ダンジョン20
パーティを組んで、改めて探索を再開する。
2階に向かう道を進み、途中出会ったガイコツはニワトリだけで戦ってもらった。
やはり先程はパーティを組んでいなかったのが原因だったみたいで、今度は俺にも経験値が入ってきた。
これなら俺が戦ってレベリングすることもできるな。
ま、慣れてもらう為に一階層では一人(一匹)で戦ってもらうが。
しばらく進み、ふと思い出した。
「あ、そういえばまだ名前決めてなかったよな。」
先程NO NAMEとなってるのを見て思ったのだが、すっかり忘れていた。
見ると嫌がってる感じは無いので、とりあえず考えてみることにする。
ニワトリでメスのはずだから、ニワ子、トリ子、しろ、ホワイト…。
ちらりと顔を見ると、少し期待したような顔をしている。
……これは適当な名前は付けれない…。
白、城、キャッスル、キャッシー、キャサリン、ナンシー、ジェニファー…。
だ、だめだ、どれもこれもなんか違う。
こ、こうなったらしょうがない。
「よ、よし、お前の名前はリコだ。」
ニワトリだからトリ子、とを取ってリコ。
思いついた中では一番違和感が無い。…はず。
さて、反応はと…?
ニワトリはなんだか驚いたような顔をしてこちらを見ている。
「…気に入らなかった…か?」
恐る恐る聞いてみると、ハッとした表情になり、ぶんぶんと激しく首を左右に振った。
そしてなぜか決意を固めたような雰囲気で頭を下げてきた。
「…?お、おう、宜しく頼むぞ?」
何だかよくわからないが、彼女の名前は『リコ』に決まった。
名前を決めて、俺とリコはダンジョンをさらに進む。
道中のガイコツはリコが倒し、問題なく2階層にたどり着く。
「さて、ここからはガイコツも2体以上で出てくるから俺も一緒に戦うぞ。」
そう言ってマップを見ながら進んでいく。
2階層に入って一番最初に出てくるガイコツ。
まだここでは2体しか出てこないので、俺たちは同じタイミングで一気に加速しガイコツにぶつかる。
俺がぶつかったガイコツが地面に倒れ、光の粒となったのを見届けてリコの方を見てみると、丁度ガイコツが地面へと倒れていくところだった。
やはり1体2より2体2は相当楽だ。
今までは一体倒した後も気を抜けなかったが、今は完全に一体を任せておけるので余裕が全然違う。
問題なく戦闘を終了し、リコにねぎらいの言葉をかけてさらにダンジョンを奥へと進む。
次に出てきたガイコツも2体だった。
先程と同じように1体づつ相手をして倒す。
【 経験値2を得た 】
【 2DPを得た 】
【 リコ のレベルが上がりました 】
おっ?と思いメニューで確認する。
RACE ニワ・トリ
NAME リコ
Lv 2/10
HP 5/10
MP 0/1
STR 5
VIT 4
INT 5
MID 4
SPD 5
DEX 5
LUK 4
上昇値は俺と同じで1づつか。
確か種族によって上昇値は違うと書いてあったはずだから、レベルが高くなったら変わるのか、又は進化したら変わるのかもしれない。
ステータスが上がればリコもガイコツくらい一発で倒せるようになるだろう。
では、引き続き探索を続けよう。
ガイコツ2体は問題なく倒せて進めている。
3体になってもさほど変わらず、奇襲をかけてそれぞれ1体づつ倒し、先に倒した方(ほぼ俺)がもう一体を倒す。
そうして進んでいき、リコに出会った場所辺りまでたどり着いた。
そこから先も特に変わったことは無く、2体又は3体で現れるガイコツを倒しながら進み、3階層への階段を発見した。
この間、リコのレベルがもう一つ上がりレベル3になった。
RACE ニワ・トリ
NAME リコ
Lv 3/10
HP 5/15
MP 0/2
STR 6
VIT 5
INT 6
MID 5
SPD 6
DEX 6
LUK 5
どうもリコのレベルアップのタイミングは俺の時とは違う気がする。
やはり種族によって必要経験値も違うのかもしれないな。
3階の階段を前にして、とりあえず降りてみようと思いリコの方を向くと、「降りるの?」といった感じで首を傾げていた。
「奥に行けば行くほど手に入るポイントも増えるはずなんだ。無茶をするつもりはないが、問題なさそうなら先に進もうと思う。」
そう言うとリコも納得した感じの表情(多分)をして、階段に向かって歩き始めた。
俺も一緒に階段へと進む。
階段を下り3階へ到達。
やはり見た目は1階・2階と変わりは無く洞窟だった。
2階層をほぼノンストップで探索していた為、階段を降りた所で少し休憩を取る。
メニューがリンクしている為ダンジョン内でもポイントの交換ができるので、普通の水を二人で分けて飲む。
10分ほど休憩した後、三階層の探索を始める。
作りは2階層と同じ様子で、分かれ道が有ったり行き止まりが有ったりだ。
少し進むと魔物がいるのを見つけた。
ガイコツが2体と…初めて見る魔物だ。
そいつは宙を浮いており、淡い光を放っている。
光の玉?というべきか。例えるなら、ゼ○ダの伝説にでてくるナビキャラの妖精の羽が無い感じだ。
色は白く、大きさも直径2~30センチぐらい。
ガイコツと一緒にいるということは間違いなく魔物のはず。
どんな動きをしてくるか分からないので最初は慎重に行く。
「あの光の玉は初めて見る。だから先ずは2人で奇襲をかけてガイコツ2体を倒そう。そして様子を見ながらあの光の玉を倒そう。」
そう言うとリコはコクリと頷いた。
二人一緒に加速し奇襲をかける。
今さらこちらに気付いていないガイコツなんかに後れは取らない。
あっという間にガイコツ2体は光の粒へと姿を変えた。
そして光の玉へ向き直ると、奴は自身をピカピカと点滅させた。
何かしてくるか?と思った次の瞬間、奴より一回り程小さい光の玉が生まれ、こちらに向かって飛んできた。
近かったこともあり避けきれず、手をクロスさせ受ける。
思ったより衝撃は無かったが、思いっきりボールをぶつけられたぐらいの痛みはあった。
「魔法か!?」
思わず叫ぶ。
今の見た目やくらった感触からすれば、俗に言う無属性の魔法の玉ってところか。
もう一発食らうわけにはいかないので、すぐさま近づいて光の玉を殴る。
すると何かにぶつかったような感触は一切無く、手は奴をすり抜けてしまった。
ギョッとして、すぐさま手を引きバックステップで距離を取る。
俺が下がっている間にリコも玉に向かって体当たりをするが同じようにすり抜けてしまう。
これはまさか……
「リコ!逃げるぞ!」
そう言うと俺は光の玉に背を向けて走り出す。
リコもすぐさま体勢を立て直し俺の後に続いて走る。
時折振り返りながら走るも、光の玉は最初追いかけてくるそぶりを見せたが、途中からは追いかけてこなくなった。
階段まで戻り、息を整える。
「ふぅ、おそらくあいつは物理的な攻撃は効かないタイプの敵だろうな。」
俺がそう言うとリコが頷く。
ゲームでも物理攻撃無効・魔法が弱点って敵や、逆に、魔法無効・物理が弱点って敵もいる。
奴もおそらくそのタイプなんだろう。
これがダンジョンの深い所になれば、物理も魔法も効かず、特定の方法でないと倒せないような魔物がいてもおかしくないだろうが、ここはおそらくまだ浅い所だ。
そんなに特殊な敵はまだ出てこないはず。
………死神は別枠で。
で、そう考えるなら奴は魔法のみ効くと考えた方が無難だ。
リコも同じ考えのようで、対策を考えてるような顔をしている気がする。
ってかやっぱり賢いな、こいつ。
物理が無効だと理解して俺の指示をすぐに聞いて撤退。魔法についての考察もごく自然に頷いてくれたし。
ま、リコの事は置いておいてこれからの事だが、あいつが魔法しか効かないのであればこちらが魔法のスキルを得る必要がある。
リスト内には確かに魔法の文字もあったが…。
とりあえず今日は時間も結構使ってるし、行ったん拠点に帰ることにしようか。




