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詩(冷蔵庫に卵といっしょに…)

作者: タニグチ・イジー

  ○


冷蔵庫に卵といっしょに入っているもの

冷たく固く薄っすらとピンク色のもの

取り出して手のひらに包むと

冷たさが血管を伝って身体中に広がる

それ自体はゼリーのように柔らかくなって

私の手のひらを向こうから包み込んでくる

私はそれをしっかりと握る

その柔らかさがゆっくりと私に

快感を教えてくれて私は

いつの間にかそれを両手のひらで握りしめる

その間もずっと冷たさが身体に流れ込んで

私は次第にめまいを感じる

それでも私は離さないそれが

私が今まで感じたことがないものを

ずっと与えてくれるから

私の冷たくなった手のひらの中で

それは柔らかく私を

引きずり込み続けてくれる



(20230106)




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