表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/26

「誰にも見せないノイズ」

研究所の屋上。

夜風が吹き抜け、眼下には未来都市「I」の輝きが広がっている。

陽介は手すりに寄りかかり、ふと空を見上げる。


陽介「全部、俺が望んだ未来だ。

汚染は消え、人は笑い、世界は繋がった。

…じゃあ、なんでこんなに、静かすぎるんだろうな」


ポケットから古びたメモ帳を取り出す。そこには、初期のME理論式と、「人を救う力がほしい」とだけ書かれた過去の自分の文字。


「“救う”って何だ? “変える”って何だ?

いつの間にか、“支配する”にすり替わってたりしないか?」


背後から、美沙の気配。


美沙「いた。ここにいると思った」


陽介(笑って)「なんで分かった?」


美沙「陽介が“かっこつけたい時”は、大体この景色選ぶから」


陽介、少し照れたように肩をすくめる。


美沙「ねぇ陽介。最近、夢見る?」


陽介「夢?…見ない。昔は見てたけど、今は…もう必要ない気がして」


美沙(少し寂しそうに)「夢があるから、前に進めるんじゃない? 陽介が昔言ってたよ。『未来は、僕が創る』って」


陽介は答えず、静かに夜空を見つめ続ける。


その視線の先、わずかに“星のような光”が瞬き、すぐに消えた。


誰にも気づかれないままーーーー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ