カシムの秘密①
午後。
食事も終わり、普段であれば仕事の依頼を受領し行動に移すが、その依頼がない。
久しぶりの休息と思い、カシムは最近出来ていなかった趣味に没頭する事に決めた。
この趣味に関してはリリアムにも秘密にしている。
バレない様に隠し通路を作り、様々なトラップも仕掛けた。
我ながら上手く出来たと自負している。
カシムは自室から通じる城内の小部屋へと足を向けた。
------
「カシムー!この本読んでー………あれ、いない」
両手で抱えるほど大きな本を持ってリリアムは部屋に訪れた。
が、いつもいるはずの人物がそこにいない。
出掛けた気配もないので、城内にはいるはず。
だが、上手く気配が察知出来ない。
……妨害されてる?
しかも彼自身にだ。
そういえば、今までもこういった事があった。
それは決まって依頼のない日。
城内にいるのにどこを探しても見つからない。
好奇心がもりもりと湧き上がってくる。
本を読んでもらおうと思ったが、ついでにカシム探しも楽しむ事にした。
さて、どこを探したものか。
カシムの性格上、何もない日は部屋に篭ってボーッとしているか、身体を鍛えているかのどちらかである。
身体を鍛えている理由としては、その方が見た目がカッコいいから……だそうだ。
無駄に肉体美を見せてくる時もある程だ。
よくわからない。
とりあえず、部屋をくまなく探してみる事にした。
書斎、ベッド、本棚、テーブル、ソファーとペタペタ触ったり中を見たりしてみるが特に何もない。
物が関係ないとしたら、壁はどうだろうか?
同じように探っていると、本棚の後ろの壁に何か境目がある。
魔法を使って移動させてみようとしてもびくともしない。
もしかしたら本棚に仕掛けがあるのかと思い、少し前読んだ本を参考にしてみる事にした。
それは、暗号を本の頭文字で作り、本自体を傾けるというものだった。
果たして暗号は一体何だろう。
試しに【カシム】で本を傾けてみる。
…………。
何も起こらない。
次に【リリアム】で本を傾ける。
するとゴゴゴゴという唸りが響き、本棚がズレた。
そして、その後ろは何かの通路になっているのが明らかとなった。
「何これ!凄く面白そうー!!」
少女は嬉々として通路に足を踏み入れた。




