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太陽系流し素麺大会

作者: 山田助兵衛

 キラキラと煌めく天の川。

 で……何故かそこに並ぶは我が太陽系の麺々。いや面々。

水星「まだかなまだかな~♪」

 そして先頭には箸と麺つゆ(?)を片手にはしゃぐ水星の姿があった。

火星「太陽(かあさん)もなかなかやるねぇ。まさか天の川で流し素麺やるとは思わなかったよ」

地球「少々僕の文化(?)に影響され過ぎな気はするけどね」

金星「まあ、楽しければいい、というのかあの人(?)だからねー」

木星「でも~この配置はど~なのかな~~?」

土星「うんうん」

 ちょっと不満そうなのが最後方に並ぶ巨大惑星の方々である。

海王星「しょうがないよ。大きい惑星が前だとすぐ無くなっちゃいそうだし」

木「そうは言うけど~、キミならぼくより素早く取れそうじゃないの~?」

海「はて?何の事やら~~♪♪」

 ヘタな口笛で誤魔化すが、実際海王星の直径は木星の1/3も有りませぬ。

天王星「それより海さん。こーゆー時にすぐにふて腐れる冥王星(準惑星扱いなので除外)はどうしたの?」

海「海さんて(笑)。いやそれがね、太陽(かあさん)が『お前には大事な役目をお願いする。お前にだから頼むんだ!』とか適当言って素麺を流す役に回したらしいよ」

天「それでいいのか「元」兄弟よ……」

水「おーい、ごちゃごちゃ言ってるうちにもう流れてきたぞ!」

地「ん、それじゃあ……」

全員『頂きまーす!』

 ……とまあ、始まったんですが。


金「おお、なかなかオツな味」

土「だねー♪さすがに衛星ちゃんたちは呼べなかったけど」

火「アイツラまで混ざったらそれこそそっちまで行かなくなるぞ?━━ん?どうした地球よ?」

 わりと近くで食していた筈の地球が、何故か素麺を箸で掴んだままじーっと見つめていた。

地「……いや。確かに美味しいんだけど。なんかこの素麺、どっかで見たような気が……」

火「ええ?そんなバカな━━」

木「あれ~~?何か星がいっぱいこっちに向かって来ていないかな~?」

海「へ?━━あれ?ホントだ!」

 宇宙(そら)を見上げれば、幾つかの光点がかなりの勢いで此方へと飛んで来ていた。

 その内のひとつがやがて地球の前で急停止したのだが……。

???「おおおお前ら……何て事をしやがる……」

 どうやら相手は大変御立腹のようである。その勢いに驚きながらも地球は『彼』をじっと見て首を傾げ、さらに何気に片手の素麺を見て━━。

地『❗️❗️❗️』

 箸ごと素麺を落としてしまった。

火「どうした?」

地「あ……貴方はハレー彗星!」

ハレー「そうだよ……」

地「よく見たら……あっちヘールボップ彗星にコホーテク彗星!」

水「百武彗星にホームズ彗星まで居るよ!━━あれ?でもみんな……」

土「『しっぽ』が無いね……」

ハレー「そりゃそうだろう。お前らが俺らほうき星(すいせい)のシンボルの『ほうき』を食っちまったんだからな!!」

全員『どわ━━━━━━っ!!!』

 あっと言う間に会場は悲鳴と怒号が飛び交う阿鼻叫喚の巷と化した。

火「ひーっ!オレ、普通に食っちまってた!」

ハレー「ドナティ彗星なんか三本の尾全部取られちまったんだぞ!」

ドナティ彗星「うう……大事なものを奪われた……。汚されたよ……」

金「流してた冥王星の奴は……あーっ!逃げやがったなあん畜生!!」


 斯くて……夜空に輝くほうき星の天体ショーはその後100年に渡って見られなくなったという……。(by冥王星)

後から気づいたのですが、どうして「大会」にしたのかが思い出せませんでしたがそのまんま採用(適当人生)。

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