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彼女を護りたい僕と美しき彼女  作者: ヨツバ 太郎
1/1

プロローグ

こんにちは

 カタカタカタ


「はい、ロンパ〜!お前の考え方ガバガバすぎだろ!」


 暗い部屋の中、俺は高らかに悦に浸っていた。何せ、頭の悪いやつを盛大に、ネットの中で、潰すのは気分がいい。まぁほんとに頭の悪い奴は論破されることに気づかずに、話し続けるんだがな。


 次の獲物を探そうと、マウスカーソルを動かし、スレを探す。


 24で働かずに、こんなことする。俗にいう、ニートって奴だ。社会不適合者だ。名誉的には最悪だが、相反して案外楽しい。


 なんてったて、毎朝早起きする必要もなく……まぁ、そんな感じだ。


 家族を無視すれば、ネットやらは、好き放題できる。たまにWi-Fi抜かれるけど。


 今日も来てしまったようだ。階段を登る音が聞こえる。

 珍しいな、今日は1人じゃない。何人かぎ一斉に上がって来ている。


 えらく、激しい音を立てて、扉は開かれた。どうやら家族全員いるらしい。


「……」


 父、母、兄2人、そして、後ろにちょこんと妹がいた。

 が、誰も一声も発さない。そのかわり、俺への睨みが酷いが。


「どうしました?家族総出で。ついに働けとでも言うのでしょうか?」


 俺は少し煽り口調っぽく問いかけてみた。

 

 すぐには答えなかったが、やがて両親が口を開いた。


「まぁ、似たようなものだ。簡単に言うと、この家から出て行って欲しい」


 おいおい、唐突だな。そう言うことは事前に言っておくのがセオリーなんだけど。


「どうしてでしょう?お父様?」


「はっきり言うけど、あなた邪魔なのよ。経済的にも、視覚的にも。収入もないのに、月に数万円もあなたに支払っているのはおかしいと気付いたの」


「そうかい。自分でも言うのはなんだが、少しばかり気づくのが遅いんじゃないか?」


 俺は両親が嫌いだ。小さい頃から、俺に目もくれずに、他の兄妹ばかりに愛情を注いで。 

 そのせいで、俺は性格的に内気になり、友達ができず、挙げ句の果てに学校特有ののいじめにあった。それから不登校になったんだよな。

 

「このゴミが!」

 

 まぁここでは兄Aと呼ぶかw

 で、兄Aは俺に俺に飛びかかるがおとぅーさまの手によって制される。


「あれ?助けてくださるのでしょうか?ありがとうごさいま」


 そうやって、父さんにお辞儀をしようとした途端、重量級の拳が俺の頬を捉えた。鈍い音を立てる。


「でてけ。目障りだ」


 ここは撤退するしかなさそうだ。財布とパソコンを持って家を出る。流石に着替える時間はくれた。


「じゃあなクズ兄貴」


「ああ、さようなら愛するアーニーよ」


 俺は、これ以上とやかく言われないためにも、玄関のドアノブに手をかける。


「なんだ?」


 可愛い妹が俺の裾を年相応の力で、引っ張っていた。


「……気を付けてね」


「……ふっ。じゃあな。愛しき妹よ」


 人生の中で「気を付けてね」と言う言葉はかけられた事があっただろうか?


 俺は、記憶の引き出しを開けながら、気持ちの悪い実家を後にした。


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