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『ありきたりだと思ってた水魔法、実は文明破壊兵器でした〜』  作者: nekorovin2501


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【第9話 教会軍、雨に打たれて撤退ラッシュ】

天空水城は、雲の上を優雅に漂い続けていた。

高度一千五百メートル。

下界は完全に雲に覆われ、地上の様子はほとんど見えない。

それが逆にリシアにとっては最高の環境だった。

城の中央庭園にある巨大温泉プールで、

リシアは浮き輪(水で作った)に乗ってぷかぷか浮かんでいる。

銀髪を湯に濡らし、目を閉じてリラックス。

「……雨の音、聞こえる?」

アーテリアがプールの縁に座って微笑む。

「ご主人様が軽く降らせた雨ですよ。

今、下界は大雨で、教会軍がずぶ濡れです♡」

ミレーヌが尾びれを水面に叩きながら。

「教会の『神託の軍勢』、総勢二万。

聖騎士団、魔法師団、神官団まで揃えて、城を『神の敵』として討伐に来たそうです」

リシアは目を閉じたまま呟く。

「ふーん。

じゃあ、もうちょっと強く降らせて、みんな帰るまで待とう」

彼女が指を軽く動かす。

雲海が一気に厚くなり、

下界に向かって豪雨が叩きつけられた。

塔のスクリーンに、下界の様子が映し出される。

教会軍の陣営は、泥濘と化した平原。

テントは倒れ、聖旗はびしょ濡れでへばりつき、

聖騎士たちは鎧の重さで動けず、

神官たちは祈りの詠唱が雨音にかき消される。

大司教が拡声魔法で叫ぶ。

「神の名において、この魔女を討て!

天空の城は神のものだ!」

しかし、次の瞬間——

ゴロゴロゴロ……ドーン!!

雷が落ちる。

いや、雷じゃない。

リシアが「ちょっと雷っぽくした」だけの水の電撃。

バチバチッ!!

聖騎士の一団が感電して転がる。

「ひぃぃぃ!!」

「これは神の怒りか!?」

「いや、神託のはずなのに……!」

大司教の顔が引きつる。

さらに雨が強くなる。

まるで滝のような垂直の雨。

兵士たちは視界ゼロ、足元は川状態。

馬はパニック、荷物は流され、

ついに後衛の神官が叫んだ。

「撤退です! これ以上は神罰です!!」

大司教が悔しげに歯噛みする。

「……くそっ、この雨……この城……!

だが、必ず……」

彼の言葉は雨に飲み込まれ、

教会軍は総崩れで後退を開始した。

撤退ラッシュ。

二万の軍勢が、泥まみれで逃げ惑う姿は滑稽ですらあった。

城内のスクリーンでそれを見ていたリシアは、

温泉で伸びをする。

「……終わった? よかった、静かになった」

アーテリアが優しく頭を撫でる。

「ご主人様の雨、一撃で二万を退けたんですよ。

本当に最強です♡」

ミレーヌも目を輝かせて。

「これで少しは平和になりますね。

次は領民の街づくりを手伝いましょうか?」

リシアは浮き輪に沈みながら。

「……街づくりとか面倒……

とりあえず、もうちょっと寝よ」

しかし、塔の声が静かに報告。

『ご主人様、新たな接近者検知。

単独。身分:謎の使者。

メッセージ:「湖の聖女よ、会談を望む。

内容:大陸の平和のため」』

リシアはため息。

「……また来るのかよ……

誰だろ、今度は」

下界の雲を抜け、一人の影が城に向かって飛んでくる。

それは、黒いフードを被った、

どこか懐かしい雰囲気の人物だった。

第9話 終わり。


【次回予告】

謎の使者が城に到着!

正体は……意外な人物!?

「実は私も水魔法使いで……」

リシア「え、同業者!? めんどくさい……」

第10話『同業者(?)が「一緒に世界征服しませんか?」って言い出した』

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