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出会い⑧

「世話になったな」


 赤ん坊の入ったカゴを片手にカシムは軽く手をあげる。

 全くだよと溜息をつきながらドラコは腰に手を当てる。


 ある程度、子育てについて学んだといってもそれがこなせるかはまた別の話であり、彼女は少し不安げな表情を見せる。


「あんたさえ良ければその子が物心つくまであたしが面倒みてやってもいいんだが」


 長年カシムを見てきた身としては、カシムは子供であり赤ん坊は孫の様な気持ちにさせる存在。

 だからこそ、何十年に一度しか会っていないとはいえお節介を焼きたくなりあれこれ口を出さずにはいられない。


 しかし、そんなドラコの気持ちを知ってか知らずか折角の申し出を断る。


「最初から育てなければ意味がないであろう」

 自分にはすべき野望がある。

 その為にはこれは必要な事なんだと正直な思いを告げる。


 それを聞いて、彼女は軽く息を吐き「選別だ」と育児に必要であろう物を彼に渡す。


 受け取ったカシムはむず痒い様なざわつく様な変な気分になり、思わず眉をしかめ、口元が緩む。



 それではなと踵を返し転移をしようとするとドラコが声を上げる。


「その子!名前はどうするんだい?」



 やや考え、ニヤリと笑みを浮かべつつ……



「……リリアムだ」

 それは魔界に古来より伝わる悪虐の大魔女の名前であった。



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