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ダンジョン攻略物語  作者: ノジー・マッケンジー
51/52

ダンジョン50

本日4話連続投稿です。

こちらは3話目。

異形の怪物はその触手を縦横無尽に操りこちらを攻め立ててくる。


「ほらほらぁ!たいそうなこと言っておいてその程度かい!?」


迫りくる触手を何とか剣で捌きながらこいつを倒すための対策を考える。

ちらりと後ろを見ればすでにきりっとした表情で魔法の詠唱をしているリコが見えた。


…この様子なら大丈夫だな。


先ほどのショックを引きずってるか心配だったが今のところ大丈夫なようだ。



俺が剣で触手の攻撃を防いでる間にリコの魔法が完成し、怪物の上半身に向けて放たれる。

流石に直撃はまずいと思ったのだろうか。体をひねり魔法を避ける怪物。


「フンッ、そんな離れた場所から当たるわけないだろう?」


今まで戦ってきた魔物たちに魔法を避けられたことはなかったが、さすがにボスなだけあってか一筋縄ではいかない。

しかし逆に考えると、当たりさえすれば決定打にもなり得るということだ。

そう考えた俺は触手を防ぎながら魔法の詠唱を開始する。

複数の攻撃に晒されながら魔法を発動させるのは9階のモンスターハウスで散々鍛えてきたからな。


やがて魔法は発動し岩の雨が怪物へと降り注ぐ。

怪物は何本かの触手を自身の上にやり落ちてくる岩を防いでいたが、リコの風魔法がその触手をうまい具合に切り裂いた。


「グッ!」


結果何本かの触手は千切れ岩の塊が数個怪物の上半身に直撃した。


「クソッ!やってくれるね!」


怪物は千切れた触手をすぐさま再生させリコの方へと伸ばしてくる。

上から振り下ろされる触手をうまくバックステップでかわし、距離を取るリコ。

どうやら触手の伸びる距離にも限界がありそうだ。



…だがこのままではやばいな。


今のところ触手は俺が何とか防げているが、これだけ離れればリコの魔法はまず当たらないだろうし、かといってさっきみたいに二人で魔法を打ったとしても次は警戒されているだろうから有効打にはならない可能性が高い。

やられはしないがこちらの攻撃も当たらない。

時間が立てば俺の体力がなくなって触手を凌ぎ切れなくなって終わりだ。何か作戦を考えなければ…。


触手の相手をしつつ必死で打開策を考えていたが中々良い案は思いつかない。

そんな時後ろから声がかかる。


「守さん!下がって!」


受け流すように捌いていた触手を真正面から受け止め、その勢いで一気に後ろへと下がる。

そしてそのタイミングでリコが魔法を放つ。


何か作戦があるのか?


そう思い、魔法を受けた触手が千切れ再び再生している間にリコのところまで下がる。

するとリコは小声で一つの作戦を提案してきた。


「チョコマカと、ホントうっとおしいねぇ!!」


怪物は再生した触手を伸ばし俺たちにぶつけてくる。

再び俺が前に出て触手を受け先程と変わらない状況に。


しかし今の一瞬の隙で僅かながら作戦会議はできた。



触手を受けながらタイミングをはかる。

本当ならリスクが高いので別の方法を考えたいのだが、いかんせん余裕が無いしこのままではじり貧だ。

2人とも負担は大きいがやるしかない。



覚悟を決めてリコにアイコンタクトで合図をする。

そして、


「ロックシャワー!!」


「エアカッター!!」



少しタイミングをずらし魔法を発動させる。

当然魔法を警戒していた怪物は先程以上の数の触手を防御にまわし魔法を耐えきる。

当然上半身は無傷だが、触手の盾によって目は見えていないはず。

その間に俺は駆け出し、怪物の右側に回り込むように近づく。


「うおぉぉぉぉ!!!」


これ以上ないほど集中し、これで決める!と思いを込め、未だ自身の触手で視界が開けていない怪物に近づく。


しかし、



ヒュッ バキィ!


「ぐわぁぁぁ!!」



怪物の上半身を覆っていた触手の一本が俺目掛けて飛んできて、俺を殴り飛ばした。


「ぐっ…!」


俺は地面に転がりながら怪物を睨む。


「フフフッ、バカだねぇ。見えてない内に近づこうってつもりだろうけど、そんな大きな声出してちゃ意味ないだろぅ?」


怪物は俺を小馬鹿にしたような声で話しかけてくる。


「それにしても、惨めに地面を這いつくばっちゃって…、あんた油断しすぎだろう。さっきまであれだけしぶとくあたしの攻撃を防いでたのに、同じ人間とは思えな……。」


そこで怪物は気づいたようだ。


「…あんた、剣はどこやったんだい?」


今俺の手には先ほどまで握っていた剣は、無い。

当然攻撃を受けた拍子に手から離れ、その辺に転がってるわけでもない。

俺はニヤリと笑い怪物に告げる。


「ん?剣?剣ならそこにあるぞ。…なぁ、リコ!」


その言葉に怪物は慌てて自分の後ろを振り返るがどうも視界がおかしい。

真っ直ぐ後ろを振り向いたはずなのにどんどん視界が斜めになっていき、視界の先に剣を振りぬいた格好をした女の姿を捉えた時、ようやく今の状況に思考が追い付き、



「…え?」



それが怪物の最後の言葉となった。











◆◆◆◆◆


【 10階層を攻略しました 】

【 リコ は 特殊討伐条件を達成しました 】

【 条件達成報酬 取得経験値ボーナス 】

【 リコ のレベルが上がりました 】

【 リコのレベルが上限に達しました 】

【 種族 ニワ・トリ(亜種)は進化可能種族です 】

【 進化可能先を提示します 】

【 ……………



頭の中に流れてくるメッセージを意識的にシャットアウトし、私はその場で大の字に寝ころんでしまった。

流石に今回は疲れた。


先ず前半の精神攻撃、あれが地味に効いた。

自分が見るだけならそこまでダメージは大きくなかったのかもしれないけど、守さんに見られてるって気付いた瞬間からもう気が気じゃなかったよ。

まあ結果、守さんのおかげで助かった訳だけど。


それに最後の作戦も、自分で提案しておきながらだけど結構危ない橋だったと思う。


今回私が考えた作戦は、私が怪物に近づいてトドメをさすというもの。

つまり守さんに囮になってもらうというものだった。



まずこれまでの戦闘から魔法は効果がある事が分かり、そして私のエアカッターは距離の問題も有り避けられるけど、守さんのロックシャワーは範囲が広い為避けきることができない事も分かった。


なので二人で魔法を打てばまず間違いなく防御を固めるだろうと思った。

その隙に私は守さんから剣を受け取り怪物の左側に向かって走った。

守さんは自身に注意を向けさせるため大声で叫びながら移動し、そして目論見通り怪物は意識を守さんのみへと向けてくれた。


後は走りながらヘイストの魔法を自分にかけ、完全に油断している怪物を後ろからバッサリというわけ。



それにしてもこのヘイストの魔法はやばいわ…。

全然剣を使ったことのない私でさえ、勢いに任せて振っただけの剣であれだけ綺麗に切れるなんて…。

ただの水でも勢いが上がるだけで石に穴を空けたりできるわけだし、ホント速いってことはそれだけで恐ろしいのね…。



まあ何はともあれ、これで10階層は無事にクリアね。

色々と気になるメッセージもあったけど、今はちょっとゆっくりしたいわ。


そう思い視線を横にずらすと、そこには同じように床に座り込んでいる守さんの姿が。

少し難しそうな顔をしていたけど、目が合うとニコッと笑い、一旦拠点に帰って休憩しようと言ってくれた。








◆◆◆◆◆



さて、拠点に帰ってきたわけだが。

流石に疲れたな。


時間的にはさほど経っていないんだろうけど、精神的にも大分疲れが溜まってるように感じる。

やっぱりボス戦というだけで、体が感じる緊張感は段違いだったんだろう。

俺としてはボス戦も大変だったのだが、その後のメッセージが気になって仕方ない。

10階層を攻略したことで色々と流れてきたんだが…。


そこでちらりとリコの方を見ると、リコも大分疲れているように見える。

前半の青神攻撃が結構きいてるのかもな…。



…まぁ、メッセージについて考えるのは後でもいいか。



俺の視線に気づいたのか、リコが笑顔で近づいてきて片手を高く上げた。

そして、同じように上げた俺の手と打合せ、拠点内にパァンと小気味良い音が鳴り響いた。


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