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ダンジョン攻略物語  作者: ノジー・マッケンジー
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丹羽 莉子

検索キーワードに「人外転生」を追加しました。

「だから!嫌だって言ってるでしょ!?」


「はぁ!?俺が来いって言ってるんだから来いよ!一緒にいいことしようぜ?」


「嫌だってば!手を放してよ!!」


「痛ぇ!!このやろ…待て!そっちは!!」


「え…?」



キキィィィイイ!!!!!ドォォオン!!!








私がこの世界で最後に見たものは、しつこいナンパ男の金色の髪の毛と大型トラックを運転していたおじさんの驚いた顔、そして迫りくるトラックにこれでもかと装飾されたライトの光だった。














私の名前は丹羽理子。大学3年生。

小学校・中学校の時のあだ名はニワトリ。又はトリ子。

苗字と名前の間に「と」を入れて、ニワトリコ。小学生の付けるしょうもないあだ名ね。

当時は嫌で嫌でしょうがなくて泣いてた日もよくあった。

高校に上がってからは流石に表立って言われることは無くなったけど。


兄弟はおらずお父さんとお母さんとの3人家族。

裕福でも貧乏でもなく所謂普通の家で、お父さんはサラリーマン、お母さんはパートの仕事をしている。

1人暮らししちゃうと家が大変だから、家から通える地元の大学に入って、学費の足しにしてもらう為に私もバイトをして生活していた。

彼氏は今までいなかったけど、親と喧嘩することも無く割と楽しく生活してきたつもり。



そして、どうやら私は世間一般ではどちらかといえば美人な方らしい。

自分自身ではそんな風に思ったことは無いけど、まわりの友達が言うには、


「こんなに可愛いのに彼氏がいないなんてもったいない!!」


だそうだ。


確かに高校ぐらいから胸も大きくなってきて、街を歩いていると男の人に声を掛けられることも増えたけども。

でも実際中の良い男友達もいるけど、付き合うってなったら何か違うんだよねぇ。ピンと来ないというか…。

そんなことを考えていたら気が付けば、彼氏いない歴=年齢のまま二十歳を過ぎてしまった。

同じ大学の地元の友達もどんどん彼氏が出来て、中には私の事を「理想が高すぎる」とか「お高くとまってる」とかいう人もいたけど、自分じゃそんなつもりないんだけどね…。


それに普通の女子と比べて私の趣味は変わってるから、素を出すとちょっと引かれちゃうっていうか…。

一回仲の良い子にゲームの話をチラッとしただけでドン引きされちゃってから、本当の素を出すのがちょっと怖くなっちゃったんだよね。


実は私は、同世代の女子が好きなアイドルやブランドなんかには一切興味がなくて、休みの日には外に出かけず一日中家の中でゴロゴロしていたい人間なの。


小さいときからゲームが大好きで、世間一般からしたら重度のゲーマーって呼ばれておかしくないレベル。一日の内寝る時と食事の時以外はずっとゲームしていて平気なぐらい。むしろ食事中でもお風呂に入りながらでもするかな。

さすがに睡眠時間削って遊んでた時はお肌にダメージが大きかったから気をつけるようにはなったけど…。


他にはネットで異世界転生や転移系の小説を探して読むのも大好きで、特にレベルやステータスとかの設定があるのが好き。

ストーリーがしっかりしているものは、読みながら1本のRPGをしている感覚になれるから。

最近ハマってるのは人外転生物で、進化を繰り返して成り上がっていく物語。

あのちょっとずつ強くなっていく過程が好きなんだよね。



とまぁ、こんな感じで普通の人と話してもあんまり話が合わないことも多いの。

一応ある程度の話を合わせるのは出来るけど、アイドルの話なんかになったらもう全く駄目ね。


かといって話の合いそうな一般的にオタクと呼ばれる人たちは、どちらかというと女の子と話すのに慣れてない人が多いみたいでなかなかお話しする機会がないんだよね。話せばきっと盛り上がると思うんだけどなぁ。


さっきナンパしてきた人なんてもう論外ね。

しゃべり方からして自己中心な性格が駄々洩れだったし、サングラスで隠してたつもりだろうけど視線は私の胸ばっかり見てたわ。ああゆうのは絶対ゲーマーを見下すタイプね。


金髪に黒いサングラスかけて、お前はクワ〇ロ大尉かって話よ。

いや、大尉はかっこいいし好きだけどね。















とまぁ、自分の事についてつらつらと説明してみた訳だけれども…、何故こんなことをしているかというと、つまりは私、絶賛現実逃避中なのでありますよ。


「………コケェ…。」


いくら何でもニワトリはひどいと思うんだよね。昔のトラウマ抉りまくりじゃん。






そう、私はしつこいナンパ男から逃げた先でトラックに轢かれ、そしておそらく人外転生という形でニワトリに生まれ変わったようだ。

わざわざニワトリを選ぶ当たり、こちらをおちょくってるとしか思えない。


しかしここはどこなんだろう。

もし私が転生物の小説を読み漁ってなかったら、パニックって何もできないままに魔物に食べられちゃうところだよ。




さっきまで現実逃避していたことは棚に上げて、とりあえずこれからどうしていくかを考えなきゃ。

とりあえず、まずはこういう場合のお約束を試してみようかな。


「コケェ!(ステータスオープン!)」


……そういえば私、しゃべれないのよね。


念の為、「メニュー」や「アイテムボックス」「鑑定」など、ありがちなワードを唱えてみたり(全部コケェとしか発音できないけど)頭の中で念じてみたり、他にも動作によって何か起こらないかと思い指(羽?)を動かしたりしてみたけど、どれも効果なしだった。

あうぅ…、やっぱりチートスキルなんてないのね…。


一通り試したけれど結果は御覧の通り。

さてどうしようかなって思いキョロキョロしていると、何とさっきまで誰もいなかったはずの場所に男の人がいた。


「コケッ!?(誰!?)」


その人は私を見て警戒しているようで、じりじりと近づいてくる。

私は突然の事に戸惑い軽くパニックになってしまった。


『ちょ、ちょっと待って!まだ何にも頭の整理がついてないのにいきなり人に出会っちゃったよ。私どうしたらいいんだろう。というかこの場所での私の立ち位置って!?いきなり魔物と思われて襲われてらどうしよう!?』


逃げるべきなのか戦うべきなのか、むしろ自分が戦えるのか。

色んなことが頭をめぐり、もう訳が分からななっていたその時、その人が私に話しかけてきた。


「おい、そこの…ニワトリ?でいいのか?」


まさか話しかけられると思っていなかったので、ビクッ!っと体が震えてしまう。

とりあえずすぐに襲ってくるわけではなさそうなので、少し心を落ち着かせてゆっくりと振り向いた。


「俺の言葉が理解できるのか?」


そう問いかけてくる彼にとりあえず軽く頷く。


「今のだと頷いたのかどうかわからん。理解できてるならくちばしで地面を一度突いてくれ。」


くっ!感覚が人間と違うから難しいんだよ。でもちゃんと理解してることは伝えなきゃ。

言われた通りに地面を突く。

うぇ、地面に口付けって変な感じ…。でもとりあえず言葉を理解していることは伝わったかな?


彼はそんな私の様子を見て色々と考えてるみたい。


「一応聞いてみるが、お前は何者だ?」


私?元人間で今はニワトリで…、結局今の私って何なんだろう…?

まだ自分でもよくわかってないのに改めてそう聞かれると、今の自分が普通じゃないことを突き付けられてるみたいで落ち込んでしまう。


そんな私の様子を見て彼はなんだか困った顔になった。

例えるなら、滅多に会わない甥っ子や姪っ子が突然泣き出してどうしたらいいかわからないようなそんな顔。

だが次に彼が発した言葉は逆にこちらを慌てさせるものだった。


「俺はこのダンジョンを探索し攻略することを目的にしている。お前は俺の前に立ちはだかり危害を加えるつもりがあるか?」


いやいやいや、滅相もない!

わざわざこんな怪しいニワトリに話しかけてくれる人に危害を加えるなんて、そんなことするわけないじゃないですか。

そう思い、思いっきり首を左右に振る。


「ならここから立ち去り、俺の前に姿を現さないようにしてほしい。でないと次に会った時にはおまえを倒してしまうかもしれない。」


続く彼の言葉を聞き、私は絶望で目の前が真っ暗になった気がした。

何故出会ったばかりの人が相手なのにここまで絶望感に苛まれたのかは分からないけど、この時何故か今この人に見捨てられたら私はもうおしまいだと思ってしまった。

何とか、何とかできないかと必死で頭を回転させるも、彼が言った言葉から私の事を考えて言ってくれた言葉だという事が分かり、何も言えなくなってしまう。

自分じゃあどうしようもできなくて、泣きたくなってくるけど今の姿じゃあ涙も出ない。





しばらくたって、一向に動こうとしない私に痺れを切らしたのか、はたまた同情したのかは分からないけど、彼が近づいてきて、それでも視線を合わさずに言った。


「…もし、もし俺に迷惑や危害を加えないって言うのであれば、一緒に付いてきてもいいが…どうする?」


この言葉で私の目の前がパァっと明るくなった気がした。

ここでツンデレ!?いやいやそれより今はこのチャンスを逃すわけにはいかない。

また彼が心変わりしては困るので、私は必至で首を縦に振り危害なんか加えないよと出来るだけ可愛くアピールした。まあ、ちゃんと伝わっていたかは分からないけどね。

でもそんな私を見る彼は「ま、しょうがないか」とでも言いたげに苦笑していた。


…やっぱりツンデレか。





かくして、私は彼と生活を共にするようになった。

最初は年頃の男女が一緒に生活することにドキドキしたけど(←彼氏いない歴=年齢)、私今ニワトリだったわ。人間とニワトリとのロマンスとかちょっと壁が高すぎる。

もし向こうから迫られたら逆にドン引きしちゃうね。

まあ悪い人ではなさそうだし、どっちかというとこんなニワトリ相手でもなんだか気を使ってくれて、根は優しい人なのかな?ちょっとは信頼してもいいかも。








これが私が感じた彼の第一印象。

そして私と彼の最初の出会いだった。

感想でリコの正体についてドンピシャで当てられ非常にドキッとしておりました。

一応王道系を目指しているので先が読みやすいのかもしれませんが…。


これからもちょこちょこと各キャラについての話も書いて行きたいと思います。

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