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何でも屋③

 自室に着くと机に置かれている手紙に目を通す。

 といっても、2通である。


 カシムは俗に言う何でも屋の様な事をしている。

 魔族、人間問わず依頼されたらとりあえず引き受ける様にしている。

 キャンセルはしない主義だ。


 知識も無いのにそんな事が出来るのかと思う者もいるだろうが、依頼内容はほぼ同じ。


『○○を殺してくれ』

『○○を潰してくれ』

『○○を破壊してくれ』


 と言ったものであった。


 世の中の治安が悪いせいか、こう言った依頼は途切れる事がない。

 個人から国レベルまで様々である。


 勿論、対価として賃金はいただく。

 難易度関係なく、一律人やそれ以外の物1つあたりの金額だ。


 例えば、国1つ滅ぼして欲しいのであれば、その国に住んでいる人×固定金額と言った具合だ。

 誰もいない家屋や砦の場合は固定金額のみの支払いである。


 そうでもしないとカシム的に相場が分からないので請求交渉が出来ない。

 まあ、交渉にもなっていないのだが。


 損をする恐れが高いのでは無いかとドラコに言われた事があったが、暇潰し程度にやっているだけなので気にしないらしい。




「今回の依頼は……」


 1つ目は『ギズベリン王国を滅ぼしてほしい…………………ベリオット帝国より』


 何処の国だか分からなかったが、依頼受領の印を魔法でベリオット帝国に送る。

 この魔法は指紋を解析して持ち主の元へ自動で送ると言うものだ。


 ギズベリン王国が何処にあるのかは分からなかったが、いつも通りリリアムを連れて行けば問題ない。

 因みに彼女がいなかった時は手紙を送った本人、もしくは使者を招いて案内させていた。


 2つ目に目を通す。


『ベリオット帝国を滅ぼしてほしい……………ギズベリン王国より』


 こちらも場所がわからないがリリアムを連れて行こうと思い、先程と同じく依頼受領の印をギズベリン王国に送る。



 と、そこへ籠いっぱいに花を摘んできた少女が扉を開けた。


「ただいまー!あ、2つ依頼来たんだ!今回はどんなの?手紙見せて」


 とカシムから手紙を奪う。

 ふむふむと言いながら1通目を読み、2通目を読み終えたところでワナワナと震え出す。


「さっき、じゅりょう印が2つ飛んでくの見たから両方うけたんだよね?」


 どうしたんだ?とカシムが首を傾げると2通を彼に見せながら、


「これ、内容がかぶってるよー!?どうするのこれぇえぇぇぇ!!」


 リリアムの声が響き渡った。


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