表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/26

「外部からの警告」

陽介は街の喧騒を背に、無意識に歩き続けていた。

周囲の人々の声が耳に入るものの、彼の心は静まり返っている。

桐生の警告、そして何より自分が感じていた微妙な違和感。

あの夜からずっと、その不安が陽介の胸に重くのしかかっていた。


「ME(Maguma Energy)――これが世界を支えている。これがなければ、すべてが止まる…」

陽介は無意識にそう呟きながら、街を歩き続けた。

彼の頭の中では、MEの供給が止まるという考えが何度もよぎる。しかし、それはあまりにも大きすぎて、現実味がない。

自分の手がけた技術、そして自分が世界を救った英雄として築き上げたインフラ。それを止めるという選択肢は、あまりにも恐ろしいものだった。


だが、桐生の言葉が心に残る。『何か、感じるんだ。大きな波紋が広がりそうな予感がする』。

そして、少し前から陽介自身が抱いていた「これはおかしい」という感覚。

何かが、この世界に歪みを生じさせている――その兆しが確かにある。


陽介は手を口元にあて、立ち止まった。

その時、ふと視界の隅に、何か動く影を感じた。


視線を向けると、目の前に黒崎一真が現れていた。

黒崎は、どこか冷徹な視線を陽介に向けながら、すれ違う瞬間にその言葉を放った。


黒崎「MEの供給を今すぐ止めろ」


その言葉が耳に届いた瞬間、陽介の心臓が跳ね上がる。

予想もしなかった言葉に、陽介は一瞬動きが止まる。


「――な、何を…?」


黒崎はそのまま歩みを続け、振り返ることなく答える。


黒崎「今すぐだ。君がこのままMEを供給し続ける限り、終わりは近い。未来を守りたければ、今すぐにその手を止めろ」


陽介は一瞬、言葉を失う。

その背中が遠ざかるのを見送りながら、彼は目を閉じて深く息を吐く。

黒崎が言うように、MEの供給が止まるという選択は、それだけで世界を危機に陥れることになる。

しかし、黒崎の言葉がどうしても引っかかる。


「どうして、あの男が…」

陽介は自分に問いかけ、また歩き出した。

彼の胸中では、まだ答えが見つからない。

だが、黒崎の言葉が確かに彼の心に深く刺さっていた。


そして、その日から陽介の中に新たな不安が芽生える。それは、MEを供給し続けることの意味、そしてそれを止めるべきなのかという選択肢が、彼の中で闇のように広がっていくことを予感させていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ