ダンジョン33
無限箱のポイントを勘違いしていたので修正しました。
俺がスキルを共有させるとリコはいったんニワトリの姿に戻り、メニューとにらめっこを始めた。
しばらくたって、リコが顔をあげこちらに向かって鳴いた。
「コケッ?…」
何だろうと思い首を傾げていると、リコが人化して少し恥ずかしそうに話しかけてきた。
「人化するの忘れて喋ろうとしちゃった…。」
……何となくほんわかした気分になった。
気を取り直して、リコに気付いた点が無いか聞いてみる。
「で、見てみてどうだった?」
「あ、うん。最初見たときはリストの数に驚いちゃったね。とりあえず気になるスキルはピックアップしといたよ。」
お互いに、できるだけ早く取りたいスキルや必要そうな物の確認をしていく。
「やっぱり今のところはスキルより生活面を充実させたいよねー。」
「そうだな。せめて毎日お米が食べれるような生活をしたいな。」
あれこれ話をして、結局スキルよりも生活レベルを向上させるものを優先して取ることに決めた。
やっぱり日々のモチベーションって大切だと思うんだ。
だが1つだけ、何よりも最優先して取ろうと2人で決めたスキルがある。
それがこれ。
スキル『MP自動回復』 レベル1 1000p
現在MPの回復は拠点内でしかできないが、このスキルがあればダンジョン内でもMPが回復できるようになる(はず)。
俺にしてもリコにしても最大MPは少なく、今の階層での戦い方からするとMPはいくらあっても足りないぐらいだ。
MP回復や消費軽減、または最大MP増加等が急務であった訳だ。
1000pと少し高めだが、今の俺たちならそんなに時間をかけずに貯めれるはずだ。
先ずはリコに、次に俺が取ることに決めた。
思考の隅に追いやられている無限箱についても、そろそろ取ることを考えてもいいかなと思っている。
無限箱に必要なポイントは、元が1pなら100p、10pなら1000pだ。
5階のポイントの貯まり具合によっては元が20p~30p位のもので使えそうな物なら取ることを視野に入れてもいいだろう。
まあ、今回取れなかったとしてもそう遠くない内に取れるようにはなるはず。
それがお肉の皮だけとか、野菜の切れ端とかであったとしても、あるのとないのでは気持ちの持ちようが違うからな。
ま、無理してそのレベルのを取るよりは他を先に取った方が良いだろうから、優先順位は低いがな。
ともかく、これからの目標としては5階もしくは4階でDPを貯めて生活レベルを向上させることだな。
予定が決まったところで、今日は休むとしよう。
リコも毎晩のように人化のレベル上げに勤しんでいるようだが、明日に影響が出ないように程々にな。
次の日。
ここ2日はリコが人化状態で起こしてくれたが、今日は起こされるより前に目が覚めてしまったようだ。
少し残念に思いつつも、寝たふりをしてまで起こしてもらおうとも思わないので体を起こし伸びをする。
ふと視線の先で、リコ(人化)が蹲っているのが見えた。
「?おはよう、どうかしたのか?」
俺の問いにビクッ!と体を震えさせ、慌てたように答える。
「な、何でもないの!何でも!」
そう言いながら手を体の前でバタバタさせているリコの顔は真っ赤になっていた。
……また何かしようとしてたな。
掘り下げて聞いてもあまりよろしくない予感がするので、とりあえず何もなかったかのように接してあげる。
「起きたなら朝飯食べるぞ。」
2人で朝食を食べ準備を整えた後、転送機能を使用して5階へとやってきた。
今日午前中の予定は5階の探索だ。
いつもと同じように辺りを警戒しつつリコと共に探索を始める。
少し進み、昨日4体のガイコツと戦闘した場所にやってきた。
場所が分かっていたので戦闘準備をしつつ進んでいたが、昨日いたはずの場所にガイコツがいない。
リコと顔を見合わせ考えるも答えは出ない。
念のため周辺を探してみるもガイコツは見つからなかった。
気にはなるが分からないのでしょうがない。
とりあえず先に進むことにした。
また少し進むと今度は昨日何もいなかったはずの場所にガイコツが4体いた。
剣が1体とナイフが3体か?
昨日遭遇したのは剣2体ナイフ2体のセットと、剣3体ナイフ1体のセットだったはずだ。
今俺たちの目の前にいるセットとは出会った記憶は無い。
道もここまで1本道だったからどこかから移動してきたとも考えにくい。
少し混乱しつつも、向こうがこちらに気付いたので魔法の発動準備をする。
サクッと倒してリコと顔を見合わせる。
身振り手振りでリコが人化していいかと聞いてくるので頷いて人化してもらう。
これは一回意見を聞いておいた方が良いだろう。
「どう思う?」
人間の姿となったリコに問うてみる。
「うーん…、多分だけど、5階はランダムリポップなんじゃないかな?出現場所も構成も変わってたし。」
ランダムか…
今までは魔物が出てくるポイントも出てくる構成も全く一緒で、なおかつリポップしてからもその場から魔物が移動することはほぼ無かった。
唯一こちらを発見した時に襲い掛かってくる時ぐらいだ。
しかしこの5階は、昨日魔物がいた場所に今日はおらず、逆に昨日いなかったところに今日はいた。
しかも構成が全く違う。
2人で思いついたことを色々と話してみたが、結局今の時点でははっきりとしたことは分からないので、もう少し進んでマップを確認しながら考えようということになった。
探索済みの場所が増えれば、後はマップ上で確認が可能だからな。
リコにニワトリに戻ってもらって5階の探索を進める。
人化でMPを使ったので、がっつりと探索ではなく、ある程度の確認で終わるつもりだ。
出てくる魔物はこれまでと変わらず、武器持ちのガイコツが4体セット。
中盤位まで進めば変化があるのか?
感覚で大体30分ぐらい経ったので、一旦引き返しポータルのある部屋まで戻る。
これで丁度1時間ぐらいだから、マップを確認すれば敵のリポップした場所が分かるだろう。
小部屋に着くちょっと前からマップを開き確認しながら歩く。
部屋に着くまでの間には新たに魔物は湧かなかったので、一旦部屋の中で魔物がリポップするのを待つ。
ちなみにマップ上で、昨日最初に戦闘した場所と今日戦闘した場所のマーキングはしてある。
小部屋に戻ってきて、大体5分ほど過ぎたころだろうか。
マップ上に赤い光点が現れる。
「出た!」
今すぐその場へ行こうとして立ち上がる俺を、リコが突いて止める。
…そうか、移動するかどうかも確かめないとな。
しばらくマップを見ていると、赤い光点は僅かにだがダンジョンの奥側へ進んでいる。
これはもう決まりかな?
リコと頷き合って、その場所まで走る。
魔物が現れた場所は、昨日最初に戦闘した場所よりも大分こちら寄りの、階段から歩いて1分ほどの場所だった。
歩いて1分と言うことは、走って数秒。
俺たちの目の前には、剣を持ったガイコツが4体。
こちらに気付く前に奇襲をかける。
相変わらず先に魔法で数を減らす作戦だが、リコも前衛に慣れてきたようで、大分余裕をもって動けているように見えた。
魔物を倒した後、俺たちは一旦拠点へ帰ることにした。
いつもよりだいぶ早い時間ではあるが、これはきちんと話し合っておかないといけないだろう。
拠点に帰り、リコのMPが回復するのを待って話を始める。
「これはもうランダムリポップってことで決定かな。」
「うん。百パーセントとは言い切れないけど、今のところはそう考えといていいんじゃないかな?」
「だとしたら5階で周回するのはしんどいな。ポイントは減るが4階で周回か…。」
「そうだね…。もっと先に進めば話は違うんだろうけど、今の時点なら4階を回った方が効率良いかもね。」
ランダムで魔物が復活するということは、その言葉通り魔物がリポップするときにどこに出てくるか分からないということだ。
俺の言う周回とは、先に起こる事が分かっていてそれを繰り返す事で効率を上げるものなので、先に起こることが分からないランダムと言うのは非常に効率が悪くなる。
それならば、一階の戦闘で手に入るDPが多少少なくなっても、固定で現れる4階で周回した方が精神的にも良いだろう。
「じゃあ、とりあえず今日は4階のまだ通ってない道を通って、マップを完成させることを目標にするか。」
5階に着いてポータルを見つけて、大分効率も上がると思っていたが…。
ま、世の中うまく行くことばかりじゃないよな。




