表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔界独立戦争 ~継承された守護魔道~  作者: 川合 佑樹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/38

第31話

 メッカイサイは厚さ数十メートルの強化魔鉱装甲で覆われていた。

 膨大なエネルギーが、砲台群に供給されていた。

 霧圏全体を監視するレーダー網を展開していた。

 放射性粒子を遮断する多重障壁を備えていた。

 頂上が炎で瞬いていた。

 遠くからでも不気味なシルエットを浮かび上がらせていた。

 広大な制御室では、クロノ家の三人が一堂に会していた。

 部屋の壁面はモニターで覆われていた。

 公国全域のリアルタイム映像が投影された。

 霧圏の粒子密度や艦隊の移動軌道が表示されていた。

 中央の玉座卓は魔鉱製だった。

 部屋の隅で待機するオペレーターたちの緊張した息遣いがした。

 中央の玉座に座る公王ユウエンは、漆黒の甲冑をまとっていた。

 瞳にはシユウとキオウの死による深い悲しみが宿っていた。

 甲冑の胸部にはクロノ家の家宝──魔力増幅結晶──が埋め込まれていた。

 ユウエンの魔力が注入されるたび、結晶が青く脈打った。

 部屋の照明を微かに変化させた。

 瞳の奥には、家族の死を嘆く涙の跡が残っていた。

 玉座の肘掛けを握る手が白くなるほど強かった。

 喪失感が彼の威厳をより重くしていた。

 肩のクロノ家紋章が青く脈打っていた。

 威厳と喪失感が交錯する。

 右に立つメイテンは、冷徹な眼差しで戦術モニターを睨んだ。

 黒い甲冑の肩に刻まれた紋章があった。

 彼の独裁的野心を物語っていた。

 内部に隠された小型コンソールがあった。

 戦術データをリアルタイムで投影していた。

 左のシキは漆黒のドレスを纏い、優しく微笑んでいた。

 ドレスの裾には細かな魔導刺繍が施されていた。

 シキの動きに合わせて微かに光を放った。

 戦術卓には二つの空席があった。

 シユウの笑顔、キオウのいたはずの席。

 クロノ家の断絶を静かに物語っていた。

 空席の前には、シユウの航空徽章とキオウの炎の紋章が置かれていた。

 家族の喪失を部屋の空気に染み込ませていた。

 メイテンが一歩進み出た。

 戦術卓に手を置いた。

 魔力増幅装置を通じて公国全域に演説を始めた。

「公国の民よ、戦士よ、聞け!」

 彼の声が轟いた。

「帝国は我々の魔鉱を奪い、結晶植物の光を踏みにじり、ムカイハラの畑を炎で焼き尽くした。シユウの空は墜ち、キオウの炎は消えた! 我々の血は、魔界の民の血だ! 帝国の少年──ソウマ・ツキヤマ──は魔族の怪物として、家族を奪った!」

 演説の言葉は、民衆の感情を掻き立てた。

 ムカイハラの炎の映像が同時放送で投影された。

 家族の喪失を視覚的に強調していた。

 彼は一瞬言葉を切った。

 ユウエンの瞳が揺れた。

 シキの微笑みが凍った。

 その中で、メイテンは戦術モニターを指さした。

「だが、奴らは弱っている。カゲトリデは陥落し艦隊は減り、補給は途絶え、兵は疲弊している! ここで滅ぼせば、魔界は自由になる!」

 モニターのデータは、帝国艦隊の損傷率をグラフで示していた。

 民衆の士気を高めるためにリアルタイムで更新された。

 補給途絶の詳細がリストアップされていた。

 メイテンの声が力強く高まった。

「クロノの誇りを懸け、家族の仇を討つ! 我々の手には、シャクゴク──魔鉱の鼓動を結集した究極の兵器がある! 奴らの艦隊を灰に変え、魔界の未来を掴むのだ!」

 彼は剣を掲げた。

 制御室の灯が一斉に輝いた。

「シャクゴク、稼働せよ!」

 テツカガミのブリッジでは、スクリーンに映るメイテンの演説が終わった。

 重い沈黙が訪れた。

 ジンが歯を食いしばった。

「メイテンの奴……民を怪物扱いか。ソウマの名を仇として使うとは、卑劣だな」

 要塞の頂上で、シャクゴク──有人制御型超圧縮魔導兵器──が放たれた。

 レーザーが直線上にある全てを切り裂いた。

 帝国軍の艦隊を直撃した。

 約半数が一瞬で炎に包まれた。

 墜落の軌道が尾を引いた。

 テツカガミのブリッジでは、スクリーンに映る艦艇の爆炎だった。

 クルーたちの顔が青ざめた。

 ノゾミが叫んだ。

「半数が……一撃で……」

 ジンは歯を食いしばった。

「突き進め! ソウマ、再チャージを阻止しろ!」

 ギゲンが号令を出した。

「全軍突撃!」

 メイテンは戦術卓を再び叩いた。

「全軍、突撃! 奴らを滅ぼせ!」

 公国軍が帝国軍に襲いかかった。

 レックウの戦闘機が魔導弾を降らせた。

 戦闘機が低空旋回で包囲した。

 爆弾の投下音が大地を震わせた。

 テツカガミはシールドを全開にし、辛うじて低空を保った。

 船体が熱で歪んだ。

「シロガラス、起動! ……この戦いを終わらせる!」

 ソウマは援護のもと、戦場へ飛び出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ