ミリンダのおうち
「ミリンダのおうちにはおっきなソファーがあっていいよねー」
そんなこえがきこえてきました。
「ミリンダのおうちにはピカピカのキッチンがあっていいよねー」
そんなものはミリンダのおうちにはありません。
「ミリンダのおうちにはおっきなテレビがあっていいよねー」
それもありませんでした。
ミリンダのおうちはそとからみるとまるたでできているみたい。とってもがんじょうそう。
でもおうちのなかはせまくって、ちいさなベットとちいさなつくえとちいさないすがあるだけです。でんきはもちろん、すいどうもトイレもいえのなかにはありませんでした。
ミリンダはそこにひとりですんでいました。でもひとりっきりではありません。
「あいつらまたいじめにきてるよ」
ベットにすわったミリンダのよこで、ちょこんとすわっているねずみのチューさんがいいました。
ミリンダはなんにもいわないで、たちあがってドアをあけました。
ドアのまえにはスズメとかネコとかウサギとかがいました。ミリンダがいえからでてくるとさっとにげていきました。
ミリンダのおうちではまいにちのようにこんなことがおきています。
「もうなれっこだよ」
とミリンダはいいました。
ミリンダはこのおうちがだいすきでした。ミリンダのパパがたてたおうちだからです。おうちのなかのひとをまもるために、こんなにがんじょうにできているんだよ。っておもっていました。ちょっとふべんだけど。
そんなあるひ、ミリンダはゴウゴウとかビュウビュウとかそんなおとでめがさめました。チューさんはとっくにおきていました。
「かぜのおとがすごいね」
とチュウさんはいいました。
「たいふうでもくるのかなぁ」
ミリンダはむねをはっていいました。
「でもだいじょうぶだよ、このおうちはじょうぶなんだから。たいふうなんかめじゃないよ」
そとはまっくらでひるだかよるだかわかりません。ゴウゴウとかビュウビュウとかバキバキとかガシャガシャとか、おっきいおとがもっともっとおおきくなってきます。
とけいをみるとよるになったようです。それでもおっきいおとはもっとおおきくなっていきます。
でも、ミリンダのおうちはびくともしませんでした。ミリンダのおもっていたとうり、このおうちはとってもがんじょうでした。
そのとき、いままできいたことのなかったおおきなおとがします。そのおとがだんだんこっちにちかずいてくるようです。ザバーザバーとかバキバキバキだとかそんなかんじです。
おとがとってもおおきくなったとき、ぐらっとミリンダもチューさんもゆれました。
ユラユラとかフワフワだとか、ミリンダもチューさんもそしておうちもゆれています。
ミリンダはガックリしていいました。
「ながされちゃったみたい」
いくらがんじょうで、たいしんで、100ねんもったとしてもながされてはおうちはぶじではすみません。
「きょうはもうねよう、あしたがあるかわからないけど」
「ミリンダ、そんなこといっちゃだめだよ」
ミリンダはなきながらベットにもぐりこんでしまいました。チューさんはずっとおきていることにしました。なにかあったときミリンダをおこして、にげられるように。でもいつのまにかねてしまいました。おうちがユラユラとゆれているのが、きもちよかったからです。
あかるいひかりがミリンダのかおにあたりました。
てんごくかしら。そうおもってミリンダはおきました。そばでねているチューさんをおこします。
「てんごくかな」
「たぶんちがうとおもうよ。いきてるって」
おうちのなかはいつものとうりです。ゆかにもみずがあがってきてはいません。
ミリンダはまどをあけました。チューさんがまどにかけあがりいいました。
「わーすごい。このおうちふねみたいにういてるよ」
ミリンダのおうちはみずにういていました。すいめんはゆかよりもかなりしたです。ミリンダのおうちは、ただがんじょうなだけではなかったのです。
「ミリンダのおうちはとってもがんじょうでいいよねー」
おうちがたいふうにふきとばされたスズメがいいました。
「ミリンダのおうちはみずにういていいよねー」
おうちがながされたネコがいいました。
そしてみんながいいました。
「ミリンダのおうちはとってもいいよねー」
絵本用に書いてみました。
ひらがなばかりで読みにくいかもしれませんが、お子様用なので。




