「破滅への日差し」
朝焼けの研究室。
窓の外には、煌びやかな未来都市が広がっている。
だけど——その輝きが、どこか儚く見えた。
陽介は、ひとり端末に向かい、膨大なデータを睨みつけていた。
手元には、MEのエネルギー波形解析。
赤い警告ランプが、静かに、しかし確実に点滅している。
「このままだと——30年もたない。
いや……下手をすれば、10年。
地球は、確実に死ぬ。」
陽介の指先が、震えた。
それをぐっと押さえ込む。
「俺が、創った。
俺が、救った。
でも——
……俺が、壊してる。」
喉が焼けるように痛い。
けれど、誰にも言えない。
守らなきゃいけない。
この都市も、人々も、美沙も。
ドアが静かに開いた。
「陽介……?」
白いパジャマ姿の美沙が、心配そうに立っている。
その瞳は、陽介をまっすぐ見つめていた。
「こんな時間まで……。ねえ、大丈夫?」
陽介は笑った。
けれど、それはどこか、壊れそうな笑みだった。
「未来を……少し、考えてただけさ。」
「未来……?」
陽介は立ち上がり、夜景を背に、美沙に近づく。
そして、そっと彼女の頭を撫でた。
「大丈夫だよ。
未来は——俺が創るから。」
微笑む陽介を、美沙は不安そうに見上げた。
その笑顔に、何か、触れてはいけない闇を感じながら——。




