千切れた糸
赤い糸は本当にあると思うんだ。
それは僕と君を繋ぐ細く張り詰めた糸。
僕と君を繋いでいるものはそれだけ。その一本の糸だけ。
何時切れてもおかしくない細い糸。
切れると分かっていたのに、僕はそれを心の支えにしてたんだ。君を支えにしてたんだ。
糸に寄り掛かって、自分の重みをかけていたんだ。
切れてしまってからその過ちに気付く。
もっと大事にすれば良かった。もっと優しく持てば良かった。
糸が切れて、君も失って、切れた反動で僕は倒れた。
立ち上がろうにも、支えが無い。今まであった支えは千切れて闇に消えてしまった。
僕は痛くて…痛くてイタクテ、泣き叫ぶ。
君は大丈夫かな。君も倒れて泣いているのかな。
でも、僕と君を繋いでいたものはもう無い。
倒れてる僕と、千切れた糸だけが意味も無く落ちている。