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帰り道

ご指摘がありましたので、直させて頂きました!

ありがとうございます

「ニコちゃん、夜会はどうだった?」

裏表の無い笑顔で見てくるお祖母様。

「お祖母様…この国の王子ってどんな方なんですか?」

「あら?珍しいわね、ニコちゃんがそんな事を言うなんて…ついに来ちゃった?春到来?キャッ」

と、赤らめた頬を衰えを感じさせない指で隠す仕草は未だに乙女のようなお祖母様。

「春は来ていませんけど、気になっていて…」

私の言葉にちぇっという表情で見るが私は王子の話を即した。


「そうねぇ~まず、王子は第三王子までいるのよね。長男はレイナルド王子。通称レイ様って呼ばれているわ。容姿端麗で紳士的で1番人気があるのよ、まぁ、王位継承権第一位でもあるからかしらね。容姿は金髪碧眼の父親譲りの美形よ。」

語尾にハートマークが付きそうな物言いで、ウィンクをしてくるお祖母様に相槌をして第二王子の事を聞く。

「次男は~ルイドライ王子、通称ルイ様ね。ルイ王子も容姿端麗なんだけど、レイ王子とは違って女には興味がない感じなのよね。今日も夜会には来られていなかったわ。容姿は銀髪に碧眼の母親譲りの美形よ少し病気持ちみたい」

お祖母様の話を聞いているうちに、ん?となる事があった。

「第三王子はどうして漆黒の髪と瞳をしているの?」

「あ~、第三王子はね今の陛下が寵愛していた女性の子なの。ラングニエ王子、通称ラン様はその女性譲りなの。生まれたのはレイナルド王子やルイドライ王子の方が早かったけど王位継承者には近いわね。今の陛下が寵愛していた女性の名前はサオリ・ミカミ。異世界人みたいよ。髪と瞳は母親譲り。サオリ・ミカミ王妃は流行病で亡くなったわ…」

「そうなの…」

知らなかった…道理で珍しい黒髪だったわけだ。

「そういえば、いつも夜会とかあまり出ないラン王子なんだけど…今日は出てたみたいね。会ったの?」

お祖母様の言葉にビクッと体が反応した。

「す、少し見えただけかなっ?」

王子に暴言吐いたなんて言って驚いたら困るからね。

「そうなの。綺麗な顔立ちをしてたでしょ?」

「まぁ…」

そりゃあ、少し見入っちゃったけど…

「ふふっ、恋をしたら相談してね?絶対、引っ付けちゃうからっ」

意味ありな顔を見せ楽しそうに笑うお祖母様、全く…しょうがないんだから「絶対1番最初にお祖母様に言うわ」

「楽しみにしてるわね」

上品な微笑を私に向けて、私も返そうとした時、馬車がガタンッと揺れ、大きな音をたてて止まった。

「っつー、いたた…ッ!お祖母様!大丈夫?」

揺れた拍子に右足を挫いたみたいだが、そんなことはどうでもいい。お祖母様は無事なのか…

「大丈夫よ、少しよろけただけ。それにしても、どうしたのかしら…」

お祖母様が不安そうに辺りをゆっくり見回してると、馬車の外から下品な笑い声と下衆な野郎達の声が聞こえた。

「ひゃははっ、痛い目にあいたく無ければ有り金を全部よこしな。」

こいつらは金持ちばかりを狙う盗賊だった。

「ちょっと!何なのよ急に!ふざけないで!」

私はついつい下衆な野郎達に怒声を浴びせてしまった。

私の声に下衆な野郎の1人が此方を向く。

「貴族様にしちゃあ強きだな。じゃあ嬢ちゃんの上質な服でもくれるってんなら潔く帰るぜ?ぎゃははっ」

お祖母様が手持ちのお金を渡しましょう?と言っていたのだが下衆な野郎の声にイラついて聞く耳を持っていなかった。

…こんな所で脱げるかっつーの!考える事が最低ね!変態め!欲求不満か!

絶対脱がねーとばかりにドレスの首元を掴み心の中で罵倒していると、さっきの下衆な野郎がまた口を開いた。

「どうしたんだ?脱がねえなら俺が脱がせてやろうか」

汚い手つきで触ろうと近付いてくる。

気持ち悪いっ…その恐怖心からか一歩下がってしまう。だが…

「っ!」

右足を挫いたことを忘れていて、自分の体重が支えられなくなりペタンッと地面に座り込んでしまった。そんな私を見て良いように解釈したのかナイフを取り出し此方に向ける。

「どうした?ん?」

その余裕そうな野郎共の表情を見て、イライラがつのる。

「大体…今日は全然良いことが無かったのよ!この国の王子にぶつかるわ、訳わからん人にベンチを占領されてるわ。極めつけがコルセットでそこまでお腹一杯に食べれなかったのよ!」

ついつい、お祖母様がいるにも関わらず思い返したことを大声でぶつけてしまった。


「おい。どうして俺とぶつかったのが嫌なんだ?」

背後からの声にびくーっと体が驚いたが、それよりもこの声…と後ろを振り向く。そこには夜の闇と同等な漆黒があった。

「げっ、第三王子…」

私のげっ、と言う声に不機嫌な顔になった第三王子だが、私の姿を見てフッと笑った。笑いやがった。

「怖くて足が立たないのか?可愛い所もあるな」

「馬鹿言わないで!挫いて立てないんだけよ!」

挫いてなきゃあんな下衆共の1人や2人倒せるのに!

「助けてやろうか?」

此方を見る第三王子の余裕の顔が苛つく。なので全力で拒否した。

「いらない!」

「っ!あーそうかよ」

…でもお祖母様だけはこの第三王子と安全な場所にやった方がいんじゃないか?そう思い、スタスタと帰って行こうとする第三王子に声をかけた。第三王子が振り返る。

「やっぱり助けて欲しいか?」

「いや、それはいい…けど、お祖母様を安全な場所に連れて行ってくれない!?お願い!」

第三王子はふーんっとジロジロ此方を見る。

「んー、10秒で終わらせてやるよ」

「は?」

「まぁ見てな」

そう言った第三王子は私の前に立ち、指を鳴らした。

「体、鈍ってないかなぁ、まぁいいや。来なよ」

第三王子は手首をブラブラと動かしながら下衆共の方へ歩いて行く。

「っ!やれるもんならやってみろ!舐めやがって!俺らは伊達に盗賊やってねーんだよ!」

ナイフを持っていた男が第三王子に斬りかかる。

あいつ卑怯な!素手と武器とじゃ勝てるわけない…

そう思ったとき、

「がはっ…」

第三王子の膝が鳩尾にクリーンヒットし、ナイフが下衆な男の手から離れ地面に倒れた。

…全然見えなかった。

「よっわいなぁ…これでも盗賊?俺が知ってる盗賊の方が断然強いよ」

第三王子の言葉に苛ついた下衆共が次々に第三王子を狙うがその単細胞な思考を哀れだと思った。

勝てる相手じゃない。だって、この第三王子…纏めて殴りかかってきた者たちも倒し、それだけじゃなく倒すのを楽しんでいるもの。

「は~ぁ。呆気ないなぁ。もう終わり?」

そう言いながら後ろ頭を掻く第三王子。

「大丈夫か?」

突如、振り返って私に手を差し出している。

誰が貴様の手など借りるか!

「要らないわ!」

パシッと第三王子の手を退けて、自力で立ち上がる。

「お祖母様、大丈夫?」

直様お祖母様を確認して起き上がらせる。

良かった…お祖母様は何処も悪い所が無いみたいで。

お祖母様の姿を見て安堵の息を漏らし第三王子の方へ歩く。

「ありがとう…助かったわ。っ、それだけ!」

第三王子を置いて馬車に乗り込み走らせる。

…今、絶対変な顔してた。


「それにしても驚いたわね~まさか第三王子のラン様が丁度、通りがかったなんて。今度お礼しなくちゃダメね」

「そう…だね」

「あら?どうしたの、ニコちゃん。お顔が真っ赤よ?」

「へ!?」

きっと、慣れないことをしたからだ!

「お礼は何が良いかしらね~」

お祖母様が楽しそうに第三王子へのお礼の品を考えているとお家…屋敷へ着いた。


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