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ダンジョン攻略物語  作者: ノジー・マッケンジー
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ダンジョン46

2人で最大限に警戒をしてポータルを起動させたが、結果それは杞憂に終わった。


着いた先は岩の壁に囲まれた小さな部屋。

5階の転送機のある部屋と同じ作りである。


魔物が部屋に入り込んでいないことにとりあえずホッと一息つく。

そしてすぐさまマップで回りの状況を確認した。


どうやらこの10階、マップで見える範囲には魔物はいないようだ。

そっと部屋から顔を出し辺りを確認する。

左には先ほど降りてきた9階へつながる階段が、右には少し先に大きな扉がある。



そう、先程マップで見える範囲と言った理由はここにある。

この大きな扉、おそらく予想ではボス部屋ではないかと思われるが、扉から先がマップに表示されないのである。

9階のモンスターハウスでもきちんと部屋自体はマップに移ったことを考えると、ここはおそらく特別な空間。10階と言う数字から考えてもボス部屋である可能性が高そうだ。



ま、とりあえず今はこの部屋の事は置いておいて、9階がどうなっているかを先に確認しよう。





マップを開いたまま、体を低く屈めた格好で慎重にゆっくりと階段を上る。

10階から目視で確認できるところには魔物の姿は無かったが…。


階段を半分ぐらい上ったところでマップの表示が10階から9階へと変わる。

赤い光点は9階のあちこちに散らばって映っている。

それを確認した後すぐに俺たちは10階へと階段を降りた。


「どうも前回の余りは部屋に散らばったみたいだな。」


自分がマップで確認したことをすぐにリコに話す。

こういった情報の共有はすぐにしておかないといけない。

言ったつもりで言っていないというのが、後々大問題になることが多いからな。


とりあえず現状からこれからの作戦を立てる。

先ずは通路にいる魔物を近いやつから1体づつ倒していくしかないだろうな。

戦闘音を聞いて周りの魔物がリンクするかは試してみないと分からないが、やばそうなら一旦10階に戻る。そうすれば魔物が階層をまたいで移動できるかどうかの確認もできるし。

そして通路の魔物を全部倒したら今度は大部屋の中がどうなってるのか確認。

この時点で罠が復活してた場合の事も考えておかないといけない。


俺的に一番いいパターンは、出てきた魔物たちを全滅させるとモンスターハウスの罠が復活するパターンプラス、魔物たちは階層を移動できないパターンだ。

これならば、常に階段手前で戦うようにすれば安全だし、罠が復活することで大量にDPを稼ぐこともできるし。

多少戦闘は大変だが、魔物を探し回らなくても良いとなれば効率は大分上がる。

後は俺たちがレベルアップして大量の魔物を対処できるようになれば完璧だ。


と、先の事は一旦置いておいて、今は目の前の事を考えないとな。


先ずは第一の目標にして優先順位が高いのは部屋の確認、そして魔物が階層をまたぐかどうかの確認だ。


リコと顔を合わせ頷きあって、再び階段を上る。

登り切った先で早速こちらに気が付いた数体の魔物に向かってリコが魔法を放つ。

範囲魔法によって近づいてきた魔物は全て切り裂かれ、ぽっかりとスペースが開く。

前回のように魔物たちがひしめき合ってるわけではないので、一度範囲魔法を打てばその後に大分余裕がある。

しかし数体の魔物が倒れたことにより、比較的近くにいた魔物たちはこちらに狙いを定め襲い掛かってきた。

だが前と違い距離がある。

追加の魔物たちが近寄ってくるまでにはリコの魔法の準備はすでに終わっており、近づいてきた魔物たちは一瞬で光の粒へと姿を変えた。



戦闘が終り、次の魔物がいつ来ても良いように警戒し構えていたが、階段を上がってすぐの所で戦闘を行った為これ以上魔物がこちらによって来ることは無かった。



次に俺たちは魔物が階層を跨ぐかどうか確認するべく、魔物を1体だけをこちらにおびき寄せる事にした。

少しづつ進み、一番近くにいた魔物に魔法がギリギリ届かない場所から土魔法を放った。

狙い通り石の塊は魔物の手前の地面で弾け、それにより攻撃を受けたと感じたゴブリンが1体こちらに近づいてきた。


よし、作戦通り!


近づいてきたゴブリンの攻撃を剣で捌きながら、徐々に後ろへと下がる。

他の魔物がリンクすることも無く上手いこと階段まで誘い込むことができた。


まずは先にリコを下に行かせて、俺も隙を見て一気に階段を駆け下りる。

上を見上げると悔しそうなゴブリンの顔が見えた。


どうやら階層を跨いでの移動はできないようだな。


しばらくの間ゴブリンは階段の上をうろうろとしていたが、やがてあきらめたのか階段から離れていった。

俺はすぐさまその後を追い、階段を登り切った先でわざと声を出す。


「おい、こっちだ!」


声を聴いたゴブリンはすぐさまこちらに向きを変え、武器を振り上げながら近づいてきた。

俺はその場で腰を落とし、ゴブリンの攻撃を見定める。

向かってきた勢いそのままに振り下ろしてきた武器を少し横にずれて避け、そのまま移動し後ろを取る。

これで、階段・ゴブリン・俺の並びになった。

今度はこっちから攻める番だ。剣を振りゴブリンを追い詰める。

そして何度かの打ち合いの後ゴブリンの武器を弾き飛ばすことに成功した。


「よし、今だ!」


俺はそのまま剣で切り裂くことはせず、体当たりでゴブリンを階段の下へと突き落とした。



そう、俺がすぐにゴブリンを倒さなかったのはこれを確かめたかったからである。

さっきこいつは自ら階段の下に降りることはできなかった。

しかし俺が下にいることは理解しており悔しそうな顔までしていた。

これはどういうことかと言うと、ゴブリンは自分の意志で階段の移動ができない何かしらの理由があるという事だ。

ただ単にダンジョンのルールとして潜在意識に刷り込んである可能性もあるが、もしかしたら物理的に降りることができない可能性もある。

それを確かめたくてこんな戦い方をした訳だが、結果は目を疑うものだった。



俺の体当たりを受け体勢を崩し、そのまま階段下へと転がり落ちていったゴブリン。

途中までは普通に転がっていたが、階段の中ほどで急に光の粒へと姿を変え消えていった。

それはまるで見えない壁があるかのように、10階への侵入を防いでみせた。




しばらく唖然としていたが、何時までもこうしているわけにはいかない。

俺は10階に降りて、一旦拠点へと帰ることにした。

別にその場で話もできたが、せっかくすぐそばにポータルがあるので一度拠点に還り落ち着いてから話をすることにした。




拠点に戻り、人化したリコとさっきの事について話をする。


「まさか物理的に階層移動ができないとは思わなかったな…。」


「だね。でもこれで魔物が9階に留まってた理由は分かったね。うまく使えれば安全に戦闘もできるかも。」


「ああ、だが今のゴブリン、流石に経験値は入らなかったみたいだな。」


階段から落ちたゴブリン。残念ながら経験値もDPも入ってこなかった。

これでもし経験値かDPどちらかでも手に入るようなら楽して稼ぐこともできたかもしれないが…。


「それはしょうがないね。まあ、ある程度調べたいことも分かったことだし、今度はあの部屋の確認しにいこっか?」


「だな。じゃあリコのMPがもうちょっと回復したら行こうか。」



その場で少し休憩し、人化分のMPを回復させたぐらいで再びポータルを使い10階へと向かった。





ポータルの小部屋から出てすぐさま9階へ進む。

先程階段近くの魔物は全て倒していたから、すぐに戦闘ということはない。

通路を進みつつポツポツと残っている魔物を剣と魔法で倒し、モンスターハウスだった部屋を目指し進む。

罠が発動した直後は魔物が密集していた為大変だったが、今は階層全体にばらけているうえ数も減っているからピンチになることはほとんどない。

特に大きな問題もなく、大部屋の前までたどり着いた。





部屋の前で俺の顔を見ながら「どう?」と視線を送ってくるリコ。

目を凝らして部屋の中を見てみても、特に危険察知は反応しない。


「…大丈夫みたいだ。ひとまず、中に居る魔物を倒してしまおう。」


一応警戒しながら部屋の中に入り、中に居た魔物を倒していく。

さすがに通路よりは数が多いので、うまく通路に誘い込んだりして何とか全滅させることができた。


戦闘後、ぐるりと部屋の中を確認してみるも罠が復活している様子は見受けられない。

反対側の通路にも魔物は散らばっているので、少しその場で休憩をしてMPを回復させ、残りの魔物もすべて倒すことにした。







「これでラスト!」


最後に残ったガイコツを剣で倒し、その場でほっと息をつく。

モンスターハウスから出てきた魔物約200体、何とか倒しきることができた。


「時間は掛かったが、やればできるもんだな。」


俺が呟くとリコもうんうんと頷いてくれる。


「じゃ、帰るか。」


俺たちは元来た道を進み、10階のポータルを目指して歩を進めた。

そして辿り着いた大部屋の前。



「………………………。」


「………………………。」




目の前には前回と全く同じ、危険察知がビンビンに反応しており真っ黒にすら見える部屋。

リコも俺の様子を見て気付いたようで、微妙に困った顔をしている。


思わず天を仰いだが、その先には澄み渡る青空なんてものは無く、相も変わらず岩の壁。



「……アイテムで帰るか…。」


力なく頷くリコと共に、リストより交換した帰還の羽を使い、俺たちは拠点へと帰った。

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