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フォニックス オワリノハジマリ  作者: ことこん
第六章 red carpet
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第四部 再来

 マペさんと話をしていると、強大な何者かが遥か遠くから近づいてくる気配がした。

「……兎の国の結界は、破れない筈なんですが……」

マペさんの言う通り、戦争時の兎の国の鎖国は尋常ではない。人の移動だけでなく、妖気や電波さえも遮断する。

「でも、この妖気、どこかで……」

ただ、澄んだ妖気だと思った。その気配が近付いて来る度、その予感は確信に変わる。

「……ソウマ」

そうだ、これはソウマだったんだ。雰囲気は変われど、芯は全くブレていなさそうだ。

「お仲間ですか?」

「はい。最高の仲間、フォニックスの一人です」

「……そう、ですか」

マペさんは微笑んだ。

「多分姉は、あなたたちがこの領域まで達せられると、信じてたんでしょうね」

マペさんは立ち上がる。

「もうちょっと、戦って来ようと思います……フォニックスのみなさんにも、会いたいですし」

「そうですか。みんな良い奴なんで、安心して下さい」

マペさんを送り出したら、退屈になってしまった。

それに……俺はソウマに、謝らなきゃいけない。謝ってもどうにもならないけれど。

一人で悶々としていると、ケトクが入ってくる。

「なぁ、俺後どれくらいで治るんだ?」

「……今すぐ治したいですか?」

「……?」

ケトクはいつになく真剣な面持ちで俺の腕に触れる。

「まだ未完成ですが……私の努力全て、ライトさんに使います」

優しい光が俺を包んだかと思うと、ゆっくりゆっくり怪我が塞がっていった。体が動くようになり、腕を見やるとケトクは俺の側で眠っている。

それを察したのか、ミトさん、フェルク、ウンモがやって来る。

「ケトク、あなたによっぽど恩を感じてたみたいで。糸、消しておくわね」

ミトさんはケトクの頭を撫でながら俺に手をかざす。

「ありがとうございました」

三人は快く俺を送り出してくれた。

目指すはソウマ。マペさんを持ってしてもまだまだ精霊たちはいるようだった。

「よっし、ぶち抜くか」

屈伸、伸脚……良い感じだ。ただ、一面に広がる赤の上を走るのは、ちょっと気が引けるな……。それ以外道は無いけど。

一歩踏み出す。不穏な雰囲気なのに当たる風は爽やかだ。

走り出す。景色が滑らかに流れていく。戦いで走るのとはやっぱり違う。

でも、そんな瞬間は一瞬で。すぐに精霊に行手を阻まれた。なんだか攻撃する気になれず、彼らの上を跳び移りながら進んでいく。多分認識されてないし、大丈夫だろう。

なんたって、俺は。

その文字通り、『光』になったのだから。

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