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「未来は、僕が創る」

夜、未来都市Iの街はいつも通りの煌びやかさを持ちながら、どこか不穏な空気が漂っていた。人々はその異変に気づくことなく、日常を過ごしている。しかし、陽介の中では、過去の罪と現在の決断が絡み合い、日々重くのしかかっていた。


美沙はそんな陽介を心配そうに見つめていた。彼がまた一人で悩んでいることに気づいていた。けれど、陽介は彼女にはその心情を見せようとしなかった。偽りの英雄を演じ続ける彼の姿に、美沙は無力感を覚える。


「陽介、何かあったの?」


美沙が心配そうに尋ねると、陽介は一瞬だけ彼女を見たが、すぐに目をそらした。深くため息をつくと、冷たく答える。


「大丈夫だよ。ただ…ちょっと考え事をしていただけだ。」


美沙はその言葉に不安を感じながらも、何も言わずにただ黙って彼の傍に座った。陽介の中では、あの日からの出来事が今も強く響いていた。黒崎の警告、桐生との対立、そして自分が世界を作り上げた英雄だという誇り。しかし、彼はその誇りの中に埋もれるように、日々自分の存在に疑問を感じていた。


そして、ついにその疑問が彼を暗闇へと引き込んでいった。




黒崎の死後、桐生はすぐに行動に移す。彼はMEが引き起こす破滅の兆しを察し、すぐに供給を一時的に止める手段を講じる。しかし、陽介はすでにその行動に気づき、強い反発を示す。


桐生は、少なくとも短期間でもMEの供給を止め、世界を少しでも守るために、必死にその方法を実行する。だが、陽介はその行動を許さず、MEの力を再び動かし始める。





美沙はその異変を感じ取り、陽介の変化に気づく。彼の目は、以前の輝きを失い、どこか冷徹なものを帯びていた。彼が今、どんな決断をしているのか、その重さに美沙は圧倒される。


「陽介…」


美沙が心配そうに呼びかけると、陽介は一瞬だけ彼女を見つめ、その後すぐに目を背けた。


「大丈夫だよ。僕は未来を創るために戦うだけだ。」


その言葉が、彼の内面にどれだけの苦しみを隠しているか、彼女にはわからなかった。



陽介はついに、MEの力を完全に取り戻し、世界を支配することを選んだ。彼はその選択を決して後悔することなく、自分が創る未来を信じて突き進む。


美沙はその決断を信じられずにいたが、陽介はただ無表情で言った。


「未来は、僕が創るんだ。」


その言葉を最後に、陽介は未来都市Iの英雄から、破滅を引き起こす支配者へと変貌していった。

陽介がその支配を確立した後、美沙は再び孤独に包まれることとなる。彼女は陽介を失い、そして新たな戦いが始まろうとしていた。


黒崎の恋人がその中心に立つこととなり、第2部が始まる。

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