ダンジョン19
ダンジョンに入り、とりあえずニワトリの強さを確認する為ガイコツのところへ向かう。
「この一階はガイコツが一体づつしか出てこない。だからお前がどれくらい戦えるかをまず見せてもらおうと思う。」
気合満タンの表情(多分)で俺の隣を進むニワトリ。
歩幅が全然違うので、いつもの半分ぐらいの速さで進む。
ほどなくして、ガイコツのおころへたどり着いた。
「じゃあ、あいつを相手に戦ってみてくれ。俺はここで見ている。」
コクリと頷き、ニワトリは一気に加速してガイコツへと近づいていく。
そしてその勢いのままガイコツに体当たりした。
流石にニワトリがぶつかったぐらいでは倒れなかったガイコツは、その手を振り上げニワトリを仕留めようと振り降ろす。
しかしニワトリはその手が届くより先に後ろに回り込み、今度はひざの裏辺りをめがけてぶつかった。
丁度「膝カックン」の要領で、ガイコツはバランスを崩し後ろに倒れた。
迫ってくる背骨をギリギリ避けたニワトリの目の前で、骨はバラバラになり光の粒へと姿を変えた。
俺はその様子を見てほっと一息つく。
流石に助けたばかりの奴をすぐに魔物に殺されてしまっては非常に目覚めが悪い。
何とか倒せてよかったと思う一方で、やはりあのニワトリ、相当賢いと思った。
最初の体当たりの時点で自分の攻撃では一発で倒せないとわかり、すぐさま諸そうな部分に焦点を切り替えた。
人間でもここまですぐにできるやつの方が少ないだろうに、このニワトリ…。
ニワトリの予想外の賢さに戦慄がはしる俺の元に、嬉しそうにニワトリが帰ってきた。
まるで「褒めて褒めて!」といわんばかりに、キラキラした目で見上げてくる。
もしこれが犬であれば間違いなくしっぽが千切れんばかりに振られているであろう、そんな感じだ。
「よしよし、よくやった。これならガイコツは問題なさそうだな。」
そう褒めてやると嬉しそうな顔(多分)をする。
ニワトリの表情なんか、まだよく分かりません。
さて、問題なく戦闘を終えたわけだが、近くにいた俺には経験値は入ってない。
これはニワトリのみに経験値が入ったとみていいだろう。
まあ一応一緒にいるが、パーティを組んだわけでもないし流石に経験値が流れてくることは無いか。
ゲームならパーティを組んで経験値が皆に入るってことになるんだろうが、今俺とニワトリはシステム的に見たらどうゆう関係なんだろう。
気になってニワトリを見つめていると、向こうも不思議そうにこちらを見つめ首をかしげる。
「ああ、いや、一緒に来たはいいが、パーティ…、チームを組んでないなと思ってな。」
理解するかどうかは分からなかったが、とりあえず思ったことを口に出す。
するとニワトリは「あ~。」みたいな顔になり、
【 条件を満たしました 】
【 種族 ニワ・トリ 固有名 無し をパーティに勧誘します 】
突然聞こえてきたメッセージにビクッとする。
見るとニワトリも一瞬ビクッとしてこちらを見つめる。
【 種族 ニワ・トリ 固有名 無し がパーティに参加しました 】
【 スキル メニューに新機能が追加されました 】
しばしお互いの間に沈黙がながれる。
と、とりあえずメニューを見てみよう。
この空気に耐え切れずにニワトリから視線を外してメニューを開くと、【仲間】の欄が増えていた。
【仲魔】ではないな。あぶないあぶない…。
中を開くと先ほど聞こえた「種族ニワ・トリ 固有名無し」の文字があった。
「あー、そういえば名前がまだだったな。」
思わずつぶやいた俺の言葉に反応してビクッとなるニワトリ。
そうか、もしかしたら俺以外にはこのメニューは見えないのかも。
向うからしたらずっと静かだったのにいきなりしゃべられたらビクッとなるわな。
心の中で謝りつつ、メニューについて簡単に説明をする。
そして説明しながらメニューを見ていて気付いた事を聞いてみる。
「メニューについてはそんな感じだな。で、今追加された仲間って欄を開いたら、お前のステータスの閲覧許可が有りませんって出たんだが、何かわかるか?」
そう、メニュー内でニワトリのステータスが見れなかったのだ。
許可が有りませんってあるので、許可さえあれば見れるのかと思いニワトリに聞いてみたが…。
【 種族 ニワ・トリ 固有名 無し よりステータス閲覧許可が出ました 】
やっぱりこのニワトリ賢すぎだと思う。
さて、許可を得たのでステータスを見てみる
RACE ニワ・トリ
NAME NO NAME
Lv 1/10
HP 5/5
MP 0/0
STR 4
VIT 3
INT 4
MID 3
SPD 4
DEX 4
LUK 3
内容はほぼ俺と同じ。
ステータスも俺がレベル1だったころと比べて若干低いぐらい。
RACEは種族って意味だろう。
そして気になるのはレベルの横に『/10』とあることだ。
おそらく最大レベルって意味か?
となると、問題はレベル10になったときにどうなるかだな。
ゲームでは条件を満たしたら進化するものもあるが、もしかしたらそれ以上強くならない可能性もある。
よし、こういう分からないことはヘルプで調べるに限るな。
『/10』の部分を選択しヘルプで調べてみる。
現在レベル/最大レベル
最大レベルに到達すると、種族によっては進化の道が開かれる。
進化先は種族によって決まる。又、それまでの行動などによって特殊な進化先が現れる場合もある。
なるほど、進化有るのか。
もしこいつが最大レベルで成長が止まるなら、最終的に留守番にせざるを得なかったがこれなら大丈夫か。
とりあえず今得た情報を伝え、強くなるために頑張ろうというとニワトリは決意に満ちた顔をして、力強く何度も頷いた。




