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呼吸困難

作者: 月白 深夜

見上げていたのは無機質な天井

馴染んだ白さが不意に息苦しくなって

浅くなる呼吸に喘ぎながら

二酸化炭素(げんじつ)で埋まった部屋の中

何処か知れない酸素(じゆう)に焦がれた


ねえ此処から出してよ

叩きつける手に滲んだ赤は

素知らぬ顔の白を汚すこともできず

叫んだ声は掠れたまま

壁にぶつかり砕けて落ちて

思い出す青い空の色に

焼けつく渇きが喉を掻き毟る


此処は苦しいんだ

立ち上がることさえ忘れたような低い天井

世界はもっと広いのに

どうして僕には窓越しの光も許されないの?

風も吹かないこの場所は

浮かび上がる水面も見えず

ただずっと澱んでいくだけで


膿んだ息を吐き出して

ひりひりと痛む気道

流れ込むのはコンクリート

押し潰すような現実に締め付けられる心臓を掴み

飲み込んだ喉は痙攣して

僕にはまだ


高い空が見えない


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