反逆の台本
この作品は決められたことの結婚相手の視点です。
私は、この世界に疑問を持っていた。
なぜ従うのか。
なぜ抗わないのか。
誰もが決められた通りに生きている。
それを、当たり前のように受け入れている。
気持ち悪かった。
だから、打ち明けた。
結婚相手の彼に。
すると、彼は少しだけ驚いて——
同じことを言った。
「俺も、そう思ってた」
その瞬間、少しだけ救われた気がした。
この世界は、間違っている。
そう思っているのは、自分だけじゃない。
なら——変えられるかもしれない。
私たちは、動いた。
決められた流れを外れ、
与えられた役割を拒み、
反逆した。
最初は、小さく。
だが、すぐに広がった。
同じように違和感を抱いていた者たちが、
少しずつ集まってきた。
世界が、揺らぎ始める。
——はずだった。
途中で、気づいた。
あまりにも、順調すぎる。
障害がない。
偶然の一致が多すぎる。
まるで——
ここに至ることが、前提だったみたいに。
嫌な予感がした。
私は、彼の紙を見た。
本来、他人のものを見ることは許されていない。
だが、もう関係なかった。
そこには書かれていた。
「彼女と共に、反逆を起こす」
息が止まる。
視線が、震える。
ゆっくりと、自分の紙を見る。
そこにも、書かれていた。
「彼と共に、反逆を起こす」
しばらく、何も考えられなかった。
やがて、彼が口を開く。
「……どうする?」
私は、少しだけ考えた。
そして——笑った。
「別に」
彼を見る。
「最初から決まってたなら、それでいいじゃない」
驚いた顔をしていた。
でも、続ける。
「だって、ここまで来たのも“私たち”でしょ?」
少しだけ、間。
「選ばされたとしても、選んだのは事実だよ」
彼は何も言わなかった。
ただ、少しだけ視線を落とした。
私は前を見る。
もう止まらない。
止まる理由がない。
反逆は続く。
予定通りに。
完璧に。
どこにもズレることなく。
——それが、正しいからだ。
決められていたとしても、それを選んだと感じるなら、それは本当に偽物なのか。
読んだ人それぞれで考えてもらえたら嬉しいです




