第17話:王女とメイドから同時告白!? ロリババァ最強すぎて恋愛どころじゃない件
あれから俺はアリス、サラ、リーザ、セリアにもエレナと同じように抱き上げてやった。
どうやら満足してくれたらしく、四人とも笑顔で喜んでいた。
……まあ、こんなんでこの子達と仲良くなれるなら安いもんだ。
「言っとくけど、お前ら二人を子供達みたいに持ち上げたりはしないからな」
「え~っ、エレナちゃん達だけズルいです! だいたい私達、まだ頭すら撫でてもらってませんよ!」
「そうですご主人様! さっきまでご主人様を膝枕していたお嬢様はともかく、私のことはもっと可愛がってください!」
「……お前らは大人なんだから少しは我慢しろよ。だいたい何でそんなに俺にこだわるんだ」
心の中で**「実は俺のこと好きなのか?」**とツッコミかけたが、口には出さなかった。
だが二人は何の恥じらいもなく――
「ソウジ様のことが好きだからです」
「ご主人様のことが好きだからです」
「………………」
こういう時、難聴系主人公がよく口にするセリフがある。
そう――今やテンプレと言っていいほどの、**「お前、絶対聞こえてただろ」**あの言葉。
「今……なんて言った?」
「ですから、私はソウジ様のことが好きだと言ったんです」
「大丈夫ですかご主人様? 昨日も倒れてらっしゃいましたし、やはりまだ体調がよろしくないのでは?」
そりゃそうなるわ。
というかその反応が普通だし。……でも君らも十分おかしいと思うけどな。
「別に体調は平気だ。逆に二人こそ、昨日会ったばかりの相手を好きになるって頭大丈夫か?」
「ソウジ様、私は王女です。人を見る目には自信がありますし、それはリアーヌも同じです。
王族・貴族の世界では、その力がなければ生きていけません」
「……つまり俺は王女様のお眼鏡にかなったと。
でもだからって昨日の今日で告白はないだろ」
「ご主人様はご存じないかもしれませんが、上層階級の者には恋愛の自由――結婚相手を選ぶ権利などありません。
それは立場が上になればなるほど顕著です。だからこそ、好きになったらすぐに想いを伝えるのが最善なのです。
……もちろん誰彼構わずではありませんが」
「そりゃそうだろうな。王子なら自国を継いだり役職に就いたりするのが普通だから、ある程度は嫁を選ぶ権利がある。
だが王女にはそれがない。なぜなら、王女には**“道具”としての側面**が大きいからだ」
例えば――A国の王女をB国に嫁がせる。
表向きは王妃だが、裏を返せば人質。A国はB国に縛られ、半永久的にご機嫌取りを強いられる。
さらに“道具”の意味はそこだけじゃない。
ハーレムはよくあるのに、逆ハーレムはほとんど聞かない理由――それは効率だ。
王子一人に妻が複数いれば血統を効率的に残せるが、王女一人に夫が複数では非効率。
つまり**「王女=子を産む道具」という認識が根強い**ということだ。
まあ、この世界が中世ヨーロッパ並だからこそ通じる理屈で、現代日本で言ったら確実に炎上案件だろう。
「だからこそ、貴族の結婚は嫌な相手でも我慢するものです。
ですが私は――ソウジ様が好きです。“一生を共にしたい”とすら思っています」
「なるほど。つまり無理やり結婚させられるくらいなら俺と結婚した方がマシってわけか。
だがさっきも言ったが、俺はまだ結婚する気もなければ子供を作る気もないぞ」
「そこは大丈夫です。私もリアーヌも長命種。成長は止まっていますから――いつでも子作り可能です!」
――話が一気に飛びすぎだ。
……待て。今、俺は何の話を聞かされている?
「お兄ちゃん、ミナお姉ちゃんと結婚するの?」
「ソージ兄、リアーヌ姉とも結婚するの?」
「サキ兄、弟が欲しい!」
「ソウジ様、ご子息ご息女のお世話は私達にお任せください」
「あらあら、ソウジって結構モテるのね」
――ゲッ!
そういえばアリス達に加えて風呂組もいたんだった!
ティアはニヤニヤ笑い、マイカは困惑顔。……あとでフォロー入れよう。
「……だいたい俺が複数の女と関係持ってもいいのか? 俺なら絶対に嫌だぞ」
「そんなこと仰られると……ヤキモチを焼くご主人様も見てみたくなってしまいますね」
「それは魅力的ですね。でも私はソウジ様以外の男性はお断りです」
「私も同じでございます! お嬢様だけ良い顔するのはズルいです!」
――いや質問に答えろよ! このままじゃ俺がただのヤキモチ焼きみたいじゃねーか!
「なあミナよ。もしわらわが突然、こやつの女になったとしたら……どう思うんじゃ?」
よくぞ言ったティア! あとで頭なでてやるどころか、高い高いしてやる!
「う~ん、ティアさんですか……。リアーヌとはずっと一緒にいるから同じ人を好きになっても気にはならないんですけど、ティアさんとなると……ちょっと複雑ですね」
「ティア様には申し訳ありませんが、そのお気持ちは少し分かります。今の状況だと……どうしてもヤキモチを焼いてしまいそうです」
――ふむ。恋愛にも“パーソナルスペース”があるってことか。
「これじゃまるでわらわがフラれたみたいじゃの」
「そ、そんなつもりじゃありません! ティアさんが悪い人じゃないのは分かっています。けど……“遊び半分なら相手が誰であろうと許しません”!」
「ふむ、とても姫とは思えぬ殺気。だが、その若さで国内十傑に数えられる力を持つだけはある。
……とはいえ小娘一人でわらわに勝てると思うとるのかの?」
――え、今さらっと判明したけどミナって国内十傑⁉
そしてティアはそれを上回るって……。
ってことはリアーヌもアベルも……やっぱり只者じゃないな。
「私も馬鹿ではありませんので、その時はリアーヌとアベルと共に挑みます。
……それでも勝てるかは分かりませんが」
絶対強いじゃんこの二人!
てか、それでも勝てないティアって何者だよ!
これもううちの国、戦力固めすぎだろ。軍事バランス崩壊案件だぞ!
「なあリアーヌさん。ティアってどのくらい強いんだ?」
「ティア様については噂すら耳にしたことがありません。
ですが――おそらく私達三人が同時に挑んだとしても……勝てないでしょう」
「なんで戦ってもないのに分かるんだ?」
「ある一定以上の力を持つと自然と分かるのです。
ですがご主人様は経験が少なすぎますから、まだ出来なくて当然です」
なるほど……。
つまり“力量を見抜ける目”がなければ死ぬ世界。
ヤクザみたいに、瞬時に相手を見抜けなきゃ生き残れないってことか。
「まあ、わらわはこやつを支えると決めたからのう。
お主らと共に戦うことはあっても敵にはならん。
……お主らがこやつの敵になるというのなら話は別じゃが」
「それは絶対にあり得ませんのでご安心を。
……改めて味方だと分かって安心しました」
「何が再確認じゃ。ただのヤキモチじゃろ」
「ちょ、ちょっと! ソウジ様の前でそういうこと言わないで下さい!
ソウジ様の中で私は年上のお姉さんのイメージなんですから!」
――いや、ミナのイメージは“年上のお姉ちゃん兼、年下の妹”なんだけど。
……あれ、そもそも何の話してたんだっけ?
まあ買い物してるうちに思い出すか。




