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世界最強の元一般人 ― 落ちこぼれ天才、最強の『使い方』で人生逆転!  作者: ITIRiN
第3章:築かれゆく王の日常、そして勇者召喚の影

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第21話:謝罪から始まる恋の駆け引き

「これは例え話なんだが……今はミナが一番好きで、二番目がリアーヌさんだとする。

けどその差は僅かだから、いつ気持ちが変わるか分からない。

もしかしたら明日にはミナが二番に落ちて、そのままずっと二番のままかもしれない……。

本当にそれでもいいのか?」


確かに二人のことは好きだし、出来ることなら付き合いたいとも思っている。

それだけ二人は魅力的で、ずっと一緒にいたいとすら思う。

だが“差”が生まれることに、どうしても後ろめたさを感じてしまう。


「別にいいですよ。もし私が二番になったら、今度はソウジ様の一番になれるように頑張るだけです。

リアーヌも同じですよね?」


「ええ。相手がお嬢様であっても、ご主人様の一番になるためなら関係ありません。全力で挑ませていただきます。

それに、ご主人様は考えすぎです。そんなに気にすることではありませんよ」


「そうです、ソウジ様。先ほども申しましたが、王や貴族には複数の妻を娶っている方が大勢います。

そして先ほど、女性を多く侍らせるのを一種のステータスとして利用するのは悪いことのように仰いましたが……

それは確かに、“その人物を見極める時の判断材料”にもなり得るのです」


「その理屈は分かる。けど、自分の好きな子が“政治の道具”みたいになるのは嫌だ」


「もう、子供みたいに拗ねないでください。それにこの話には続きがあるんです。

大事なのは“数”じゃありません。ただ侍らせるだけなら誰でも出来ますから。

重要なのは――その女性たちがどれだけ相手を想っているか。

そして男性側が、どれだけ彼女たちを大切にしているかです」


「つまり……その二つで、相手の人間的魅力や手腕が見えてくるってことか」


「正解です♪ よく出来ました」


にっこり笑ったミナが、当然のように俺の頭を撫でてくる。

……馬鹿にされてるわけじゃないけど、なんか複雑だ。


「では私からも一つ。――なぜ王や貴族が“複数の妻”を持つか、もう一つ理由があります。

さて、それは何でしょう?」


おい、俺さっきまで謝ってたよな?

いつの間にクイズ大会になったんだよ。

……でも、何となく答えは分かる。


「一人の男が複数の女を侍らせること自体が“国の安定の象徴”になるから。

街を妻と一緒に歩けば『うちの国は潤っている』って国内外に示せる。……そんなところだろ?」


「正解です。これが“一人の男性が多くの妻を養える=国が豊かである証拠”になるんです。

他国への宣伝効果も抜群なんですよ。……本当に凄いですねえ」


今度はリアーヌさんまで、俺の頭を撫でてきた。……いや、嬉しいけど!


「つまりまとめると――王や貴族は複数の妻を持つ必要がある。

でもそれは強制じゃなく、お互い好きでなきゃ意味がない。

で、坊主の場合は姫様とリアーヌがライバル関係になることで、より良い女になり続ける……。

要するにメリットしかないって話か」


「なんかそうやってまとめるとさ……お前、何様だよって感じだな」


特に最後の方なんて、“女は男を立てて当たり前”みたいなノリじゃん。昭和かよ。


「王様だろ」


「あ、そうだった。……でもさ、それだと二人が“都合のいい女”みたいじゃん。う~~ん、なんかやだ!」


「子供かお前は! だいたいもう一国の王なんだから、少しは大人になれ!

それにこの二人を甘く見るなよ。下手に女を増やしたら説教どころじゃ済まねえぞ」


「アベル! ソウジ様は“大人ぶってるのに中身は子供”なところが可愛いんです!

余計なこと言わないでください!」


そこ⁉ 怒るポイントそこなの⁉

俺は別に“ホイホイ女を増やす気”なんてないっつーの。


「おいおい正気か姫様。……リアーヌさんも何とか言えよ!」


「そうですね~。まずはご主人様に余計なことを言ったアベルにお説教でしょうか?」


「はぁ⁉ お前までかよ! 坊主、さっき助けてやったんだから今度はお前が助けろ!」


……いや、確かにさっきはアベルに助けられたけどさ。

正直、今の状況だと「何でも言うことを聞く」って発言がうやむやになりそうでラッキーとか思ってたんだが。


「……それで結局、二人は俺に何をさせたいんだ? 一人一個な」


「えっ? あっ、危ない危ない。忘れてました。そうですね……私たちは一度国に帰らないといけませんから、行き帰りの送迎をお願いしてもいいですか?」


「それくらいなら最初からするつもりだったけど……本当にそれでいいのか?」


「はい。それでお願いします」


「お、おう。……んじゃ、リアーヌさんは?」


「では、国に帰った時に私たちの部屋にある荷物をこちらに運んでいただけますか?」


「そんなの頼まれなくてもやるぞ。……俺ってそんなに小さい男に見えるか?」


「そんなことはありません!

ただお嬢様が控えめなお願いをされたのに、私が欲張るわけにはいきませんから。

あまりお気になさらないでください」


……納得はするけど、なんか不満も残る。

まあ今回は気を遣ってくれたってことにしとくか。


――このとき俺はまだ知らなかった。

これが二人の仕組んだ“作戦”だったことを。

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