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フォニックス オワリノハジマリ  作者: ことこん
第六章 red carpet
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第三部 憑

 俺はマペと話しながら休むことにした。

「昔のギ……じゃなかった」

「キルラなんて言われもしましたが……本名はキキョウです」

「あ、別にタメ口で良いんですよ?俺は部下でしたし」

「良いですよ、ライトさん」


 一方。僕、ミネーシャは建物を出て行こうとしていた。

「もういいの?」

とミトに呼び止められたが。

「ああ。……それにしても、相変わらず随分とお人好しだな。破産しないのか?」

実の子でないらしい子供がいる。

「そこはまぁ、ね」

ミトは人差し指を唇に当てる。

「そういう所も相変わらずなようだ」

 と、今度こそ外へ出る。すると。

見慣れない少年がマペによる血痕の前でしゃがんでいた。

「見ない顔だな」

と、その少年の視線の先を見やると、虫が飛んでいる。

「あぁ、どうも」

声を掛けて初めて僕の存在に気付いたようだ。

「虫が好きなのか?」

「はい。シムと名乗るくらいには」

「ははっ。それは確かに好きらしいな。だが、君一人で外に出ては危ないのではないか?」

「僕一人じゃありません」

少年が手を挙げると、騒がしい羽音を立てて虫たちが現れる。

「これは驚いた。色々なものを操る者は数多だが、虫とはな。食物連鎖の下に位置するものを使う訳を聞いても?」

「証明したいんです。彼らは強いと」

「……ほう」

この歳にになると、純粋な子供に心を刺されることがあるらしい。

「彼らは個々の力で争わない。百匹が犠牲になろうとも一匹を倒せたら勝利。そういう世界です。特にこの子達は」

シムはミツバチを指に止まらせる。

「だが、死んだ百匹を蔑ろにする事もない、と?」

シムが頷くと、黒い影たちがチラついた。

「彼らの想いは、全部。僕が背負って行きます」

「君は中々良い趣味をしているようだ。僕も人の事は言えないが。どうだ?一瞬でも良い。手伝ってくれないか?」

シムは頷く。

「じゃあ、あれを倒すとするか」

マペによって一掃されたが、すぐに他の奴らが押し寄せて来ていた。

シムは返事もせず、虫たちを向かわせた。

「ふむ……君にそっくりだ。“ミネーシャ”」

うっかり、外で漏らしてしまった。まぁいいか。そろそろ“交代”の時間だ。

「それは無いだろう。僕はあんなに真っ直ぐじゃないさ」

「そうか?研究をしている時の君は子供のようにはしゃいでいるではないか」

「それはそれ、これはこれ、だ。今日も代わりたいのか?説明が面倒だろう」

「良いだろ、別に」

「分かった分かった。やりすぎ厳禁だぞ。“ソウマ”」

「了解。ちょっとだけだって」


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