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「陽介の決断、黒崎との対峙」

陽介、桐生、黒崎の対峙から数日後。


陽介はある決断をした。

世界中へ大々的な宣言を行った。

「未来は、(ぼく)が創る」


そう、陽介は英雄として生涯を終えることを選んだ。

世界の命運よりも名誉を。


桐生は止めることが出来なかったのだ。

兄の事故の真相を知ってから、音沙汰がなくなった。



陽介は静かな夜の街を歩いていた。頭の中に浮かぶのは、黒崎との対話、桐生との激しい衝突、そしてこれからの世界の行く末。未来を創る──その言葉が、彼の心に重くのしかかる。


「未来を創る」と決めた時から、陽介はその選択肢を決して後悔しなかった。しかし、心のどこかで感じていた恐怖と不安が、今や形を成して現れようとしていた。


その時、背後から聞こえる足音に振り向くと、黒崎が立っていた。彼の瞳は暗く、冷徹なまでに鋭かった。


「君が選んだ未来は、確かに美しいものかもしれない。でも、君はそれを守るためにどれだけの犠牲を払う覚悟がある?」


黒崎の声は冷たく、沈んだ響きを持っていた。陽介はその問いに答えることなく、ただ黙って黒崎を見つめる。


「未来を創るっていうのは、ただ美しいことばかりじゃない。それを維持するためには、どれだけの命が失われるか、君は分かっているのか?」


黒崎は一歩前に踏み出す。その足音が夜の静けさに響き渡る。陽介は息を呑んだ。黒崎の言葉が真実であることを知っていた。しかし、それでも陽介は止まることができなかった。


「黒崎、君が言う未来は、僕が創ったものじゃない。僕の手にあるのは、僕が決めた未来だけだ。」


黒崎は冷徹に笑みを浮かべた。その表情は、陽介の決意を嘲笑うようだった。


「君は本当にそう思っているのか? 未来は、お前が創ったものじゃない。お前がしたことは、ただその流れを作っただけだ。そして、今の世界は、その流れによって壊れつつある。」


陽介の胸が締めつけられるような感覚に包まれた。彼は無意識のうちに、足を一歩後ろに引いた。


「お前はどうしてそこまで…」陽介が呟く。


「答えは簡単だよ。」黒崎は一歩踏み込みながら言った。「君が創った未来は、必ず破滅する。どれだけきれいな言葉で飾っても、その先に待っているのは破壊だ。」


「黙れ!」陽介の声が震えた。


「君が未来を創るのは、君のエゴだ。それを壊すのは、俺の使命だ。」


黒崎は一気に飛び掛かってきた。陽介は瞬時に反応し、手に持っていたデバイスを使って力を放つ。しかし、黒崎の素早さに圧倒され、すぐに反撃を受ける。


彼らの戦いは熾烈を極めた。陽介が放つエネルギーと、黒崎が繰り出す攻撃は、まるで天と地の差を見せつけるかのようだった。互いに譲らず、全力でぶつかり合う。


「お前には分からない! お前には分からないんだ!」陽介が叫ぶ。


「君こそ、分かっていない!」黒崎は再び攻撃を仕掛けながら言った。「俺はお前に言っているんだよ、君の未来はもう手遅れだ!」


その言葉を受けて、陽介は全身の力を込めて、黒崎に向けて最後の一撃を放った。強烈なエネルギーが黒崎を貫き、黒崎はその場に倒れ込んだ。


倒れた黒崎の瞳は、わずかに動いていた。彼の目には、陽介に向けられた冷徹な視線と、どこか諦めのようなものが宿っていた。


「未来…を創る…か。」黒崎はかすれた声で呟く。「君の未来がどうなるか、俺には分からない。でも…それが君の選んだ道だ。」


その言葉が最後となり、黒崎は息を引き取った。


陽介は息を呑んでその場に立ち尽くした。胸の中には、黒崎の言葉とその死の重さが重くのしかかっていた。彼は震える手で黒崎の亡骸を見下ろすと、深く息をつき、無言でその場を立ち去った。



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