page.7 産業都市バベル
人々はその場に止まり、目を閉じて祈った。何秒か経ち目を開けて普段の日常に戻った。そこは、ブレイブ達がいるような中世ヨーロッパのような風景はなく現代的であり、ビルや工場や車などが視界いっぱいに広がる産業都市バベルである。ここでは、日常生活に必要な物資の製造などをして日々進化して、自然とは別ベクトルの豊かさがあった。
そこに2人の若者がいた。
「またどこかの国の王女様を取り返すために、兵隊さん達が行ったらしいね」
ニック・フルシティ(18) 産業都市バベルで暮らしているごくごくいる普通の好青年である。見た目も探せば町の中に何人も見かけそうな平均的な容姿だ。
「ね~ここから遠い場所の話しすぎてよく分かんないもんね」
アヒョン・イルミナス(18) ニックと同じバベルで暮らす同級生である。容姿は端麗ですれ違えば、無意識に目を追ってしまいたくなるほどでスレンダーだ。正直、ニックと一緒にいることが不釣り合いのように感じてしまう。
「戦争なんて何も生まないのに…なんで戦おうとするんだ?魔族なんて見たことないけど話し合えば良いじゃないか」
ニックはカバンを肩にかけて歩き始めた。アヒョンはそれについていくように、手に持った楽器ケースを落とさないように小走りに走った。
「相変わらずニックは争い事嫌いよね、過剰なほどに」
「それはそうだろう?殺しあうってことだろ?それで誰が得をするんだ。これが正しいなんて思っている人間性がいることなんて信じられないよっ!正直、出発を祈ることもしたくなかったよ」
ニックはアヒョンの言葉に過敏に反応するように返した。アヒョンはまた言ってるよと言わんばかりに笑い、ニックの腕に身体を寄せた。ニックは驚き顔を赤らめた。
「やめてくれよぉ」
ニックは自分の腕にアヒョンの胸が当たっていることに照れ、振りほどきたいが男の性に逆らえず硬直していた。それをみたアヒョンは見透かした表情をしていた。
「もぉ~、ニックの童貞さんっ!ここで私を押せば卒業できるかもよ?」
「かっ、からかうなよー!」
ニックは冗談交じりに怒り、アヒョンは笑いながら走って逃げた。
ニックはそれにまんざらでもないようににやけた。
「あ!チェリーくさっ!」
「こらー!!アヒョン!!」
ブレイブ達は第二の村に到着した。宿を取るため宿場に入った。
「4人で一泊はできるか?」
ブレイブが受付に質問した。メガネをかけたオヤジが、デコにメガネを上げて用紙を確認した。
「はいはい、4人ね。同部屋かい?」
「いや、全部個別の部屋はないか?」
「4つは部屋がないな…2部屋は用意できる」
「そうか、ならそれで」
「まいど、食事はどうする?夕食と翌日の朝食」
「いらない」
「はいよ、4人で40Yだ。風呂はないから外でて左行けばあるよ」
「了解した」
ブレイブは他のパーティに相談せず淡々と決めてしまった。
「部屋は取れた、上がるぞ」
「おいおい、自己中かよっ。もーちょっと他の奴に意見聞けよ」
ライアはすかさずツッコミをいれた。ブレイブは何のことかよく分かっていない顔をしていた。ライアはブレイブの肩に腕をのせた。
「こう言うときは部屋どうしよう?とかご飯は何がありますか?とかって楽しむもんなんだよっ!」
「…なるほど、すまないな一人でいる時間が長くてな」
ライアは複数人で来る時のアドバイスをしたが、無表情であるがおそらく理解したブレイブ。ライアの腕をどかしつつ部屋に歩を進めた。
「ったく、無愛想な奴とパーティ組むことになっちまったな」
ライアはやれやれとした顔をした。
「本当よ、マジで嫌いな奴と一緒で息苦しいわ…」
悪意100%の嫌みをライアにぶつけた。ライアは右から左に流した。
「え~…思ってたパーティと違うよぉ…」
ラーボはガクンと肩を落としながらトボトボと歩き始めた。
ありがとうございました。
人間と魔族との争いにフォーカスするだけも良かったんですが、第三者目線の意見もあった方が物語に幅が出そうなので、ニックとアヒョンを登場させてみました。




