レースの勝者よ。そなたには国王陛下よりプレゼントが下賜される。黙って俺についてこい!」


 レフェリーのジョーがそう言って、僕らのパーティーを王城に向かう馬車に乗せた。


「ありがとうセイラ。きみのおかげだ」


「感謝してる?」


「モチさ!」


「じゃあ私のいいところを10個言って」


「かわいい」


「まあね」


「美人」


「そうね」


「性格がいい」


「よく言われる」


「あとえーと、明るい」


「性格に含まれそうだけど、まあいいわ。ほかは?」


「面白い」


「それいいところ?」


「えっとじゃあ、一緒にいて楽しいに変える」


「ほかは?」


「あといくつだっけ?」


「あと5個」


「5個かあ……」


 僕は焦ってきた。


 あと何があるだろう?


 セイラのいいところ……


「女らしい?」


「何で疑問形?」


「じゃあ女らしい」


「じゃあ?」


「女らしい」


「ま、女ですからね。次は?」


「ハートが強い」


「そうかなあ。私、弱いと思うけど」


「強いよ。パーティーでいちばん強いよ」


「ちょっと、いちばんは言い過ぎじゃない? 鬼のオーガとオークより強いってこと?」


「ほら、鬼には心がないから。セイラのハートがいちばん熱いよ」


「熱い? 急に強いから熱いに変えた?」


「うん。ハートが熱いにする」


「次は?」


「待って。やっぱりハートが強いとハートが熱いの2つにする」


「同じじゃん!」


「全然違うよ」


「そうやって、数を稼ごうとしてない?」


「してない、してない。だってセイラのいいところは、無限にあるから」


「ならノルマは11個ね」


 チッ。


「待って待って。今舌打ちした?」


「してないよ」


「チッて聞こえたけど」


「僕は言ってないよ」


「アリスター以外の誰かが舌打ちしたってこと?」


「じゃない?」


 セイラがじっと睨んできた。


 僕はそれを見つめ返した。


 セイラの怒った顔……


「ちょちょちょちょちょちょちょちょ!!!!」


 気がついたら、セイラが僕を必死で押しのけていた。


「こんなところで、いきなりキスしようとしないでよ!」


「ああゴメン」


 僕は我に返った。


「あんまり見つめるから、つい」


「ついって……レフェリーのジョーにガン見されてるのに、よくできるね」


「理性が飛んだんだよ。悪い」


「すっごい軽く言うね。見られただけで理性が飛んじゃうの? アリスター、動物じゃん」


「だって、セイラがあんまり可愛いから」


「…………」


「それに愛してるし」


「…………」


「僕、セイラのことが大好き。超結婚したい」


「おい、いいかげんにしろ!」


 ジャックが怒鳴った。


「せっかく王城に行くってのに、その話もしなけりゃ景色も観ないで、くだらないイチャイチャに付き合わせやがって」


「あ、どうぞ、景色を観たかったら観て下さい」


「気が散るんだよ! 何か始まりそうでさ!」


「始めないよ。変態じゃないんだから」


「いやー、紙一重だと思うな」


「ねえ、アリスター」


 セイラの目が、潤んでいた。


「私も好き」


「危ない危ない危ない!!」


 ジャックが立ち上がって、いきなりセイラをビンタした。


「男を甘く見るな! 始まってもいいのか!」


「セイラに何をする!!」


 僕はカッとなって、ジャックの顔面をグーで殴った。


「セイラを侮辱するな! みんなの前で始めると思ってんのか!」


「違う! お前が始めるって言ってんだよ!」


「仮に、百歩譲ってそうだとしても、セイラがさせないさ。なあ、セイラ?」


「…………」


「おい黙るな! アリスターがいいんだと思って始めちまうだろ!!」


「だから始めないって言ってるだろ! セイラも始めたくないだろ!?」


「…………」


「……あれ? いいの?」


「ほら見ろ! やっぱりお前はそういうやつなんだ。まごうことなき変態だ!」


「僕はこういう人間だ!!!」


「かっこ良くねーよ! むしろスゲーかっこ悪いよ!!」


「セイラ、本当にいいんだね?」


「ダメよ」


 セイラが急に態度を変えて言った。


「私のいいところ、まだ10個言ってないよ」


「わかった。じゃあこれから、あなたのいいところを探究します」


「……え?」


「教えて下さい!!」


 僕がセイラに飛びかかると、ジャックとオーガにあっという間に引き剝がされ、馬車の床に顔を押し付けられた。


「な、何をする! 離せ!!」


「頭を冷やせ、リーダー。お前は勇者だろ。みんなの見てる前で何やってんだ!」


 そのときふと、レフェリーのジョーと目が合った。


 蔑むような冷ややかな目……


「ハァー、できればこいつらを陛下に会わせたくないが、役目だから仕方がない。なあ、南の国のやつらって、みんなこうなのか?」


 僕はようやく、この状況を恥じた。


 はーい、反省しまーす!!!!


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