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メランコリック・ヴァンパイア  作者: しーやん
第一章 目覚め編
3/36

吸血鬼、困惑

 ピピピピ、ピピピピ


 目覚まし時計の音が響く。ヴラドは手を伸ばしてそれを止める。毎日朝六時に起きるのは夜行性の吸血鬼にとって苦手なことの一つだ。ヴラドも例外ではない。


「ふああ、眠い……」


 かみ殺しきれない欠伸をしながら、遮光カーテンを開けると眩しい朝の光が差し込んで、少し気分が悪くなった。けど仕方なく制服を着る。天気さえ曇りなら学校はもっと楽しいのに、とヴラドは毎日思っているがそう上手くはいかない。


 身だしなみを整え終わり、次は鞄を用意する。昨日出た課題はすべて終わらしたし、予習復習も完璧だ。このまま順調に卒業まで行きたいところだ。二十年くらい前に高校に通いだしたときは、なんとなくつまらなくなって結局途中でやめてしまったから、今回はなんとか卒業したい。大学に進学してみるのもいいかもしれない。そのまま普通に就職したりなんかして、あの有名な社畜というものを体験してみたい。一体日本の正社員がどれだけ身を粉にして働いているか、身を以て体験してやるのも面白そうだ。なんてことを考えながら、部屋を出て戸締まりをする。


 ヴラドは日本が気に入っている。理由は治安のよさだ。二階建てのありふれたアパートの二階の突き当たりが今のヴラドの家だが、防犯設備などは無いに等しい。それでも寝るだけだから問題ないし家賃も高くなく、本人は気に入っている。吸血鬼は棺に寝ていると思われがちだが、必ずしもそうではない。持ち運びが大変でしかも場所をとるからヴラドは十八世紀中頃に古物商に売ってしまった。


 階段を降りたところに大家のおばさんがいた。小さな花壇の手入れをしている。ヴラドが笑顔で挨拶をすると大家も人の良い笑顔を浮かべた。


「おはようございます、大家さん」


「あら純平くん、おはよう!いってらっしゃい!」


「いってきます」


 気の良い老婦人で、毎朝の挨拶は日課だ。


 ここから歩いて十五分の所に最寄り駅があり、電車に乗って十分で学校の一番近くの駅に着く。


 ホームで電車を待っていると恭弥にあった。


「おっはよー!」


「おはよ」


「あのさ、いきなりで悪いんだけどさ……」


「課題だろ?」


 ヴラドはさっと鞄から、昨日仕上げた課題を出す。


「ほんとワリい……」


 本当に悪いと思っているのかいないのか、一応申し訳なさそうな表情の恭弥は毎朝課題を写させてくれと頼んでくる。それも人間らしい行為だと思うし、なんだか優越感に浸れるのでつい貸してしまうヴラドだったが、こいつのためにそろそろ一言言ってやるべきか。なんなら一緒にやってもいいと思っている。


 そこへ電車が来た。この時間の電車は人が多い。


「今日さ、中間テストの結果発表だよなー?」


「そうなのか?」


 宮島大学付属高等学校は今時珍しく、学年ごとにテストの結果を貼り出す。それも上位五人だけ。


「頭のいい純平にはどうでもいい話かもだけどさー」


「どうでもいいわけじゃない。俺が一番に決まってる。恭弥は忘れてるかもしれんが俺は特待生なんだよ」


「すごい自信だな」


 全く表情を変えずに言い切るヴラドに苦笑いする恭弥。特待生は年に何回かの定期テストと、たまに行われる実力テストで上位五番以内に入り続けなければならない。入学してすぐにあった実力テストでは一番だったし、今回の中間テストもそこまで難しくはなかった。吸血鬼としてヴラドはムダに長生きをしている訳ではないのだ。


「恭弥はまた赤点補習組か?」


 恭弥は前回二教科も赤点だった。


「おい!笑いを堪えてる感が滲み出てるぞ!!」


 堪えきれなくて声を出して笑うと、恭弥がすねた顔をする。


「だからってあからさまに笑うなよ!?」


「隠すよりはいいかと……フフ」


「お前な……」


「また補習なら俺が教えてやるよ」


「マジか!?」


「ああ、マジだ」


 恭弥は本当に嬉しそうにヴラドの手を握って目を潤ませる。


「サンキューな!!」


「わかったから手を離せ」


 端から見たら凄く違和感のある光景だろう。


「やっぱり持つべきは賢い友人だな!!」


 心から嫌な顔をしてみせるヴラド。これがかわいい女の子なら嬉しいしシチュエーションだけど、男にされても嬉しくはない。


 車内のアナウンスが停車を告げる。二人の降りる駅だ。


 学校までは十五分くらい徒歩だ。この時間は宮高の生徒でいっぱいのいつもの道。頭上をヘリコプターが飛んで行く。ヴラドはヘリコプターなどの空を飛ぶ機械が大嫌いだ。もちろん原因は第一次世界大戦で故障した飛行機のせいで死にそうな目にあったことだ。あれから飛行する機械は信用できないでいる。


「こんな朝早くにヘリが飛んでるのって珍しくないか?」


「……そうだな」


 ヴラドは適当に答えさっさと目をそらした。


 教室に着くとヴラドはある事に気付いた。今日は彼の日直当番だ。課題を集めて各担当教師のところへ届けなければいけないが、恭弥のために昼まで待ってやることにした。


 席に座ると、もう一つ気付いた。教室中で同じ話題が飛び交っている。気になったヴラドは、近くに集まっているクラスメイトの輪に入る。


「おはよ。何の話?」


「あ、小野くん、おはよ」


 少し照れた顔をした女子が答える。


「なんかね、学校の周りで不審者に声をかけられた人がたくさんいて……」


「不審者?」


 なぜか嫌な予感がする。長く生きると鼻が利くというか、勘が良くなるというか。こういう直感は軽く無視することはできないということを、ヴラドは身に染みて理解していた。


「そう、フード被ってて顔はよく見えないみたいなんだけど……」


「急に呼び止められて写真を見せられるんだって」


「写真?」


 変わった不審者のようだ。ますます嫌な予感がする。


「人を捜してる。この人か、もしくは似た人を知らないか、って」


「それだけ?」


 人探しだけならそこまで怪しいことではないはずだ。しかし、それだけではなかった。


「そう、それだけなんだけど……」


「でも、その写真が変みたいでね、人によって見せられた写真が違うみたいなの」


 そこに他のクラスメイトも話に加わってきた。


「オレのときは昔の白黒写真で、軍人っぽい制服を着た男が写ってたぜ!」


「僕のときは金髪で青い目が綺麗な男の人を描いた古い絵画の写真でした」


「あたしのときはね、いかにも隠し撮りしたよーって写真で、ヨーロッパかな?石畳の町が一緒に写ってたよ」


 みな一様に一人の男の写った写真を見せられるらしい。でもどの写真も時代背景がバラバラで、写っている男は髪色や服装がてんでバラバラ。同一人物かもわからないそうだ。


 ここ三日ほどで急速に広がっているらしいこの噂は、隣町の学校周辺や、近所のスーパー、コンビニ、駅やバス停、どこでも遭遇する可能性があるそうだ。


「共通してるのは、その写真に写ってる男の人がめちゃくちゃイケメンってことだよ!」


「あーそれオレも思った!アレは男でも惚れるぜ」


「わかるー!!」


 ……俺じゃないよな?いや、俺な訳ないだろ、とヴラドはえも言われぬ不安に襲われる。第一ヴラドには捜される理由が思い浮かばない。しかし、ふとそう言えば自分の本当の外見が金髪に碧眼だったことを思い出してさらに不安になる。軍人っぽい服というのはいつの戦争の時だろうか。ヨーロッパにはつい最近まで住んでいた。とりあえず、ヴラドには思い当たるところが多すぎた。


 やめよう。考えるのをやめよう。とりあえずその写真を見てから考えよう。自分にそう言い聞かせ、いつの間にか昼休み。授業も聞いていたのかいないのかもはや完全に記憶が飛んでいる。


「はー、やっぱり純平が一番だったな、中間テスト」


「当たり前じゃない。純平くんだもん!!ねー?」


「……て、純平大丈夫か?」


 気か付いたら食堂でいつものように恭弥とレイラと瑠璃と座って昼飯を囲んでいた。本当に自分で運んだかもわからない冷めた日替わり定食が目の前にある。


「ああ、大丈夫だ」


「本当に大丈夫?朝から上の空みたい」


 いつも話に加わらず、聞いているのかさえ怪しい瑠璃すら、いつも自信満々で落ち着いているヴラドの心ここにあらず状態に心配を通りこしてもはや不振顔だ。


「……あのさ、お前ら、不審者の話は知ってるか?」


「やたらイケメンの写真見せてくるってやつか?」


「そうだ」


「知ってるよ。この学校では昨日当たりから広まってるみたいだけど、俺は三日前に兄貴から聞いたよ」


 知っていたなら早く言えよと、はんば八つ当たり気味にイラットしたが抑える。


「どんな写真だった?」


「珍しいな、お前がこんな話に興味持つなんて」


「そうか?」


 ハハハ、とヴラド自身でもビックリするくらいのわざとらしい笑い方だ。


「ホントに大丈夫かよ……。兄貴のみた写真は、外国の高級ホテルを望遠カメラで撮った写真だってさ。若い男の人が泊まってる部屋を盗撮した感じって言ってた。比較的新しい感じの写真だって」


 高級ホテル。去年仕事がうまくいってラスベガスに長期滞在した時のじゃないだろうか。だんだん本当に自分なんじゃないだろうかと思えてくる。


「あたし、写真持ってるよー!っていっても写真の写メなんだけど」


 ガタッ!!


 ここでその写真が出てくるとは予想していなかったため、驚いて思わずいすをひっくり返す勢いで立ってしまった。瑠璃が眉間に皺を寄せている。


「純平くん、やっぱりなんかおかしいよ……」


 レイラの微妙な表情に気を取り直す。


「あ、ああ、その写真を見せてくれ」


「はいこれ」


 差し出されたスマートフォン。その画面には、朝クラスメイトが見たと言っていた古い絵画に金髪碧眼の男……


 ガタアアアンッ!!


「!?」


「純平くん!?」


 それは間違いなくヴラドだった。予想していたとは言え、ショックが大きすぎて椅子を倒してしまう。落ち着け、そうだ、違う事を考えよう。しかし思いつくのは絵のことばかり。


「お、俺、今日日直だからみんなの課題提出に行ってくるよ!!」


 落ち着いていられないヴラドは席を立つ。


「あ、ああ。飯は?」


「いらねえ!!」


 そそくさと食堂を出て教室に向かうと、前もって回収しておいた課題を持ち職員室に向かった。提出するのは歴史の課題だ。岸田は苦手な教師だが、この際誰でもいい。とりあえず何かしていないと。


「岸田先生、課題提出に来ました」


 職員室につくと、岸田は自分の席でカップ麺をすすっていた。ちなみにヴラドはカップ麺が嫌いだ。保存料や着色料などの人工物の嫌な臭いがするからだ。こんな寿命の縮みそうな臭いを放つ食べ物を、おいしそうに食べる人間のおめでたい嗅覚が時々羨ましく思うほどだった。


「お、速かったな。お前が日直だと仕事が速くて助かるよ」


「そうですか」


「?どうした?なんかあったか?」


 そんなに動揺が顔に出ているのだろうか。


「いえ、なんにもありません」


「そんなことないだろ。めちゃくちゃ焦った顔してるぜ」


 ヴラドは深呼吸のつもりで一息ついた。


「あくまで俺の友達の話なんですが」


 この時のヴラドは動揺でおかしくなっていた。だからいつもなら絶対に話をしない相手だが、すこし意見でも聞いておこうと思った。


「ほお、お前に恭弥以外の友達がいたのか!?」


「……失礼します」


 話さなければよかったと後悔する。


「待て待て、からかってすまん」


 きびすを返すヴラドににやけ顔の岸田。とことん腹が立つヤツだとヴラドは思う。


「ちゃんと聞くから、な?」


「……その友達は事情があって本当の自分をかくしているんですが、それを脅かす人物が近くにあらわれました。どう助言すべきですか?」


「その友達はなにか悪い事をして隠れているのか?」


「……悪い事もしたと思います」


「バレたらどうなる?」


「さあ、どうなるのかはわかりません。追っている者が何者なのかわかりませんから。しかし、けっこう気に入っている今の生活を捨てなくてはならない事は確実です」


 ふむ、と真剣な顔をする岸田の表情は、なんとなくだけど険しさが隠れている。


「俺が言えるのは、その友達が自分の犯した罪で追われているのなら諦めて償え。しかし謂れのない事で追われているのなら……」


 急に岸田の表情が緩んだ。ニヤッと笑うと、


「俺なら、しらばっくれるな」


 なんだか話した自分がアホらしくなるヴラドである。


「そうですか、失礼します」


「おいおいけっこう良いアドバイスだと思うんだけど!」


 さっさと職員室を出る。戸を閉め切る前、その友達が助かると言いな!とか聞こえた気がするが、無視してさっさと教室に戻ることにした。もう二度と岸田にこんな話はしないだろう。


 教室に戻っても、聞こえて来るのは得体の知れぬ不審者と、写真の男の話ばかりで生きた心地がしない。吸血鬼で人畜無比の力を持つヴラドだが、できれば力なんて使いたくないなあ、なんて言ってる場合じゃないのかもしれない。まだ始めたばかりの新しい生活だが、またいつでもやり直せる。


 ふと今日が金曜日でよかったと思う。明日明後日は少なくともこの噂話も聞かなくてすむし、休みの間に風化すればいい。よし、久々に飲みにでも行こう。トニーやジャックは元気だろうか。


 などと考えながらの帰り道。今日は恭弥が補習のため一人だ。ヴラドの予想した通り恭弥は赤点をとった。泣きそうになりながら担任の教師に補習へと連行されて行く様は見物だった。


「一人で笑っているところすみません」


 不覚にも思い出し笑をしていたようだ。


「笑ってない」


 急に話しかけてきた一人の少女。全く気配がしなかったが、そんなに上の空だっただろうか。しかも思い出し笑いを見られていたなんて恥ずかしすぎる。が、その少女はお構いなしだ。


「いえ笑っていました」


「……まあいい。で、何か用か?」


 見た目はヴラドと同じくらいの歳か少し下か。ちなみにヴラドは見た目年齢十代のまま何百年と変わっていない。吸血鬼はある程度まで成長するとそのまま死ぬまで変わらない。ある程度、というのには個人差があり、ヴラドの知り合いに中年まで成長した吸血鬼がいたが、アレはアレで不便そうでヴラドは自分が恵まれてる方だと安心したことがあった。


「突然ですが、この人かもしくはこの人に似た人を知りませんか?」


 まさか例の噂のやつか!と身構えるが、こんな子どもが正体だとは思っていなかった。しかも女だ。目深に被ったフードのせいで顔は見えない。


 その女が差し出してきた写真は、まさにヴラドが去年ラスベガスに休暇に行った時の写真だった。いつもはモーテルに泊まるが、この時は気まぐれで高級ホテルにしてみたのだ。恭弥の兄が見たというのはこの写真で間違いないだろう。


「いや、悪いが知らないな」


 不本意だが岸田が言っていたようにここは適当に流してしらばっくれるか。それから後をつけてみて正体が探れそうか見極めよう。ヴラドはできるだけ自然な笑顔で答える。


「……」


「もういいか?」


 フードに隠れているが、相手の視線を感じる。なんだか不穏な空気だ。


「他に用がないなら俺はもう行くが」


「……」


 何か言えよ!!と言うヴラドの心の声も届くはずもなく。沈黙が流れる。


「おい、聞いてるか?」


「約90パーセント一致です」


「はあ?」


「背格好、年齢層、骨格、そして骨格から形成される声質。あなたがこの写真の人物です」


 突っ込みたいところはたくさんあった。しかしあくまで今の自分は小野純平だ。吸血鬼、ましてやヴラド・シルヴェストリなんかでは決してない。


「ちょっと待て。髪色とか違うだろ!?」


「それはいくらでも変えることができると思いますが」


「まあそれはそうだけど。でもほら、俺ただの高校生だしさ、そんな高そうなホテルに泊まれるわけないっしょ!?」


「それもどうにかなるんじゃないですか?もし、あなたが私の捜している人ならですけど」


 含みを持たせたその言い方が、お前の正体なんてバレバレだ!さっさと観念しろ!と言われてる気がしてきた。


「……そもそもなんでそいつを捜してるんだよ?なんかやらかしたとか?」


「そうですね、あなたがこの人なら心当たりがあると思うのですが」


 いちいち嫌な言い方だ。それで揺さぶりをかけているつもりなのか。しかし、何百年と生きてきたヴラドにそんな手は通用しない。


「この人は正確には人ではありません。あなたがこの人ではないとして聞きますが……、あなたは吸血鬼を信じますか?」


「……」


 やはりそうきたか。ここまではっきり言われるとなんだかすっきりする。さて、どうこたえようか。


「……いや、そんなの信じてないけど。この写真の人物が吸血鬼だとでも言いたいわけ?」


「そうです」


 何のためらいもなく答える彼女は、吸血鬼が存在することを本当に知っているのだろう。


「仮にそいつが本当に吸血鬼だとして、なんで捜してるんだ?」


 この世に吸血鬼がいるのを知っているなら、別にヴラドじゃなくてもいいはずだ。ほかに吸血鬼なんて腐るほどいるだろう。数が減っているからといって、探す場所や時間があえば必ず見付けられる。


「……この吸血鬼は特別なんです。あなたが本人ならおわかりかと思いますが、彼にしかできないことがあります。彼に聞きたいことがあって探しています」


「聞きたいこと?」


「はい。あなたが本人ではないなら、内容はお伝えできません」


 控えめに話しているようだが、そう言って無理矢理捕らえられる可能性もあるだろうか。ヴラドは昔、人間から頼まれてスパイとして旧ドイツ軍に潜入したが、捕まって酷い目にあったことを思い出した。まさに拷問や人体実験真っ盛りの時代。捕虜として捕らえられ拷問にかけられた時は、自分の正体がバレないように魔力で傷が治らないようにしてひたすら耐えた。アレはかなりキツかったなあと思う。


 ともかく聞きたいことというのは気になるところだが、酷い目にあうのはごめんだ。ヴラドはしらを切って言った。


「まあ、俺には関係ないがそいつが見付かるといいな」


 じゃ、とそのばを離れる。


「……」


 幸い予想に反して、その女は追ってこなかった。

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