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『ありきたりだと思ってた水魔法、実は文明破壊兵器でした〜』  作者: nekorovin2501


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【第3話 皇帝陛下、湖で溺れそうになる】

湖畔はもう完全にカオスだった。

皇帝陛下、顔を真っ赤にして叫ぶ。

「この湖は帝国の領土だ! 精霊王も、湖も、すべて朕のものと宣言する!」

アーテリアはリシアのすぐ横で、ふわりと水のヴェールを翻した。

「ご主人様以外に膝を屈するつもりはありません」

「ご主人様って言うなああああ!!」

リシアの叫びは無視された。

皇帝が手を振り上げる。

「騎士団! あの小娘と精霊を捕縛せよ! 抵抗するなら殺しても構わん!」

三百人の重装騎士が一斉に槍を構える。

リシアはため息をついた。

「……朝ごはんまだなのに」

その瞬間、湖が震えた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

水面が盛り上がり、まるで生き物のようにうねる。

アーテリアが小さく呟いた。

「ご主人様に危害を加える者は、水の名において許しません」

次の瞬間。

湖から無数の水柱が立ち上がった。

高さ三十メートル。

太さは馬車一台分。

三百本の水柱が、まるで蛇のように騎士団を狙う。

「な、なんだこれは!?」

皇帝が悲鳴を上げる。

水柱が襲いかかる。

ドバァァァァァァァ!!

騎士たちは一瞬で湖に叩き落とされた。

重い鎧のせいで、すぐに沈む。

「助けてくれぇぇぇ!!」

皇帝も馬車ごと水柱に巻き込まれ、湖の真ん中へポチャン。

「陛下ぁぁぁ!!」

残った側近たちが青ざめる。

リシアは呆然と見ていた。

「……ちょっと強すぎない?」

アーテリアはにこにこしながらリシアの袖を引っ張る。

「ご主人様、溺れ死なせたら面倒でしょう? 助けてあげますね」

彼女が指を軽く鳴らす。

ピチャン。

皇帝が水面にぽっかりと浮かび上がった。

全身びしょ濺れで、髪はペタペタ。

威厳ゼロ。

「う、うう……朕は……皇帝だぞ……」

「はいはい、溺れなくてよかったですね」

リシアが手を振ると、皇帝は水の上を滑るように岸まで運ばれてきた。

側近たちが慌てて抱きかかえる。

皇帝は震える指でリシアを指差した。

「……覚えておけ……この屈辱、必ず……」

「はいはい、またねー」

リシアは完全に興味を失っていた。

そのときだった。

湖底から、鈍い音が響いた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

水面が割れ、中央に巨大な渦ができた。

「……あれ?」

リシアが首を傾げる。

渦の中心から、黒い石造りの塔がゆっくりと浮上してきた。

高さは百メートルを超える。

表面には古代文字がびっしり。

アーテリアの表情が初めて変わった。

「……これは、『水禍のアクア・カラミティ』……千年以上前に封印された、古代の超魔導兵器……」

塔の頂上で、青白い光が灯る。

そして、機械的な女性の声が湖全体に響いた。

『認証完了。

水の支配者たる新しき主を認めます。

起動モード:完全従属』

リシアはぽかんと口を開けた。

「……え、私が主人?」

塔がゆっくりとリシアの方へ傾いた。

まるで頭を下げるように。

湖畔にいた全員が凍りついた。

皇帝は震えながら呟いた。

「……こ、この湖は……もう帝国のものでは……ない……」

リシアは頭を抱えた。

「ちょっと待って! 私ただ水飲みたかっただけなのに!!」

第3話 終わり。

【次回予告】

浮上した超巨大魔導塔が「ご主人様♡」モード全開。

近隣諸国が慌てて使節団を送り込んでくる。

そして塔の最深部に眠る“もう一人の支配者”が目を覚ましかける。

第4話『塔が「ご主人様大好きです」って言い始めた』

乞うご期待!

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