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【最強チート×重愛ハーレム】 最強チートも王女もメイドも美少女ハーレムもあるのに、異世界生活がハードモードすぎる――負けても迷っても、美少女たちは俺の隣を離れない  作者: ITIRiN
第16章:王の仮面と、間違った俺を褒めるユリー

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第191話:裏世界の頂点に立ちし者の素顔

この国の墓地へと転移してきたと同時に、用心棒見習いの言う通り二代目がここにいることはアイツの魔力で分かったため、俺はその魔力を頼りに歩きながら、


やっぱりこっちの世界の墓石は海外風の物なんだなとか思っていると、明らかにこの場には不釣り合いな、しかし俺からしてみればよく見慣れた形の墓石の前でしゃがみ、線香に火をつけているレオンがいたため、


大人しく後ろで待っていようかと思った瞬間、別に立ち上がるわけでもなければ顔をこちらに向けてくるわけでもなく、そのまま目線は墓石の方を見ながら、


「お前の大事な嫁と家族が待っているであろう家に帰らず、こんな国の端っこに来るなんて……よっぽど家に帰りたくないらしいな。ウチの連中の誰かに俺の居場所を聞いた時、一緒にマリノのお姫様が俺達全員に対して頭を下げに来たっていう話でも聞いて不貞腐れてんのか?」


「はあ? なんだそれ? んな話一ミリも聞いてねえぞ」


「なんだ、違うのか。ってことは、さっきのお粗末な討論会について怒られるのが怖くて家に帰りたくないって方が正解か。お前も結構可愛いとこあるじゃんか……ええ? まあ、もしまだ親父が生きていたのなら、そんな未熟者のお前のことを“すんなり”認めてくれてたかどうかは知らねえけど……なあ、親父?」


はーーーぁ、なんでこうも人が疲れてる時に限って、頭を使わなきゃいけない物言いの仕方をするかな。


取り敢えずマリノのお姫様は間違いなくミナのことだろ? んで、今二代目が口にした親父が誰のことなのかだけど……親父という呼び方に加え、目の前にある墓石に向かって今度は問いかけるようにその名前を呼んだってことは、十中八九……初代のことだろうな。


認めるどうこうってのは恐らく、娼館・男娼に関する全権利がこの国のトップに移ることを言ってるんだろうけど、なんで俺が直々に伝説の喧嘩師……しかも異世界転移特典持ちに許可を貰わなきゃいけねえんだよ。


……んなの怖くて絶対に嫌だね‼


ってことで、絶対にあり得ないとはいえ、いきなり俺達の前に化けて出てこられても困るので、話を前者の方へ逸らそう。


「おい、一人で感傷に浸ってエモい雰囲気出してるところ邪魔するようで悪いけど、ちょっと一つだけ教えろ」


「……別に質問に答えてやるのはいいけど……本当に一つだけでいいのか?」


「ああ、いいね、問題ないね、ノープロブレムだね。お願いだからこれ以上余計なことを喋らないでくれ」


そう早口で捲し立て、未だに態勢を変えることもなく真っすぐ墓石を見つめている二代目を一旦黙らせてから続けて、


「お前がさっき言ってた、ミナが宿屋の関係者全員に対して頭を下げた云々って話。あれはいったいどういうことだ?」


「どういうこともなにも、ウチの従業員20人に対して、どこぞの陛下がイキって直々に『あとは俺が何とかするから任せておけ』みたいなことを言った日……つまりはお前がマリノのお姫様から了承を貰おうとする前日に来たぞ」


「はあ? なんで――」


「どうせ『なんでミナの奴がその時点で俺達の計画を知ってるんだよ?』とか言いたいんだろ? 答えは簡単……内通者がいたからだ。もちろんヴァイスシュタイン側のな」


まるで何かを急ぐかのように突然人の言葉を遮ったかと思えば、『さて、ここからは答え合わせだ』みたいな悪役さながらな喋り方をし出した瞬間、


とてつもない殺意を纏った……勘違いでもなんでもなく“殺気”ではなく、寸分の狂いもない且つ、金色のオーラにより具現化されたそれを身に纏ったミナが近くの木陰から現れたかと思えば、静かにこちらに向かって歩いてきて、


何故か俺の右手を優しく握ってきてから……しかし声色や口調はそれとは真逆の、イメージ通りのもので、


「少々お約束が違うのではないでしょうか、レオン様?」


そんな彼女の問いに反応するかのように……否、警戒を超えてこちらも臨戦態勢であることが伺える雰囲気を出しながら、レオンはその場でゆっくりと立ち上がった。しかし奴は引き続き背中をこちらに向けたまま、


「失礼なお姫様だな、おい。俺は“まだ”約束を破っちゃいないぞ? “まだ”だけどな」


「私個人としましては……これ以上はあまりお喋りにならないことをお勧めいたしますが、そのご様子ですと、私の忠告は無意味といったところでしょうか?」


えっ⁉ なにこれ、どういう状況? マジで一個も分かることがないんだけど。取り敢えずあれか、俺もフェイク・フェイスを使って、最初から分かってましたけど感を出しとくか?


引っかかったな馬鹿が‼ みたいな顔でもしとくか?


なんてふざけたことを考えることによって咄嗟に平常心を保っていたのも、束の間のこと。


咄嗟に平常心を保とうとしたということは、つまり自身の潜在意識が危険を察知していたからであり、それによるある種の防御反応であったことを、比喩でもなんでもなく全身全霊に思い知らされるには優に足り得る、


これぞまさしく、この国の裏の頂点に立ちし者に相応しい且つ、それを裏付けるかのような、


いったいどれだけの……極悪非道などという言葉では生易しいほどの行為を繰り返せばそんな風になるんだと、


今自分が置かれている状況など関係なしに聞きたくなる程までに恐ろしい表情を浮かべながら、レオンは体を180度回転させてきて、


「お宅の旦那がまだまだ未熟ゆえに、アンタがあそこで俺のことを脅しに来た気持ちは分かる。分かるし、実際現在進行形どころか未来永劫レベルで圧倒的に不利なのは、間違いなく俺だ」


「………………」


「しかし、この絶望的に不利な俺にも一つだけやれることがある」


この言葉を聞いた瞬間、俺は頭の中で、


『いったいアイツはどれだけ凄い魔法を隠しているんだ?』


『それとも今日初めて見たこの本気のミナをも余裕で凌ぐ攻撃方法ないし、戦術を持っているとでもいうのか?』


など、とにかく相手を物理的に攻撃する方法を思いつく限り考えていたその時、まるで圧倒的捕食者のような目で俺のことを見つめてきて、


「たとえマリノ王国第一王女、ミナ・マリノが相手であろうとも、アンタを含めた周りの人間が過保護すぎるが故に、その隣で的外れな事ばかり考えているソウジ・ヴァイスシュタインの心をぶっ壊すことぐらい……アンタに殺されるまでにあるであろうコンマ何秒かで十分だね」


「その過保護というお言葉……今すぐ撤回していただいてもよろしいでしょうか? なんせ私達はソウジ様のことを過保護にしているわけではなく、ただ単に年齢相応な接し方をしているだけであり、そんな言われようをされる筋合いも覚えもありませんので。それから……頼み事ばかりで申し訳ありませんが、万が一あなたを殺す場合、あと何秒ほど死ぬまでの時間を縮めればよろしかったかだけ教えていただけますと幸いなのですが」


もう一段階二代目に対する殺意を高めながらそんな言葉を発しつつも、逆に俺の右手を握っているミナの左手からは、更に安心させられるような何かが流れ込んでくるような感覚を得たことで、


ほんの少しとはいえ頭の中が冷静になったことにより、今の自分が目の前の男に恐怖しているだけでなく、手が震えていることに気が付くことが出来たものの、


クッソ、なんで俺はコイツに対してこんなにもビビってるんだ?


いったい何にビビってるってんだよ⁉


俺が前国王達を皆殺しにする前ないし、ティアと二週間掛けて行った修行直後だっていうならまだ分かる。


まだ分かるが、今の俺はそんな心身ともに弱い昔の俺とは違うし、何よりマイカによる精神的支えがあったとはいえ、スロベリア奪還作戦という人生初の戦争だって自力で乗り越えて見せたんだぞ!


それだけじゃない!


ほぼ毎日行っているティアとの模擬戦のおかげで、間違いなく俺はコイツに勝てる‼


何ならかすり傷どころか、返り血の一滴すら浴びずに殺せる自信がある‼


なのになんで俺の体は、自分よりも弱い者に対して恐怖で固まり、震えている?


何故、声を出すことすら出来ない⁉


「流石に自分が殺されるまでに掛かる時間が何秒までなら反撃が出来て、何秒を切ってこられると無理だとかを真剣に考えたことはないから、少し考える時間をくれっていうのが正直な返事なんだが、そっちはそっちでかなり限界みたいだし……ここは一度日を改めてってのはどうだ?」


今の自分が置かれている状況はおろか何一つ理解出来ていない……否、二代目に対する恐怖心のみが明確に分かる……強制的に分からされているところに、更に追い打ちを掛けるかのような目を向けられたことにより、


「――――――ッ‼」


という悲鳴にすらなっていない……ただ息を吸い込んだだけの情けない音を出したというのに、そんな俺の隣にいるミナはというと、


まるで『私達のソウジ様はあなたみたいな雑魚など相手にならないどころか、眼中にすらありませんので』みたいな表情をしながら、


「ご心配なく。私達の旦那様にしてこの国の国王でありますソウジ・ヴァイスシュタイン様は、ご自分が大切だと思っている方々……つまりはヴァイスシュタイン家の関係者の皆様の為だけに国王宣言された男性ですよ? そんな彼の愛おしいお嫁さんが敵の目の前にいるっていうのに――」

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