家族
短いです。
お祖父様の登場です。
「随分と遅かったじゃないかぁハニー。心配したんだぞ~」
着いた早々に出迎えたのはお祖父様。つまりお祖母様の旦那様。
「あ~んダーリン怖かったのぉ~」
「ん~?何かあったのかい?」
「盗賊に帰り道襲われちゃってね?でもでも、この国の第三王子に助けてもらったのぉ~」
「それは良かった…何よりハニーとニコちゃんが無事で良かったよ~」
…せめて孫のいない時にイチャイチャしてほしい。2人とも70代だと思わせれない顔立ちをしているけど…けどさ…反応に困る。
私がじーっと黙っているとお祖母様が私に抱き付いた。
「ダーリン、ニコちゃんは無事じゃあないのぉ~ほら見て右足首を捻挫しちゃったみたいなのぉ」
「それは大変だ!ニコちゃん直ぐに手当をしなくちゃ!」
「これくらい大丈夫ですよ~」
「ダメだ!対処は早い方が良いに決まっている!さぁ早く!」
これくらい、いつもほっといていたんだけど…
私は言われるままに柔らかいソファーに座らされ、右足首に大袈裟なくらい包帯を巻かれた。
「そんな大袈裟ですよ、お祖母様」
「ダメよ~女の子の足はとっても大切なんだから!」
私は女に入るのか?と思ったが口には出さないでおいた。
「そういえば、お礼の品は決めたのですか?」
「えぇ、妥当にクッキーや茶菓子なんて手作りしたらどうかしら?」
「え?…?私が作るのですか?」
「私たち~知ってるでしょお?どうしても抜け出せないパーティーに呼ばれてるから、お礼の品は作れないのぉ。それに、私が作って、王子が一ヶ月以上寝込んでしまったら洒落にならないでしょう」
わ・す・れ・て・た!
そーだよ、お祖母様の料理の腕は芋虫以下!あぁ~
と、心の中で悶えているうちに、お祖母様達が行ってしまわれた。
「………………とりあえず明日、作ろう。そして今日はもう寝よう」
落ち着いたらドッと疲れてきて、お風呂に入って静かに寝た。いや、3秒で寝たかな。