「猫街灯」No64
私は藍色に染まった朝焼けの街を歩いていた。目覚ましのためにぶらぶらしていると、小さな路地が目に入る。
「猫?」
そこにはたくさんの黒猫がいた。
だいたい15匹くらい。この街にはこんなにたくさんの黒猫がいたのか。
黒猫達はそれぞれ思い思いに、室外機の上で寝たり、ダンボールの中を泳いだり、ギターケースの中から尻尾だけ出したりしていた。
私がしばらくそれを眺めていたら、ちょうど太陽が出てきた時に、黒猫達は一斉に走り出した。
私はとてもびっくりしたけど、ちょっと足の遅い一匹に狙いを定めて、追いかける。
随分走った後、黒猫は路地から少し離れた鉄の街灯まで来る。そして…
「え?」
黒猫はスルリと街灯を登ると、街灯の光と一体になり、光とともに消えていった。
私は呆然としながらも、それも程々にして歩き出す。
まさか黒猫が街灯を消す役目を持っていたとは知らなかった。
私は次の知らないことを少しでも見つけるため、歩き出した。
お恥ずかしながら文章の仕事を目指しています。先はまだまだまだ遠いですが、一生懸命1歩ずつ頑張りたいと思います。アドバイス等をどしどし下さると助かります。
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