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世界最強の元一般人――異世界ラノベの主人公に憧れた俺、最強でも現実は甘くなかった  作者: ITIRiN
第12章:世界を変える“最強の使い方”

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第132話:表と裏

本当のことを言ってしまえば、このまま二人に抱き着いていてもらいたいのだが、残念なことにそろそろ一限目の授業が始まってしまうので、次の作戦へと移行しますかね。


ということで俺は一旦二人に離れてもらい、この二週間の間でティアと考えた作戦を実行すべく敵陣に向かって――


「あーあー、クロノチアの皆さま初めまして。私、ヴァイスシュタイン王国で国王をさせてもらっております、ソウジ・ヴァイスシュタインと申します。ということで突然ではありますが、今から約一時間半ほどお時間を与えますので、その間にこのまま私達と戦うのか、それとも降伏するのかを“各自で考えご判断ください”。ちなみに降伏することをお決めになった方に関しましては、こちらでご本人は勿論、自国に残っておられる関係者の方々全員の安全を、私達に喧嘩を売らない限りは永久に保障させていただきますので、素直に降伏したくなりましたら頭の中で『降伏する』と念じてください。そうすれば一時的な処置として、こちらでご用意させていただいた防御結界の中へと、国に残っておられる関係者ごと自動的に転移するようになっておりますので、よ~くお考え下さい」


ちなみにこの防御結界は外からの攻撃が一切効かないのはもちろん、悪意を持った奴がその中に入っても面倒なので、転移前に対象人物の選別を自動で行い、許可が出た者だけが入れる仕組みになっている。

この世界で二番目に安全と言ってもいい場所だ。


一番はどこかって?

そんなの、うちの城に決まってるだろ。あの建物の警備システムを突破出来る奴なんて今のところ思い当たるのは本気を出したルナぐらいだからな。まあアイツの本気なんて見たことないから実際どうなるのかは知らねえけど。


なんてことを考えながら、そろそろ学校にでも行こうかなと思ってティアの手を握ると、こちらを振り向いてきたのでちょっと不安になったのもつかの間、


『先ほどのお主の説明はなんの問題もなかったのじゃが、クロノチアの者達がそんなこと信用出来るかとかなんとか騒いでおるぞ』


「信用もなにも、お前らがさっきまで持っていた現代兵器を使って俺TUEEE・私TUEEEしていた時よりも圧倒的に俺の方が強かったんだから、残された選択肢は一時間半後に無謀にも我が軍に挑んでサラッと殺されるか、それともこの心優しいソウジ・ヴァイスシュタイン様を信じて、大切な人と一緒に自分の仲間を見捨ててでも生き残るかの二択だけだろ。ってことで俺はちょっと家に帰るけど、スグに戻ってくるから後はよろしく~」


ぶっちゃけた話、この戦争を始めた理由はあの傀儡勇者が生きている限り何かと邪魔だからというだけで、別にあそこにいる百人の兵士とはなんの因縁も何もないどころか、お掃除のついでにスロベリアの奪還を引き受けただけなので、アイツ等を殺す理由は一個もないのだ。……今のところは。


まあ素直に百人全員が降伏してくれるとは思っていないし、こっちだってある程度実戦の様子を国内外に見せつけておかないとまた今回みたいな面倒に巻き込まれる可能性があるから、そんな愚かな選択肢を選んだ奴がいたのならば……ただただその命を有効に使わせてもらうだけだ。


『ふむ、この様子ならば今日は合格をあげてもよいが……今は半分合格といった感じかの。このまま最後までブレずにやり通せれば、はなまるをあげるのじゃ』


「あっそ。ならサッサとはなまるが貰えるよう俺に協力してくれ」


そう言いながら俺はティアと一緒にこっちの家のリビングへと転移した。


* * *


「あら、お帰りなさいソウジ……って、耳はもう聞こえるのかしら?」


「まだちょっと聞こえにくいけど、家に帰ってきたお陰かなんとか聞こえるくらいにはなった。……他のみんなはどこに行った?」


「私以外のメイドは全員パーティー会場の隣にある調理室で騎士団員に配るお昼の準備、セレスは通常業務、マイカはソウジの分のお昼ご飯を作る準備をするって言って自分の部屋に一旦戻ったわよ」


だからって居間のテレビで戦場の様子を見てなくてもいいだろ。んな面白くねえもん見るくらいならおかあさん○いっしょでも見とけよ。


「どう考えてもお主のことが心配で見ておったに決まっておろうに。何故素直にありがとうと言えんかのう」


「そんなことより、ちゃちゃっと入れ替わってそれぞれの場所に行くぞ。ってことで悪いけど事前の打ち合わせ通り、セリアにはティアになってもらうからな」


一時間半ちょっとの間だけとはいえ、学校に行っている間に俺があの場にいないのを不思議に思われると面倒なので、最初からティアに代役をやってもらうのは決まっていたのだが、すると次はそのティアがいなくなってしまうということで、戦場に行っても問題ないセリアにお願いしておいたのだ。


いくら完全な睨み合い状態のところでただ黙っていればいいとはいえ結局は戦場。そんな場所にマイカを送り込むわけにもいかないし、まあだからと言ってセリアなら別にいいってわけではないのだけど。……出来るだけ早くなんとかするから少しの間だけ我慢してくれ。


こんな子供に戦場という殺し合いの場所に行かせなければいけないという申し訳なさ二割、絶対にそんなことをしなくても済むような世界にしてみせるという気持ち二割を抱えたまま頭を撫でながらセリアを魔法でまんまティアにしてやると、いきなり固まったかと思えば自分の胸をペタペタと触りだし……今度は泣きそうな顔でこちらを見ながら静かに


「胸、私の胸が……私の胸がぺったんこになっちゃった」


「ぺったんこじゃと⁉ 確かにお主に比べればあれかもしれんが、この姿の状態でもちゃんとわらわの胸はあるし、大人の姿になれば大き過ぎず小さ過ぎずの丁度いいサイズになるんじゃから失礼なことを言うでないわ!」


なんて若干不機嫌そうにしているものの、これが大人の余裕というものなのか何なのかは知らないが大人しくティアが準備を整えてくれたので、二人をあっちに送った後、魔法で着替えながら鞄を取りに自分の部屋へと転移すると、戻ってくるのを待っていたっぽいマイカが立っていたことに気付いた俺は正面から抱きしめると同時にベッドに倒れこんだ。


「こんなことしていると講義に遅れちゃうよ」


「……今九時ちょい前だから五分だけ」


目を閉じた状態でそう言うとマイカは何も喋らずただ黙って受け入れてくれたのだが、そろそろ五分が経つという頃になると、今度は俺のことを抱きしめ返しながら


「もう五分経ったよ」


「このまま寝たい。……もうこのまま寝て一時間半だけでもいいから全部忘れていたい」


「いいよ、このまま寝ても。時間になったらちゃんと私が起こしてあげるから」


俺がこんな状況でも普段通り学校に行こうとしている本当の理由に気付いているくせに、なんでこういう時に限ってそんなに甘やかしてくれるんだよ。


俺が今なんて言われたいか知っているくせに、そんなに優しくギュ~ってしてくるなよ。


「もうこのままがいい。……別に殺さなくてもいい人間を殺したりしないで、学校にも行かずにこのままマイカのことを抱きしめていたい。このままギュ~ってしていたい」


「別にソウジ君がそうしたいのならそうしたらいいし、ミナ達に今まで一人で抱え込んでいたことを話せばちゃんと理解してくれた上でフォローしてくれるだろうから……何の心配もいらない。それどころかソウジ君は異常なスピードでここまで成長してきたんだもん、少しくらい休んだって誰も文句を言わないし、何よりここまで一度も挫けずにやってきたのがおかしいのだから、それに気付いてもらえるチャンスでもある。そしたら今までの頑張りの分一杯褒めてくれるだろうし、一杯、い~っぱい甘やかしてくれると思うよ。……今の私みたいに」


「……学校に行ってくる」


そうぶっきらぼうに一言だけ呟くように言うと、マイカも同じような感じで「うん」とだけ返してきた後、俺のことを抱きしめてくれていた腕を退けたので、こちらも腕を退け、自分のリュックを背負い学校に向かおうとしたところでマイカがちょっと背伸びをしながら自分の顔を近付けてきて


「んっ♡ いってらっしゃい♪」

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