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プロローグ

花王美桜(かおうみお)。23歳。


最近人気のジャンル。異世界転生をした。


ただ最悪なことに私が転生したのは小説のヒロインや悪女といった主要キャラではなく、たった3行しか紹介されないキャラ。


運が良いか悪いのかはわからないが、平民ではなく貴族だったからよかったと思ったつかの間、私が転生したキャラの家は借金まみれだった。


だがそれは私にとって大したことじゃない。


私の天才的な頭脳。


努力して手に入れた様々な一流の技術。


それらをもってすれば借金などすぐ返せる。


いや、それだけじゃない。


現代の文明を取り入れ、この国をさらに発達させることだってできる。


そうなれば私の手元には一生使いきれないくらいの大金が入ってくる。


国王も貴族も平民達も誰も私に逆らうことすらできないくらいの力が手に入る。


権力はどうでもいいが、金は欲しい。大量に欲しい。


私の知識をフル活用すれば夢の贅沢三昧な日々過ごせる!


できる!絶対最高の暮らしを手に入れてやる!



そうして、私は異世界にきて金儲けをするために働いた。


一生使いきれない大金を手に入れ幸せな日々を過ごして幕を終える。








……となる予定だった。


だが実際は……


'やばい。もう無理だ。諦めよう。もう帰りたい。このままじゃ死ぬ'


私は異世界にきて3日目で根を上げた。


最初は楽しかった。


だがこの世界にきた初日に食べたまずい料理に吐きそうになる程苦しいドレス。


そして何より風呂に入れない最悪な生活。


現代に染まりきっていた私にはここでの生活は地獄以外のなにものでもない。


「……帰りたい」


私がベットの上で呟くとこの小説の主人公であり、のちに英雄として崇められるアスターに「なに馬鹿なこと言ってるんですか」という顔で見られる。


そしてもう一人の主人公であり執事見習いのオリバーには無理矢理布団を剥ぎ取られた。


二人の顔がクズを見るような目で余計に元の世界に戻りたくなった。


「はぁ。帰ってうまいビール飲みたい」


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